俺は超越者(オーバーロード)だった件   作:コヘヘ
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村から要塞都市へ。
しかし、その変貌に誰も気が付かない。


閑話 魔王vs破滅のサンドバック(第二次ツアー・スルメ会談後)③

 

トブの大森林を入る前にカルネ村の近くに来た。

 

 

幻術等あらゆる手段で誤魔化しているが、カルネ村はもはや大要塞。

 

小さな不落の要塞都市に変貌していた。

 

 

法国に襲われた周囲の村々から人を呼び込み集めた。

 

 

さらに言えばトブの大森林内外に生息する対話可能な生物達、

 

リザードマン等とのセバス達のアンダーカバー『商人』を用いた貿易中継地でもある。

 

 

村の者達はもはや俺を『神』か何かと勘違いしている。

 

 

修正不可能だ。新規で来た人々も同様だ。

 

 

…狂信者が確実にどんどん増えている。もう俺知らない。見てない。

 

 

 

これらにはナザリックの財もあるが、

 

デミウルゴスが王国の八本指を、裏社会を完全に支配したお陰でもある。

 

 

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セバスの起こした騒動を起点としたあの事件。

 

詳しい時系列は覚えていないが、どう考えても『原作』よりも早かった。

 

『原作』はやはりあまり当てにならないと俺は確信する。

 

 

しかし、運命というのは、些細なことでは変わらないのかもしれない。

 

セバスがある日偶々出会った娼館で処分されかけた女性を助けた。

 

 

その女性は、ニニャの姉の『ツアレ』だった。

 

 

セバスはツアレを助けた。

 

既に報連相がしっかりしていたため、ナザリックで問題にはならなかった。

 

駆けつけた俺が『賢者の呪帯』で取得していた魔法。

 

第六位階魔法大治癒(ヒール)をかけた。

 

 

『原作』と違い、スクロールが使用しなくて済んだなと苦笑した。

 

 

かつて『貧乏魔王』と毎日のように野次っていたプレイヤーを思い出す。

 

あいつは結局どうなったのだろうか?

 

最終日二日前のダンジョン突撃の際にも煽って来たのでPKしたが…

 

 

今は思い出を置いておく。ソリュシャンに介護を任せた。

 

ソリュシャンから本当にして良いか確認された。やれと命じた。

 

…何となく違和感がある確認だった気がする。

 

俺も冒険者モモンとして、他にやることがあったので深く確認しなかったが。

 

 

その後、デミウルゴスがセバスをグチグチ言うので、

 

俺が控えるよう言ったら、

 

少し黙って考え込んだと思ったら、笑顔でセバスとツアレを祝福していた。

 

ひょっとして仲良いのか?お前ら?

 

エンリの件でも意気投合していたし。

 

 

そこから、王都の巡回使スタッファン・ヘーウィッシュ及び六腕のサキュロントを捕縛及び尋問。

 

 

ナザリックのお家芸が王国の裏稼業に直撃した。

 

 

…俺は覚悟しながらも、その果ての悲惨な光景を直接見て確認した。

 

その光景は俺がこれから行う、行っていくことの罪を語っているように感じた。

 

 

デミウルゴスがしばらくして何か察したのか謝ってきた。

 

これは俺の望んだことであり、お前たちに全く責任はないことだけはしっかりと伝えた。

 

 

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カルネ村に話を戻す。

 

早速アウラと合流した。

 

依頼の薬草の場所について聞くとその辺りは、木々が枯れ切った場所だという。

 

 

これは、『破滅の竜王』の封印が解けかけているのか?

 

 

だったら法国の予言は正しかったのか。

 

俺は、本当に覚えてないので法国の占い師?の狂言かも知れないと疑っていた。

 

法国の陰謀説まで考えていた。うわぁ…恥ずかしい。

 

 

 

アウラと確認していて思ったのだが、ハムスケが結構ナザリックに馴染んでいた。

 

本当につい先日、捕まえたばかりなのにコミュニケーション能力が高いハムスターだ。

 

 

ハムスターの『ハム』に、失われたスケルトンを惜しみ『スケ』。

 

色々考えたが『ハムスケ』。

 

 

良く考えてみると俺はネーミングセンス抜群じゃないかと思った。

 

周囲から、仲間からドン引きされるので、他の者に任せていたが今後は…

 

じゃない。今は仕事だ。

 

 

アウラには事前に言ってあるように観戦客がいることを伝えてある。

 

なので、『破滅の竜王』を『山河社稷図』に閉じ込めたら、驚かせるため圧倒的な力を見せつけると言ってある。

 

 

 

さぁ、覚悟しろよ。指輪の仇だ!

 

 

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まず、『ボール・シリーズ』の隠し条件の話になる。

 

 

ユグドラシルスレを解析したエルダーリッチが発見したそれ。

 

 

『ボール・シリーズ』には怯え判定という要素があるらしい。

 

 

発見のきっかけは意味もなくオーラ系ばかり使うことでユグドラシル全盛期に一部界隈に有名だったというドリームビルダーだった。

 

 

まず、彼女の種族を説明しなければならない。『ザ・ワン』だ。

 

 

ユグドラシルでは『ザ・ワン』は、

 

カッコいいエフェクトを起こせるだけと言っても良い微妙な種族だ。

 

 

『ザ・ワン』に転職するには、

 

神租カインアベルを倒した『始祖(オリジンヴァンパイア)』が手に入れることができる『カインアベルの血魂』を使う必要がある。

 

 

神祖カインアベルは、ユグドラシル公式ストーリーの序盤に出てくる雑魚イベントボスだ。

 

 

『始祖(オリジンヴァンパイア)』は見た目が完全に化け物なので人気がない種族だった。

 

しかもそれに微妙種族『ザ・ワン』までとなるともうほとんどいないに等しい。

 

 

そんな中、

 

課金アイテムで撤退や戦闘を補っていたドリームビルダーの彼女は、

 

ハズレガチャである『ボール・シリーズ』を非常に疎ましく思っていた。

 

捕まえても暴れるは、外れて消費するアイテム。

 

そんな糞みたいなアイテム『ボール・シリーズ』が大量に溜まっていたらしい。

 

 

なので、オーラやエフェクトを出しまくってヤケクソにボールを投げてみたという。

 

 

彼女の言い分によると

 

「ついカッとなってやった。

 

 仮初の最強という状況でモンスターを使役する自分を想像した。

 

 …絶頂した」

 

との話だから酷い。

 

 

変態しかいないのかドリームビルダーという奴はと、

 

全盛期ユグドラシルの膨大なスレの中でそれなりに目立ったらしい。

 

 

俺も仲間もほぼドリームビルダーだからかなり心外だ。

 

名誉回復を所望する。

 

 

 

彼女はオーラやエフェクトを出しまくってヤケクソにボールを投げてみた。

 

ボール・マスターでLv85のモンスターに、だ。

 

 

これまでLv80までしか捕らえられないとされていたのに、だ。

 

 

彼女は産廃アイテムを文字通り捨てる気だった。

 

 

とはいえ、HPは半分にしていたという。

 

 

だが、捕まえられた。

 

弱体化の魔法もかけていないスキルもほぼ使用させてなかったという。

 

 

 

彼女は頭が良かった。

 

上記の情報を改めて録画して、ユグドラシルの解析者(変態)共に高値で売りつけた。

 

彼女は大儲けしてウハウハだったらしい。

 

その後の行方は知らない。実際その後のスレにもなかったという。

 

現在のスレでその後を解析中ではあるが、もう関係ない。

 

 

 

だが、残された変態達は頑張って解析した。

 

結果わかったのは、ボール・マスターでLv90まで捕獲可能。

 

ただし、オーラやエフェクトで怯え判定を成功した上にHP1/3にした状態だったという。

 

Lv85までがギリギリHP1/2でスキルも使用させないで捕獲できるギリギリのラインだったそうだ。

 

 

そして、彼らは気が付いた。これはゴミだと。

 

 

どう考えても使い道がない。発見したことを含めてもゴミだった。

 

 

それを悟った彼らの失望と散財は大きかった。

 

結果、一時の一部の範囲で騒動は収まり、情報が広がることはなかった。

 

 

…ここまで聞くと本当に碌でもないが、

 

ナザリックでは非常に助かっていると思うと複雑だ。

 

 

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気分を切り替えて話を戻す。

 

 

目的地についた俺とアウラとハムスケとその隠密に長けた護衛達。

 

そこで、ピニスン・ポール・ペルリアというドライアードに出会った。

 

 

『封印の魔樹』とやらがあるらしい。確定だ。

 

 

なので、スルメさんにメッセージを送る。

 

転移門(ゲート)が開く。

 

 

 

中から出てきたのは、

 

どうみても目が死んでいる半分黒髪、半分白髪のオッドアイの美少女だった。

 

 

 

スルメさん、何しやがった!こんな年端もいかない女の子に!!

 

 








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