【ニューヨーク=平野麻理子】米メディア大手コムキャストは19日、同業の21世紀フォックスのコンテンツ事業の買収を断念すると発表した。コムキャストが買収合戦から撤退することで、ウォルト・ディズニーによるフォックス資産の買収が決定的となった。一方、英放送局スカイについては、同じくスカイ買収を目指しているフォックスと買収条件などで競争を続ける方針だ。
コムキャストのブライアン・ロバーツ最高経営責任者(CEO)は買収断念にあたり、「(ディズニーCEOの)ボブ・アイガー氏とディズニーのチームに祝意を伝え、(フォックス創業家の)マードック家とフォックスが魅力的で尊敬できる企業を創造することを称賛したい」との声明を出した。
ディズニーとフォックスは713億ドル(約8兆円)の買収計画で合意しており、司法省も6月末に計画を承認した。コムキャストもフォックスの映画・テレビ事業の大半を650億ドルで買収する提案をしていたが、今回スカイ買収に集中するため、買収合戦から撤退することを決めた。