(英フィナンシャル・タイムズ紙 2018年7月16日付)

プーチン大統領、トランプ氏をベタ褒め 「資質があり物事に精通」

フィンランドの首都ヘルシンキで、米ロ首脳会談後に共同記者会見に臨むドナルド・トランプ米大統領(左)とロシアのウラジーミル・プーチン大統領(2018年7月16日撮影)。(c)AFP PHOTO / Yuri KADOBNOV〔AFPBB News

 米国のドナルド・トランプ大統領とロシアのウラジミール・プーチン大統領が2時間の密室会合で何に合意したのかは、全く分からない。

 だが、元KGB(ソ連国家保安委員会)エージェントのプーチン氏に対してトランプ氏が公の場で浴びせた賛辞は、十分に驚くべき内容だった。

 トランプ氏は共同記者会見――会見そのものが、米国大統領がこれまでにロシア大統領に示した最も追従的な振る舞いだった――を会見を取り仕切ったのと同じように締めくくり、「完全な魔女狩りだ」と叫びながら部屋を去った。

 それが最後の言葉だった。トランプ氏の念頭にあったのは、終始、国内政治だった。

 米ロ関係の悪化についてロシア側に責任があるかどうか聞かれると、トランプ氏は「(ロバート・モラー特別検察官の)捜査は我が国にとって惨事だと思う」と答えた。

 ロシアによるクリミア併合や英国内での英国市民の毒殺未遂、あるいはトランプ氏自身の情報機関トップがロシアのサイバー攻撃を「9.11」のテロ攻撃に向けた動きになぞらえたという事実に一切触れなかった。

 マイケル・ヘイデン元中央情報局(CIA)長官は、CIAと国務省、連邦捜査局(FBI)に響くうめき声ははっきり聞こえたはずだと話している。