TTF 統括プロデューサーの辞任について
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TTF 統括プロデューサーの辞任について

2018-07-19 18:19
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 昨日、産経新聞より報道がありましたTTF統括プロデューサーを辞任した件について、いくつか事実と経緯を説明したいと思います。


 まず、そもそもTTF統括プロデューサーとはなんなのか、ということから説明をしたいと思います。TTFとは東京都がおこなう東京オリンピックの文化プログラムの通称としてつけられたもので、オリンピックの機運醸成をひとつの目的としています。2016年より実施されているのですが、残念ながら、ほとんどのかたは日本でオリンピックの文化プログラムが行われていることすら認識をしていないという状況です。すでに実施されている文化プログラムには大変に素晴らしいイベントもあるのですが、スポーツでないものがオリンピックと関係があるということをうまく説明するのは非常に困難です。そんなオリンピックの文化プログラムをもっと世の中に認知させて、オリンピックを盛り上げられないか、ということで私にプロデューサー就任の打診があり、自分がお役に立てるのであればと引き受けることにした次第です。


 私がTTF統括プロデューサーを依頼された理由は、弊社で毎年行っているニコニコ超会議での実績であると認識しています。ニコニコ超会議は2日間で16万人を集めるイベントで、スタッフの数だけで1日あたり5000人以上が稼働しており、それらを弊社社員を中心とする80人の事務局スタッフが司令塔となり運営を行っています。

 統括プロデューサーを引き受けるにあたっては、この事務局スタッフの一部を使わせて欲しいということを条件にいたしました。これは当然の要求であると思っています。私一人がプロデューサーになったところで、使えるスタッフがいなければ、なんの役にも立たないからです。

 また、これは私の会社が利益を得るための要求ではないということも強調したいと思います。なぜなら、私の会社はIT企業であり、イベント会社ではないからです。確かに、ニコニコ超会議のようにミニ万博とでもいうべき大量の複数の企画を同時に並行して開催しているイベントは国内で他にはありません。おそらく、そういうノウハウは日本国内では我々だけが実績として持っていると言えると思います。しかしながら、このノウハウはあくまで自社のイベントを開催するために培われたものであり、受託でイベント事業を請け負っているわけではありません。


 超会議のスタッフを使いたいという私の出した条件に対して、私が統括プロデューサーでドワンゴに発注があるのは利益相反の問題を指摘される可能性があるので、東京都から発注を行う先はあくまで公募で選定した代理店にしたいということを言われました。ただし、その代理店からドワンゴに発注が行われるのは問題は発生しないだろうという説明でした。


 しかしながら、今年の3月14日に都議会自民党の川松議員が予算特別委員会で質問を行いました。統括プロデューサーの私からドワンゴに発注が行くのではないか、それは利益相反ではないかという質問です。

 この質問により、計画していたスキームがやはり問題はあるのではないかということで見直されることになりました。結果、私一人でドワンゴはおろか私と関係がある会社のスタッフは一人も使わずに統括プロデューサーの業務を行って欲しいと東京都から要請をされました。

 この段階で、一度、統括プロデューサーを辞任する旨を申し出ました。無理だと思ったからです。しかしながら、それまでの間にもいくつものTTFを盛り上げるための施策が進行していました。この作業は、私と私の会社のスタッフが手弁当で行ったものです。また、それらの施策は、ほぼ全て、弊社には一銭の得にもならないものであったことも申し添えておきます。


 ここで進行している全ての企画を諦めるのはあまりにも勿体無いと思い直し、計画を大幅に縮小し、世の中にインパクトがあり計画を具体化する作業がほぼ終わっている企画だけに絞って、公募で募集した見たことも会ったこともないスタッフを率いて、実行することに挑戦しようと、いったんは思い直した次第です。


 しかしながら、都議会で追及されることを恐れる東京都は極めて保守的にならざるを得ず、あらゆる決定に時間がかかり、とても残った企画も遂行できそうにないと判断し、統括プロデューサーを辞任することをあらためて申し出て、6月27日に了承されたというのが、大まかな経緯となります。


 統括プロデューサーの辞任を公表しなかったのは、私からの申し出です。理由は辞任をことさらに発表すると不必要に世の中のニュースとしてとりあげられることが予想され、関わっていただいた生活文化局をはじめとする東京都の職員の方に迷惑がかかることを恐れたからです。


 生活文化局のみなさんには突然現れた得体の知れない私を信用し、とても親身に協力していただきました。TTFのプロジェクトの成功について見ず知らずの私に期待し賭けていただいたことには非常に感謝をしています。事が大きくなって、お世話になったみなさんが責任を問われるようになることになるのは申し訳ないと思ったからです。


 そして2020年の東京オリンピックに向けて、もはや残り2年間を切っています。つまらないいざこざで時間を空費している余裕はありません。私一人が静かに身を引くのが一番、TTFのためにいいと考えたからです。


 残念ながら、産経新聞の報道を受けて、前述の川松議員が、私の辞任の経緯についての説明を要求するツイートを報道の直後に行いました。再度、この件を蒸し返されるつもりなのかと非常に残念に思いました。


 私には不思議なことがあります。川松議員にはいろいろな情報が集まっているはずで、私が今回書いた程度の内容はおそらくご存知のはずであるということです。ですが、314日以降、川松議員は執拗にこの件について発言を繰り返してきました。


 川松議員のツイートによりますと、「情報公開を標語に都議会自民党を攻撃してきた知事に対して(情報公開を)求めているだけです。」とのことです。それはつまり都自民党と都知事との争いに文化オリンピックたるTTFの事業を巻き込んだということでしょうか?もし、真の情報公開を求めるのであれば、なにも都知事に問いたださなくても、TTFに関わる一切について、私は川松議員に直接に公開の場で回答する用意があります。


 川松議員に生放送のネット番組において、1対1の公開討論会を行うことを提案したいと思います。私は川松議員および世の中に対して、TTFに関する疑問のすべてに答えたいと思います。


 また、私からは、そもそも川松議員はなんのために都議会で本件についての質問を行ったのか、そしてそれが都民のため、オリンピックのためになったと思われているのかということを、ぜひ、お伺いしたいと思います。


 TTFはオリンピックの機運醸成を旗印としたプロジェクトです。しかしながら、2020年に向けて、むしろ不安を煽るようなゴタゴタを世の中に晒す結果となってしまったことについては、私自身も大きな責任を感じています。


 私はよかれと思い、川松議員がされた質問への反論を公の場でおこなってきませんでした。しかし、それは間違いでした。今回のTTFのいきさつについて、川松議員の主張されるようにすべてを情報公開すべきであったと深く反省をしています。いつまでも実態のない「疑惑」を引きずるよりも川松議員と私が公開の場で事実をすべて明らかにして決着をつけることにより、今後、2020年まで残り少ない中、TTFも含めたオリンピックに関わるすべてのかたが少しでも安心して、仕事に集中できるようにできればと思います。


カドカワ株式会社 

代表取締役社長 川上量生




 

 






 

 


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川松議員と生放送で公開討論するのが実現したら、川上さんを久しぶりに公の場で見ることができるので、楽しみです。
2時間前
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