IRカジノ法に反対!
―何も審議しない、審議できていない―
4月27日、IR法が国会(衆院)に提出され、内閣委員会で審議されている。自、公、維の推進派は今国会中の成立を目指す。世論の6~7割が反対する中、野党の慎重審議、中央・地方の公聴会、参与人質疑、カジノの負の資料提出要求を無視している。6月7日採決の考えだったが、6月10日の新潟知事選への悪影響を考えて見送り、近く衆院採決を強行しそう。その後は参院審議となる。
カジノの悪影響は、①ギャンブル依存、②教育への悪影響、③マネーローンダリング、④脱税、⑤暴力団排除、⑥客を破綻させるなど沢山ある。安倍総理は「世界最高水準」と嘘を言い、石井IR相は政府IR会議で「経済効果は民間機関の希望的仮定値」と言い、「弊害にはその対応策」と言うが低レベルな答弁だ。
安倍内閣のIR導入は、海外カジノ事業者の要求に合わせた民間賭博合法化でしかない。さらに法案の当初に掲げられた内容もあやしい。
①当初はマイナンバー提示を条件としていたが、結局他の身分証で可とする(外国人はパスポート)
②7日に3回、28日に10回の“入り浸り”、1日入場料6000円で24時間営業で賭けさせる
③賭金の限界なし、業者が客に金を貸す「特定資金貸付」で結局は客を絞りつくす
④カジノ面積をIR施設全体の3%以内とする推進会議制限案さえ撤廃している
これでは、世界最高のカジノ客の収奪IRを可能にするものである。
こんな法案を、6月20日予定の会期終了日を延長してでも成立させようというのである。
ところで、このIR実施法案は、成立をめぐる各党の争いについては報じられるも、政府からIR法本文251条と331項に及ぶ政省令委任について詳しく説明されていない。政府与党は、難しい問題は先延ばしにして多数決で政府案を通し、国民世論など選挙への影響ほどにしか考えていないのだ。
IRカジノ法に断固反対する!
パチンコ研究(13)
低料金パチンコとパチンコ戦争
大阪千日前に最近、1円パチンコが出現したと思ったら、すぐに0.25円パチンコや0.2円パチンコが生まれた。ジャンボ千日前店の店頭には、全1096台のうち「日本最大801台低料金パチンコ専門店」という大看板が目を引く。4円のパチンコが一般的だが、ここでは半額2円パチンコが282台、その半額の半額1円パチンコが397台、そして地域最安値という0.2円パチンコが122台だという。パチンコは今は自動で1分間に100発しか打ち出せない規制だから、0.2円パチンコだと打ち玉すべてアウトでも1分で20円、10分で200円、1時間で1200円分の計算だ。トイレも行かず5時間続ければ、すべてアウトで6000円を失う可能性はある。しかし、例えば1000発(200円分)を打って1つも入らないようでは客はパチンコを止めるだろう。1時間打ち続けて1つも入らないのにそのままパチンコ台に座り続ける人がいたらお目にかかりたい。
予算1000円を持ち、100発(20円)のうち5回でも当たった場合、たとえ1回10個として50個の当たり玉が出るとすれば、完全に負けるには1500円分、7500発の玉を75分かけて打つことになる。結局、店にとっては、客に1時間15分打ち続けさせて、1000円の荒売上を得たということだ。しかし、1台のパチンコ台に75分間客に座ってもらって、その間の高い機台、電気代、人件費等を賄えるのかと余計な詮索をしたくもなる。
パチンコ店は1台あたり1日2万円の売上(貸玉)がないと採算が合わないと聞く。しかし、現在パチンコ店は満席はおろか半数も客が入ればよいところだろう。仮に1000台の店で500台が1日2万円を売り上げるとすれば1000万円の貸玉だが、勝つ客への賞品コストもあり、それが全て粗収入にはならない。粗収入が1日1000万円、年36.5億円なら1000台のパチンコ店はかなり収益の良い店だが、0.2円の低料金パチンコ店では1000台あっても1000万円の貸玉は困難だろう。何故なら計算上全台近くを5万発以上打ち続けさせて平均1万円の貸玉にするには、8時間以上も客を稼働させなければならないからである。
客側にとっても、低料金パチンコは、仮に長時間かけて1万個の勝玉を得たとしても、1円パチンコで1万円分、0.2円パチンコで2000円分の賞品にしかならない。結局、低料金パチンコは、低収入者、高齢者、ゲームをし続けたいというパチンコ依存者のためのものであろう。金を儲けたいと考える依存度の高いパチンコギャンブラーは、むしろ4円パチンコに没頭する。
ズバリ、低料金パチンコは、警察・公安当局の締め付けに「今は冬の時代」と従いつつ客を確保したい店、競争に負けて客を取り戻したい店、既に多大な投資をした施設に形だけでもパチンコ客を止めおきたい店の苦肉の策だろう。
パチンコ店はかつての2000万人から800万人まで減少している。人口層の縮小している若者らは、パチンコよりインターネットゲームに流れている。
パチンコ店業界は大型店舗化が激しく、大規模店が中小店を駆逐している。そのためかつて18000あったパチンコ店数は、近く1万を切るという。郊外の大規模パチンコ店が主流となり、昔のように駅前パチンコ、商店街パチンコが居並ぶ様は少なくなってきている。大阪なんば千日前のようなパチンコ店が密集する場所も残るが、これらのパチンコ各店も500~1000台の大店舗を構え、客を奪い合う状況となっている。それが千日前パチンコ戦争だ。
ギャンブルオンブズの眼⑤
国家体制とカジノ
〇 自由主義経済国家と社会主義経済国家の2大対立は今日もあるが、事実上、前者の国家が圧倒している。後者も自由経済を取り入れている部分が多く、社会主義というも自由主義国の福祉政策レベル以下のところが多い。建前としての自由主義、社会主義は、その内実を問わず評価しても意味が低いのである。
自由経済を是とする立場にも2つある。第1は、人の経済活動は全く自由にし、国家は人や企業活動には最小限の関与であるべきというものである。それでも経済活動の安全のために警察等やそれを支える政府の財政は必要で、税も最小限必要ということになる。そして、今や完全な自由主義国家はない。むしろ、一方の権力~王・貴族、金持ち、軍人、官僚の特権企業の自由と大衆、貧者、市民の実質的な自由がないことが、自由主義本位の国家での現状としてよく見られる。
第2は、自由経済というも(1)経済活動、(2)雇用・労働条件、(3)商品取引、(4)環境、(5)情報・教育、(6)市民の安全、(7)生活福祉に最大限介入する政府を持つ国である。そして20世紀後半は、社会福祉国家を目指している。しかし、政府の介入とそのコストを誰がどう負担するかで大きな分岐点に立つ国が多い。
このような様々な国家体制、経済政策の下も経済活動の変化に対し国家の介入が必要とされ実施されている。
日本では1990年以降の度重なる自然災害の下でも、19世紀までや20世紀の第2次大戦後の国家レベルの困窮状態はない。憲法でいう国の国民への最低限度の生存権保障義務もあって救済は可能である。
〇 しかし、物的な豊かさは精神的な富への欲求を増幅させることはあっても、必ずしも満足させない。食べ物への欲求を持つ動物は、射幸心を最大限に発揮し「豊かさ」の中でも楽をしてより多くの欲望を充足させようとするのである。
この射幸心への対策をとらず全く自由にさせている国家はない。取引の安全・公正のため、少ない介入で収益を得る英国のような国もあるが、ほとんどの国は政府の賭博以外を禁止し、賭博からは多大な税収を得ようとしているのである。そして、その公認賭博は、通常の産業が困難であったり未発達の地域において限定された人々にのみ国家的関与の下での特定観光産業として認められている。欧州のカジノはその例である。また、植民地支配の差別の歴史を持つ国において、観光事業の一つとして厳しい政府統制の下に認められている。アジアのカジノはその例である。アメリカの州政府許可のカジノも他の産業が生まれにくい地域での例外的なものである。
〇 世界的に何百万人もの市民が住み、本来の産業が多くあり、観光産業に限ってもより優越したものがある大阪や横浜のような大都市で、自国民を対象とするカジノをつくる国家はない。
投稿 IRカジノ具体化の動きとギャンブル依存等のハイリスク
T.N生
1.日本カジノ法の規制案について
政府与党のカジノ実施法では、外国人客のカジノ参加は無制限とするも、国内人へのギャンブル依存症対策から次の規制を考えているようだ。
①日本人と国内に居住する外国人は、週3回、4週10回の入場制限を設ける。
②日本人にマイナンバーの提示を求める。(上記1の確認のため)
③IRにおけるカジノ施設1.5万㎡(3%未満)
これは、IR実施法の導入に伴うギャンブル依存症対策の方法として、有識者会議がまとめた素案をもとに政府がまとめた法案という。
しかし、これは安倍総理のいうような世界最高水準どころか、最低水準である。
①この回数制限は、依存に伴う回数制限の規制に値しない。1回毎の賭け金規制がなく、週ないし月の総合額規制もない。日本人にせよ外国人にせよ一時の娯楽の範囲というなら賭け金総額は収入所得の2%以下でないと、本人や家族、そして社会に迷惑をかけることになる。これはアメリカやカナダの研究で判明している。
②日本人に対しマイナンバー提示と登録を条件とするとあるが、実はそれ以外の証明でもよいという抜け道が予定されている。マイナンバーを示して且つ所得、少なくともカジノでの収支を捕捉されることを客は嫌がるだろうし、カジノ業者も客足が減るとして反対する。本来、マネーローンダリングや脱税防止のためには、1回毎の源泉徴収の有無のチェックも必要だから、国税局からしてもカジノでマイナンバーを記録しておく必要はあろうが、そこまでのチェックシステムは導入されない。
③施設面積は、近時カジノがルーレットやバカラ等より、大衆向けのスロットマシーンの台数を多く置くことで稼ぐから重視するのである。
2.カジノの社会的費用、負のコスト、悪影響は、ギャンブル依存だけではないが、依存者としての問題ギャンブラー(ヘビー客)に限らず、低いリスク、中程度リスクのギャンブラーも社会的コストが高い。数も多いし実際に社会問題を引き起こしている。犯罪によるマネーは、ヘビー客ではなく中程度のギャンブラーに多い。カジノでは容易に問題ギャンブラーになるのである。
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◇◇アラカルト◇◇
「目八者どもてんなり賭ける―賭博場」
これは、長崎あづま著『漢字川柳』(2017.12 論創社)という漢字の意味や書き方、覚え方を川柳にした本の「賭」の句である。
目と八で貝、者という字に点を付ける、貝=金を賭ける連中に賭けの結果の点(配当)をつけるのは賭博場という訳だろう。
中国語で「博弈」とは囲碁などゲームを意味し、博奕につながる。長崎氏は、博奕の「博」の字は学者・博の意味に解しているが、「弈」ならどういう川柳になるかと考えてみた。
いご、ばくち 両手重ねて打ち続け
「廾」は両手のこと。ゲームやバクチを打ち続けるという字です。
コラム ギャンブル場とギャンブル依存症者の関係
パチンコ店に集まる人にギャンブル依存が多い。この常識に加えて、自宅からパチンコ店までの距離がパチンコ依存に比例するという調査結果が発表された。2014年、慶応大学大学院経営管理研究所の後藤励準教授らによる調査結果で、日本成人の性別を調整して1500人を選び、インターネットで調査したという。依存症とギャンブル施設の距離調査は日本では初めてという。後藤准教授は調査の結果、低所得者ではより比例度が高くなるとし、他のギャンブル施設でも同様という。
調査によると、男性は自宅から3km以内にパチンコ店が1店増えると、依存症の疑いのある者が1.9%増え、1.5km以内なら3%増えるという。カジノも同じ危険があるという。(2018.2.28毎日紙)
夢洲IRカジノの場合、3km以内にはマンションや学校が並ぶ住之江区南港地区があり、この点だけでも望ましくない。全国のカジノ誘致を目指すところも同様で、近くに住宅地や繁華街がある。
そして、公営ギャンブルは場外券売場を市民の居住する全国地方にも展開する。これはギャンブル施設と住民の間の距離感をなくすためだ。カーパチンコ、駅前パチンコはアクセスをよくして客を呼ぶためである。
ギャンブル場は鉄道、バス、マイカーから自転車まで、賭場と住民の距離感をなくすことが設置動機条件となっている。外国からも客を呼ぼうとする夢洲カジノでは、もちろん日本国内の遠方客も呼ぶための空港、鉄道、専用バスなどが準備されている。そのお膳立てに自治体も尽力しているのだ。
カジノ事業者によるギャンブル依存症対策
責任あるゲーミングに関する方針・プログラム・実践
1.ラスベガスのシーザーズ・エンターテインメント(CE)は、自らを「責任あるゲーミング」(Responsible Gaming(RG))を業界内に広め牽引してきたリーディングカンパニーだと自賛する。「責任をもってギャンブルを楽しめない方は、私たちのカジノはもちろん他のどのカジノにもお越しいただくべきではない」「まず情報も提供し、一人ひとりが理論的かつ賢い判断を下せるようにします」「責任あるゲーミングは政府、監督当局、業界、関係するコミュニティグループ、個人、その他の人々全員が実現しなければならない共通の責任」という。(同社パンフレット)
このパンフは、RGを原則とし接客し、従業員教育、責任あるゲーミングをしていない状況は問題事案という。だが、そのプログラムとは、自主的なカジノ制限、自己排除を含み、その責任あるゲーミングのためリーフレットを配布して注意喚起をするレベルである。
CEは、各自の行動は自己責任としつつ、業者が責任あるゲーミングをしていると見なせない客にはカジノから退場していただく権利があるというのである。
2.RGの実現には、客のしっかりとした知識と決定がいる。CEは娯楽としてのギャンブリングとは、カジノゲームの仕組み、勝率、ハウスアドバンテージの仕組みを知り、「オッズは超えられる」との考えは幻想であること、限度を決め、やめ時を知るべきという。問題であるギャンブリング(Problem Gambling(PG))の可能性を示すサインやPGに陥った場合の相談先について、ポスター、パンフ、ステッカーなどで掲示するという。これらギャンブルの印刷物には「始める前にやめどきを知ろう」のスローガンと無料ヘルプラインの電話番号が記載されている。
CEは自らをRG普及の広告を米国で初めてした企業という。RGをダイレクト・アドバタイジングとして、CEO自身がギャンブリングをすべきでない状況を述べ、そして経営者としてRG推進の決意をいう。カジノでは大人向けに「地域の礼儀マナーを尊重する」「過度・無責任なギャンブル、違法なギャンブルを許容しない」「カジノでのギャンブルが労働、家族サービス、それに変わりうると示さない」「経済的成功、社会的成功、個人問題の解決にカジノのギャンブルが必要と示さない」・・・というのである。そして、「カジノは法定年齢以上の者のみに宣伝し、法定年齢に達しない読者・視聴者が30%を超えている雑誌・テレビ・ラジオでの宣伝はしない」「従業員RGのトレーニングをする」としている。
また、「カジノでの自己制限と自己排除へのオプションを提供する」とするその具体的オプションとは、宣伝のメーリングリストから外したり、小切手の現金化、カジノでの信用取引の制限であり、自己排除希望客へのプレイ禁止である。
3.このようにカジノ業者CEのRGは、結局問題ギャンブラーの自己制限のサポートと過度の宣伝・広告の自制である。
CEによれば、他のカジノより先導的と自負しており、深刻なギャンブル依存は結局、カジノ事業に危機をもたらすと考えての取組みだという。たしかに、現在の無責任ギャンブル事業を展開する他のカジノに比べるとマシであるようにみえる。
CEは東京に日本事務所を開いて、こんなパンフを配っている。だが、夢洲カジノの宣伝のため開かれたIRショーケースでは、キャンペーンガールがビジターに飲み物やキャンディーを配るという宣伝活動を行い、こんなパンフを読んでいる人はいなかった。
4.パンフを読むと、まず第一にカジノありきである。その上でギャンブル依存は予防・啓発すれば責任あるギャンブルにできるという。第二に、責任あるギャンブルについてカジノ側にも宣伝や広告、受け入れ態勢に責任があるが、結局は客自身の自己制限が対策とされる。第三に、依存症患者に対し支援強化をすればよいという論理に貫かれている。依存症を発生させないという約束はない。
リーディングカンパニーのCEにしてこのレベルである。サンズ、MGMらの他のカジノ業者のブースには何のパンフもなかった。ギャンブル依存は客と政府の基本的責任にあると考えているのであろう。
博徒の数符牒
花札の「おいちょかぶ」では0~9の数字を次のように呼ぶ。
8を「おいちょ(追丁)」というのは、一つ(丁)を追い加えると9(カブ)になるからという説と、ポルトガル語の8の発音「オイト」由来説とがある。「カブ」はの由来は不明。
さらに「ブタ」とは最も強いカブから弱い0になったものをいうが、この由来もよくわからない。
カジノ狂騒人・団体鑑
国会議員・安倍内閣 (カジノ議連206名、元最高顧問:安倍晋三)
細田博之会長(自民党) 「IR法案は次の国会にて必ず・・・」
岩屋毅幹事長(自民党) 安保調査会長「守備範囲はルーレットからミサイルまで」と自慢
萩生田光一事務局長(自民党) 安倍総裁特別補佐「文教族、靖国~カジノまで」と自慢
石井啓一IR担当相「7日に3回」「客に金も貸す…」
森重俊也内閣府IR推進本部事務局長、中川真同事務局次長
首 長
大阪府知事・松井一郎、大阪市長・吉村洋文、横浜市長・林文子、和歌山県知事・仁坂吉伸、
愛知県常滑市長・片岡憲彦、長崎県知事・中村法道、長崎県佐世保市長・朝長則男、北海道知事・高橋はるみ、北海道苫小牧市長・岩倉博文、釧路市長・蝦名大也、留寿都村長・場谷常八
カジノ企業・経済団体
ラスベガス・サンズ(シェルドン・アデルソン会長、マイク・レバン社長)
「制限なきIR」「日本カジノに10億ドル(1兆円)投資準備がある」
マリーナ・ベイサンズ(ジョージ・タナシジェビッチ)シンガポール
MGMリゾーツ・インターナショナル(ジェームス・ムーレン代表) 「日本に最大1兆円投資」
ウィン・リゾーツ(スティーブ・ウィン会長) ラスベガス・ウィン・マカオ
シーザーズ・エンターテイメント(J.J.ブラックハースト元ラスベガス市長)「RGの先頭」を歩むと自負
ギャラクシー・エンターテイメント(ルイ・チェ・ウー会長)
スペクトラム・ゲーミング(フレッド・グシン社長)
メルコ・クラウン・エンターテインメント(ローレンス・ホー) クラウンマカオ
東京芸大へ10億円 沖縄・横浜にアプローチ
セガ・サミー(パチンコメーカー 里見治会長)シーガイア買収、韓国カジノ会社と合弁 パラダイスシティ
マルハン(パチスロ 韓昌祐会長) マカオサクセスユニバース出資
ダイナムJH(パチスロ 佐藤公平) 香港上場
HIS(澤田秀雄社長) ハウステンボスにカジノ誘致、カジノクルーズ
ユニバーサルエンタテイメント(岡田和生) ウインリゾーツ出資、フィリピン進出 オカダマニラ
日本カジノ学院(贄田崇矢) カジノに向けて人材・ディーラー育成
日本カジノスクール(大岩根成悦校長)
和田忠久(カンボジアカジノ社長)
北本聖(ベトナムカジノ社長)
関西経済同友会(黒田章裕会長) 夢洲IRを核に観光効果1.47兆円
経団連(榊原定征(東レ)→中西宏明(日立))
推進コンサル媒体、「推進学者」
岡部智(電通IR・観光プロジェクト部長)
丹治幹雄(ゲーミング・キャピタル・マネージメント最高顧問、元石原都政新銀行執行役員)
美原 融(アミューズメント産業研究所長、三井物産戦略研究所フェロー)
谷岡一郎(大阪商大学長、IR・ゲーミング学会会長)
藤本光太郎(大商大研究員)
杉山 賢(ゴールドマン・サックス証券アナリスト)
アラン・フェルドマン(米責任ギャンブル国民センター所長)
宮本勝浩(関西大、りんくう国際観光振興協議会会長)
溝畑 宏(京大教授、元観光庁長官)
北谷賢司(金沢工大教授、カジノ産業研究エンターテイメント学会)
書籍紹介
これまでにパチンコ関係でその批判的な出版物は紹介してきたが、パチンコ関係団体の出版物は、必ずしも市販されないこともあり入手・紹介が遅れていた。一部、コラム等の記事の中で触れたことのあるものも含まれるが、今回改めて書籍紹介する。
1.『全遊連25年史』『全遊協20年史(全遊連35年史)』
全国遊技業協同組合連合会(1977、1986)
現在、パチンコホール店の全国協同組合連合会組織として全日本遊技事業協同組合連合会(全日遊連)があるが、その前身は1951年発足の全国遊技業組合連合会(全遊連)に始まり、その後1966年には全国遊技業協同組合連合会(全遊協)となり、さらに1989年全日本遊技業組合連合会を経て、1992年に現在の全日遊連となった。これはそのうちの全遊協発足20年、前身全遊連を含めて25年の際にまとめられた年史である。
遊技業は、戦争中には全面禁止されていたが、終戦後復活した。1948年7月に風俗営業法が制定され、公営委員会の許可の下に既存のパチンコ店も出発。1951年6月、警視庁管内の遊技場は1400店余にのぼり、以来、各地で遊技場業者の組合が生まれる。1951年7月5日、全国の組合が任意組合「全遊連」を創立。
1952年、連発機が登場し拡大するも、1954年11月連発機禁止令(12月実施)となり、1955年単発機の基準が通達。連発機の禁止により客離れが起こり、転業廃業が増えた。新方針が打ち出される1961年6月には、全遊連は遊技場9360店、機械台数77万8960台の規模となっていた。
1966年1月、「全遊協」設立、11月通産省認可の協同組合となる(初代理事長 水島年得氏)。この年、全遊連からの運動で1960年考案のチューリップを含む機械が緩和され、全国に普及した。両史の内容としては、ほとんどが全国支部役員らの紹介にあてられているも、良くも悪くもパチンコ業界の実態を教えてくれる。1951(昭和26)年~1986(昭和61)年までの年表は、さまよえる業界の様を一定読み取ることができる。
また、業界25年の座談会や遊技場の今昔や遊技機の変遷をまとめたものもある。1銭パチンコは1兆円産業(当時)へと遊技場の発展が語られている。
パチンコに肯定的な有名人による「私とパチンコ」では、パチンコマニアと自称する吉行淳之介や開高健、安西篤子、別役実、扇谷正造、竹内宏、多田道太郎、中村武志、十返千鶴子らのパチンコ所管が綴られ、パチンコの弊を語らず(知らず?)のものである。
パチンコにまつわる映画や書籍の紹介もあり、映画「竹の家一東京暗黒街」「チンジャラ物語」、書籍「パチンコ必勝法」「パチンコ教室」などがある。社会批判どころかパチンコの裏側を紹介するものはない。25年史は全体で788頁、そのうち349~789頁まで440頁は、全遊協(連)の役員、組織、活動の紹介である。35年史はその続版である。
2.『パチンコ産業経営白書2002』 日本遊技産業経営者同友会
(経林書房 2002.5発行 2500円)
パチンコ業者らが同友会を結成し、ホールの経営問題を調査検討する経営白書。1997年から2002年まで毎年、全6冊が発行されている。パチンコ産業の成長を目指すための経営白書、2003年以降は発行されていない。内容はパチンコ産業本位のものである。同業者のアンケート協力を得ており、データは参考になる。
このうち入手した2002年版は、第1部:ホール経営者へのアンケート調査、第2部:2001年研究会レポートとして①景品取扱業務、②消費者利益への考察と産業化、③風適法23条と順法営業、④福祉施設団体の寄与、そして貯玉・景品システム研究会や同友会役員を掲載している。
3.『パチンコ30兆円産業白書1997』 室伏哲郎
(アリアドネ企画 1996.12発行 2400円)
室伏氏は、ノンフィクションや汚職告発など社会批判の著書を多数出版している。本書はパチンコ疑惑を含めて追及するもの。
氏は、パチンコを健全娯楽として位置付けるべく「パチーノ」という新語を提唱してパチンコ学会を立ち上げたが、その後2009年78歳で亡くなった。パチンコファンを自称し、30兆円産業とした警察行政への批判の一方で、ギャンブルを文化と称し、パチンコの違法状態を認め、ギャンブルを正面から適法化させようとしていた氏らしい。
業界を詳しく分析した白書である。資料としても全国のパチンコ店の協力を得た統計、パチンコ好きな有名人、攻略本、業界紙、パチンコ関係有益文献の一覧もある。こうしたレベルの白書も、室伏氏と共に絶えて久しい。
4.『パチンコ百年史』 山田清一外編
((株)アドーサークル 2002.8発行 1500円)
「ヨーロッパに生まれ日本に育った」という副題にあるように、多数の写真、年表を付け、A4拡大版179頁でとにかく写真で見せる出版物である。
特に戦後のパチンコ業者と警察の斗いの歴史ともいえる姿は紆余変遷し、遊技業界が違法であろうと実力で商売を拡げ、警察がそれを後追いし、時には先にリードさえする姿を示す。業界と警察が妥協(癒着)の限りを尽くすものであったことがわかる。
いろはカルタ賭博考(7)
こ 「子は三界の首枷」(江戸)、「これにこりよ道才坊」(上方)
子を想う気持ちで欲界、色界、無色界(三界)の人は輪廻転生を束縛される。見せしめに懲りて二度とするな!道才坊とは語呂合わせである。ギャンブルなど二度とするな博才坊。「子は宝」「子供正直」「子を持って知る親の恩」など子のつく句は多い。
<転ばぬ先の消費者教育> <孝行を教える国の不孝くじ>
え 「得手に帆を揚ぐ」(江戸)、「縁の下の下持ち」(上方)
機会を逃さず利用、また得意になって調子に乗ること。だが「得手も仕損じ」がある。「縁の下・・・」は陰で努力する人の意味と無駄な努力の例えの意味がある。得手とギャンブルに興じて無駄になる。「えびで鯛を釣る(えびたい)」賭けの多くは失敗する。「絵に書いた餅」は役に立たないものの例えだが、億円くじを買う者は自分に当たると思っている。
<笑顔で夢売る クジを売る> <駅前パチンコ 我が町も>
て 「亭主の好きな赤烏帽子」(江戸)、「寺から里へ」(上方)
一家の主が好むものは奇異なものでも同調させられる。昔から賭け事ばかりの亭主に泣かされた妻子は多い。しかし、今は離婚も多い。上方は、寺から檀家への贈り物のこと。物事の道筋が普通と逆の例え。
「鉄面皮」という諺があるが、パチンコを自らギャンブルに仕立てて利権天下り先としているくせに、「パチンコは遊技でギャンブルではない」と国会答弁する警察役人のことだ。
<寺銭 今は賭博収益税> <手入れも想定内>
あ 「頭隠して尻隠さず」(江戸)、「足下から鳥が立つ」(上方)
ギャンブル依存は否認の病。連日パチンコに行っているのにたまにしか行っていないようにいう。賭博による借金をして足下に借金取りが来ると、親に借金の尻拭いをさせる――という例が多い。「暑さ忘れりゃ蔭忘れる」の例えどおり、親が負債を払ってくれるとまたぶり返す依存症。
<悪事繰り返す病> <悪銭も収益事業 税と同様>
さ 「三遍回って煙草にしよう」(江戸)、「竿の先に鈴」(上方)
やるべきことをして休憩に。現代はタバコはダメという時代。竿の先の鈴はやかましく口数も多い。三遍回るというのは昔の夜回りのこと。しかし今はいつでもどこでもギャンブルができる。インターネット購入が多い。「猿も木から落ちる」のに“失敗しないので”と言っている。「やらないカケに祟りなし」なのだ。
<三K それは競馬・競輪・競艇> <去れ! アイアールカジノ>
ギャンブルNEWSピックup (2018.4.20~5.28)
2018.4.20 朝日 (北陸六味)久保智康さん 福井にカジノ 似合わぬ
4.26 朝日 ギャンブル大国、英国の苦悩 依存症「人生破壊する」
東スポ 裏カジノで1億円すった男の感覚 バト桃田の事件も「軽く見ていた」
日刊大衆 六角精児「何千万か負けた」ギャンブルへの思いを告白
4.27 日弁連 「特定複合観光施設区域整備法案」の国会上程に反対し、廃案を求める会長声明
大阪梅田 第1回関西IRショーケース開催(28日は一般公開も)
毎日 カジノ熱帯びる大阪 IR法案きょう閣議決定 依存症懸念なお
NHK カジノ反対の市民団体(カジノ反対協)「人の不幸前提にした産業要らない」
〃 大阪でIR事業者がPRイベント
朝日 橋下氏、カジノ「絶対無理と言われた」法案が閣議決定
4.28 日経 社説:カジノの懸念に応える審議を
毎日 「IR実現大きな一歩」候補地関西 高まる熱 展示会大阪で初日
〃 依存症など課題多く カジノ法案 閣議決定道筋不透明
赤旗 国民世論は解禁反対 カジノ法案閣議決定に抗議
4.29 毎日 社説:カジノ法案を国会に提出 賭博が観光の目玉なのか
熊本日日 社説:「カジノ法案」提出 依存症対策が十分でない
山陰中央 社説:カジノ法案閣議決定 まず依存症対策の論議を
5.2 北海道 カジノ解禁 成長戦略に値するのか
赤旗 主張 カジノ実施法案 もうあきらめる時ではないか 異次元の賭博の危険
5.5 TBS報道特集 「カジノ解禁の是非」
産経 IR事業者VS大阪府市、誘致めぐってバトル勃発 交通整備費負担めぐり
福井 論説:カジノ法案閣議決定 依存症対策を優先すべき
Webronza 観光立国につながるIR・カジノとは 寺島実郎
5.6 BIZ-j カジノ候補地で期待急、大阪はひとり前のめり 依存症対策の利用制限に猛反発
5.8 赤旗 大阪・見本市 カジノ推進派に矛盾 IR装い 外資乗りだし
日経 カジノに透ける「トランプ、金正恩、習近平の縁」
5.9 日弁連主催 「カジノ解禁に反対する」パレード及び院内学習会 開催
産経 カジノ誘致の経済波及効果は約3千億円 和歌山県が基本構想
5.11 <当会 会報第66号発行>
5.12 朝日 カジノ「客を依存症にするビジネスだ」 法案考える集会 名古屋
〃 貴闘力さん、今もギャンブル依存症 発端は化粧まわし
5.13 赤旗 カジノ依存症体験談にどよめき“負けてもやめられない”愛知県弁護士会シンポ
5.14 毎日 政府、ポーカー解禁へ カジノ法案 集客目指す
赤旗 “誰もがギャンブル依存症の危険”カジノ誘致市民が標的 候補地佐世保 講演会学習
5.15 東京 依存症対策修正案あす提出方針 自公、カジノ審議入り狙い
大阪弁護士会 「特定複合観光施設区域整備法」案に反対する会長声明
5.16 毎日 IR実施法案 賭博が成長戦略? 依存症の懸念残る 不透明な地域振興
5.17 毎日 IR誘致に弁護士会が再度の反対声明 和歌山県
5.21 自由法曹団 カジノ実施法案の国会提出に強く抗議し、同法案廃案及びカジノ推進法の廃止を求める決議
5.22 赤旗 依存症対策答えず 北海道苫小牧 カジノ誘致 大門氏ら調査に市側
秋田魁 カジノ法案きょう審議入り 首相「世界中から集客」と強調
5.23 朝日 パチンコに4千万円…でも自覚できないギャンブル依存
全国クレサラ・生活問題対策被害者連絡協議会 カジノ実施法案の廃案を求める声明
5.24 赤旗 カジノ業者が貸し金業務?! クレサラ被害者団体 廃案を求め声明
5.25 NHK ギャンブル依存症法案 衆院通過 IR法案は審議入り
赤旗 事業者の規制こそ ギャンブル依存症対策法案で 塩川氏が主張
5.26 東京 横浜市へのIR誘致 候補地すら決まらず 地元「見込み薄い」の声も
5.27 赤旗 カジノ解禁大暴走 実施法強行狙う自公・維新 安い入場料、月10回入場可 標的は日本国民 作家・精神科医 帚木蓬生さん「すでにギャンブル大国」
5.28 朝日 「夢洲IRカジノは巨大なパチンコ店」内田樹氏
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◇◇ギャンブルオンブズ4コマ漫画◇◇
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