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三重

冷却剤、酷暑で注目 松阪のメーカーに問い合わせ急増

首や脇に巻く三日月形の冷却剤をPRする社員=松阪市の三重化学工業で

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 酷暑が続き、熱中症による死者が各地で相次ぐ中、予防や応急処置に使える医療用冷却剤を製造している「三重化学工業」(松阪市大口町)に、購入を求める問い合わせが増えている。同社は「命を救うために活用してほしい」と話す。

 同社は一九五六(昭和三十一)年創業。六六年から保冷剤や氷枕を製造している。熱中症対策として二〇一五年、三日月形のゲル状冷却剤「くるっとクール」を開発し注目を浴びた。一七年度には市の補助事業の採択を受け、医療用冷却剤に特化したブランド「メディアン」を立ち上げた。

 ゲル状の冷却剤は体に密着しやすく、動脈がある首回りや脇に巻いて血液を冷やすことで、熱中症予防や、気分が悪くなったときの応急処置に使える。

 会社への問い合わせは五、六月には一日一件程度だったが、九日の梅雨明け後に増加。連休明けの十七、十八両日は一日十件に上った。県内外の高校や小学校、ゴルフ場、運送業者からで、商品を扱っている市内の薬局やインターネット通販店を案内している。

 山川大輔社長(40)は「冷却剤で救える命もある。商品とともに、首や脇の下を冷やす対処法も発信していきたい」と話す。

 津地方気象台によると、松阪市内は十九日まで七日連続で最高気温が三五度以上の猛暑日が続き、十六日には農作業中の男性(88)が熱中症で亡くなった。

 (作山哲平)

 

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