NECパーソナルコンピュータ(以下、NEC PC)およびレノボ・ジャパンは7月20日、前任の留目真伸氏に代わって新社長に就任したデビット・ベネット氏の就任会見を開催した。デビット氏の就任は5月16日だが、新社長として公式の場で登壇するのは今回が初めて。
同氏は就任後の約2カ月間、NECレノボの国内拠点である米沢や群馬の工場を視察していたことを明かし、就任のあいさつが遅くなった理由を流ちょうな日本語で説明した。カナダ国籍のデビット氏だが、もともと日本で教育を受けた経験があり、配偶者も日本人。前職のAMDではAPJ(アジアパシフィックジャパン)を統括するメガリージョン担当バイスプレジデントを務めており、日本市場にも詳しい。
ベネット氏は「PC市場には大きな可能性があると考えている。レノボグループのようなリーダー企業には市場を活性化するチャンスがある」と話し、AMDでグローバルなビジネスを担当してきたこれまでの経験やリレーションシップを生かして、「今まで以上に(グローバル企業の中の)NEC PCとレノボ・ジャパンをサポートできる」と意気込む。
特に同氏が注目しているのは、就任後すぐに視察した米沢や群馬、大和研究所といった国内拠点だ。NEC PCが展開している使い方相談無料サービスや最短3日納期、24時間以内の修理率98%を「日本独自の強み」として挙げ、「日本のエンドユーザーは品質を重視する。グローバルでも以前の低コスト重視から品質を重視するトレンドがあり、既に品質でNo.1を確立した日本がグローバルでも強みになる。NEC PCは(グループの)秘密兵器」と話す。
実際、NEC PCのノウハウはレノボの国内向け製品でも転用され始めており、初期品質が30%改善された他、群馬サービスセンターの修理のノウハウによってもレノボグループアジア地区の修理パーツの品質は60%が改善されたという。
同氏は次のゴールとして「レノボグループも含めて2020年までに1日での修理率を95%まで高めたい」と述べ、「他のOEMでは難しいだろうが、NEC PCでは既に実績があり、十分達成可能だと思う」と自信を見せた。
「グローバルから日本への一方通行ではなく、日本のハイレベルな技術を世界に展開していく。(新社長として)日本と海外の架け橋になり、日本市場を活性化していきたい」(ベネット氏)
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