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2018-07-19

ボードゲーム会に来る困った人どうするか問題。Add Star

ボードゲーム会に来る困った人どうするか問題。を含むブックマーク

台湾旅行記もあと1日で終りだというのにこんな話書いてます。*1

発端はこのツイート

発達障害の方が最近たまにゲーム会に来るんですが、ゲームを(物理的にでなく内容を)壊してしまうことが多く、他の参加者不快な思いをさせてしまうという問題が度々あり、頭を抱えてます。

http://twitter.com/coplegend/status/1019220826384527360

とりあえずツッコミどころがない訳ではありません。「どうやってそいつが発達障害だとわかったんだよ」というのが一番のツッコミどころとは思います。思いますがそこツッコんじゃだめです。おそらく発達障害かどうかはこの問題とほとんど関係がないからです。

迷惑かけてるなら出禁でいいだろ」という方、それも違います。特に、こんなに短いツイートなのに「壊す」という言葉に反応して「モノ壊すんなら警察呼べよ」とばかりに勘違いしているかたがはてブにも2名ほどいらっしゃいました。しかもそこそこの古株なかたばかりだったので日本語読解能力の低下を憂うばかりです。話が逸れましたがこの問題単純な迷惑問題でもないのです。

ちなみに元ツイートは「あまりにも話が広がってしまった」という理由で削除されてしまっていますが、

https://togetter.com/li/1248206

とか、

https://archive.is/93Z6O

この辺で確かめることが可能です。

1ツイートだけでなく続きまで読むとけっこう悩んでいるなあというのがわかります。まあうかつに書かれた部分がありそうなのは否めないし、そうなるといち早く消したことはあまり責められません。


そもそも出禁になる迷惑行為とは何か。

迷惑行為と言ってもいろいろあります。あからさまなセクハラ(というか性犯罪に近いやつ)とか暴力行為破壊行為はゲーム会でなくても排除対象になると思います。昔書きましたが、他のゲーム会に誘うふりをしてネットワークビジネス勧誘してくるものとか、この辺はゲーム会特有の迷惑行為と言えるかもしれません。複数会議室のある公民館みたいなところがゲーム会の会場だった場合、盛り上がりすぎて奇声を発するのは他の団体への迷惑行為になりえますし、今後の活動への支障を考えて禁止せざるを得ないところかもしれません。風呂入ってないようで汗臭い、みたいなところも本人気がついているかわかりませんが迷惑行為に挙げているところがあるでしょうか。

今回の問題はそうではないのです。表向きには「ゲームに弱い」「ゲームをきちんと楽しんでいるように見えない」というものに過ぎないからです。これを判定するのがどれだけ面倒くさいか。

ゲームはそもそもどれだけ真面目にやるべきものなのか。

記憶に新しいところでは、サッカーワールドカップ予選のポーランド-日本戦日本は1点差で負けていましたがそのままの得失点差を維持することで予選リーグ突破を果たしました。サッカー(Jリーグ)には「ベストメンバー規定」なる「その時のベストを尽くすこと」というルールが定められています。負けても予選リーグは突破するからと攻めないことについてはあちこちから異論が出ました。その異論の、否定的な部分をきちんと指摘できるようにしたことの一環が「ベストメンバー規定」である理解しています。しかし、ベストメンバー規定そのものでも、ポーランド戦の是非でも、肯定的否定的両方の意見が出たことは紛れもない事実です。

まして、遊びで楽しんでいるボードゲームはどこまで真剣にやるべきものなのか。

そもそも、真面目なプレイとはどういうものなのか。

ボードゲームに向き不向きがあるのは、まあだいたいどの方でもご存知だとは思います。しかし、ある方がきちんとプレイしなかった場合、それはその人の能力が足りなかったからきちんとプレイしなかったのか、努力が足りないからプレイしなかったのか、それを見分けるのは困難です。

さらに、能力が足りない、にもいろいろあります。ちょうどその時だけコンディションが悪いからプレイが出来なかったのか、全くそういうプレイをするだけの気がないのか。ルールの理解も、始めたばかりだから理解できていないのか、理解できるだけの能力がないのかはそうそうわかりません。

これが将棋奨励会なら比較簡単です。1つのゲームに対して、ある一定以上の能力を持つものしか入会を認めないから、そのゲームの能力がそこそこある者が対局を見て見極めればいい。しかしボードゲーム会で1つのゲームしか行わないところは非常に稀です。

どこまでプレイ不向き者につきあう必要があるのか。

もしかして最近のボードゲーム愛好家には想像がつかない話かもしれませんが、たかだか10年前でもボードゲームのサークルというのは運営が大変なものでした。特に地方部では趣味として集めるだけでも大変だった。現在古参のボードゲームサークルをやっている方にはそのトラウマが残っている可能性があります。

自分がやりたくないゲームでも、まあ、ボードゲームなら付き合ってくれれば次は自分の好きなボードゲームになるかもしれない。多少マナーが悪くても、ゲームが好きで毎回通ってくれるなら貴重なメンバーだ。厳しすぎる規定で会を運営していたら人が来なくなるかもしれない。そもそも自分だってやりたくないゲームを真面目にやっているかはわからない。

こういう話が積み重なると、単にプレイが下手な人間を「下手だ」の一言で排除するのはどうしても躊躇するものです。

不可解なプレーを咎める方法は、ないわけではない。

賭けもせずにゲームをやる人間に対してギャンブルを好む人が言う否定について代表的なものが一つあります。

「金がかかってないと真面目にプレイしないじゃないか」

そうですね、冒頭で挙げられた「ゲームを(内容的に)壊す人間」は、それが故意か過失かを問わず罰金を払わせることで負のインセンティブとすることが可能です。麻雀でも山を崩したり錯和のチョンボなら満貫逆払い、1000点100円の麻雀なら800円の罰金になります。でも、これギャンブルの話です。そもそもゲーム会に来ている人は、ギャンブルがしたくて集まっているわけではないのです。

それに、生活のためにギャンブルで稼いでいる人ならともかく、毎度毎度山崩してチョンボでハコ点で3000円もらって、楽に儲かるかもしれないですが楽しくないですよね。

楽しくやる、ことの難しさ

正直な話、ボードゲームなんて楽しんでなんぼなんです。おそらくバランスゲームで初手から変な置き方して崩す人はそれはそれで楽しいんでしょう。仮に発達障害でなくても、ボードゲームに飽きた小学生とかそういうプレイをやりがちです。問題はそういうプレイがその人以外には楽しくないことなんです。

究極的には「あなたとのプレイは楽しくないから私は遊びたくない」で済ませるしかないことなのかなと思います。出入り禁止にするかどうかはその次の話なのかなと。

*1:たぶん台湾旅行記のラスト1日は大した話がないので、後ほど前の日の日付で埋めると思います

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