就活「ターゲット校以外は入社お断り」の実態

4割近い企業が採用重点大学を設定している

どの大学の学内セミナーに参加するかなど、「ターゲット校」を定めて採用活動をしている企業は少なくない (写真:tkc-taka / PIXTA)

学生アンケートを読むと、「学歴フィルター」や「ターゲット採用」の評判が悪い。特に学生が怒りを見せるのが、会社説明会の予約だ。本選考で落とされるのは仕方ないとしても、説明会予約であからさまな差別をする企業に対しては、憎しみに似た声をあげている。

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だが同時に、こんな疑問が生まれる。「そんなにたくさんの企業がそれほどあからさまに学歴で差別しているのか?」

今回はそれをデータで確認していこうと思う。HR総研では、2018年3月に企業の採用担当者向けに、「2019年新卒採用に関する調査」を行っている。回答企業は上場及び未上場企業の採用担当者145社だが、実名を公表しないことを条件にしているので、より本音の回答が得られている。

企業がターゲット層の学生を採用したいと考えているのは確かだ。2019年卒の新卒採用の課題を複数回答で聞いてみると、最も多いのは、「ターゲット層の応募者を集めたい」で54%だった。「応募者の数を集めたい」(40%)や、「大学との関係を強化したい」(39%)、「内定辞退者を減らしたい」(29%)、「学内企業セミナーの参加大学を増やしたい」(26%)といった課題よりも、頭ひとつ抜けている。

大企業に限れば「半数」がターゲットを設定

しかし、実際に何か特別な施策を実施しているかというと、そうではない。「ターゲット大学を設定し、特別な施策を講じているか」という設問に対して、「している」と回答した企業は39%であり、残りの61%はしていない。これを多いとみるか、少ないとみるか。

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  • NO NAMEe3c22d26a093
    あからさまの方がまだましで、表面上はどこでもOKな風にしておいてリクナビを通して多くの学生の登録をを受け入れ、実際には出身大学で採用が決まる企業が結構多いように感じる。学生達はわずかな可能性を信じ多くの企業に登録し全国を渡り歩いて就活を行う。ほとんどが受ける前に不採用と決まっているのに。
    up109
    down10
    2018/7/19 10:10
  • NO NAMEa701fcd6402e
    上位大学にいる人は学生時代色々犠牲にして勝ち取った成果で、Fランが同じスタートラインに立てないことは納得出来る。Fランでも実力がある人は社会に出てから実績積んで転職したり企業したりして登って行くからいいんじゃないかな。
    up95
    down17
    2018/7/19 10:27
  • NO NAMEb0ff7350caa2
    学歴ってそれまでの本人の努力した成果なんだから、それ含めて採用は見るのは当たり前。
    大学名で見られるのが嫌なら他所へ転入するなり、大学院でもっと努力すべき。
    それか、大学名が霞むくらいの成果を上げるべき。

    面接で平然と嘘をつく学生が多いのも事実で、面接官の立場からすれば学歴ほど分かりやすい嘘の無い実績は無いと思う。
    up104
    down38
    2018/7/19 10:40
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