病と闘いながらヒット連発 脚本家・北川悦吏子の波乱の半生
1961年、岐阜県美濃加茂市出身。県立加茂高校を卒業し、早稲田大学第一文学部に進んだ。地元の信用金庫に勤める父は上京に反対だったが、「4年で戻る」との誓約書を書いて東京行きを許された。しかし、大学卒業時、広告代理店に就職し、父との約束を反故にした。広告代理店ではコピーライター志望だったが、雑用の毎日に嫌気し、すぐに「にっかつ撮影所」に転職、勤務しながら脚本の勉強をした。
脚本家としてのデビュー作は89年の「赤い殺意の館」(テレビ東京系)。91年には「ズンドコベロンチョ」(フジテレビ系)も発表している。後の形容詞“恋愛ドラマの神様”とは似ても似つかぬタイトルだが、これでチャンスをつかみ、翌92年には“月9”ドラマ「素顔のままで」を手掛けることになった。安田成美と中森明菜ダブル主演で話題を呼んだ作品で、最終回の視聴率は31・9%をマークした。