18日
11時39分
4分10秒

【現場から、】西日本豪雨災害、ドラレコが記録 一瞬で道路が川に

 広島市安芸区の矢野地区です。広島市郊外の山沿いに広がる住宅地ですが、その住宅地に大量の土砂が流れ込みました。そして、こちらの道路、ふだんから交通量の多い県道なんですが、川から水があふれて多くの車が流されました。この道路で当時何があったのか、ドライブレコーダーが記録していました。

 7日の朝、上空から見た広島県安芸区の矢野地区です。峠を越える坂道は、土砂や流木に覆われ、水が勢いよく道路を流れ下っていました。

 「この辺りだと思う」(細沼隆司さん)

 6日、細沼さんは仕事を終え、この坂道を車で走り、呉市の自宅に帰っているところでした。その当時の状況がドライブレコーダーに記録されています。時刻は6日の午後7時40分過ぎ、気象庁が大雨特別警報を出したおよそ3分後です。この時点で、勢いよく流れ下る水に阻まれて多くの車両が立往生していました。

 「とりあえず早く帰ろう。このくらいの水なら、まだ走れるということしか頭になかった」(細沼隆司さん)

 川から水があふれ出していたものの、細沼さんはこの時点で、まだ危機感は感じていなかったといいます。しかし、数分で状況は一変します。徐々に道路に流れる水の量が増えていきます。わずか2分後、濁流は勢いを増していきました。

 「かなりいろんな物が流されてきた。車の下に流木が挟まり、前に進めなくなった。さらに水も増えてきたので。想像を絶する・・・、こんなにひどくなるのかという感覚」(細沼隆司さん)

 映像は、濁流が激しさを増し、車の前の部分から水しぶきが上がるような状態になったところまでを記録していました。

 「こちらの県道34号線には土砂や濁流で流されたとみられる大破した車が今も何台も残されています」(記者)

 道路脇の川では、流木が橋にせき止められたことで行き場を失った水があふれ出し、道路を濁流の通り道に変えたとみられます。激しい流れにのみ込まれそうになった細沼さんは、タイミングを見計らって車をUターンさせて、この場から抜け出しました。

 「今、考えるとちょっと無謀なことをした・・・」(細沼隆司さん)

 細沼さんは、通い慣れた道であっても、大雨の警報が出た時点で無理をしないこと、危険に巻き込まれる前に冷静に判断をすることの大切さを訴えています。

 この場所から坂道を上がり峠を越えたところには、住宅地が広がっています。山に囲まれた広島市の周辺ではどこにでもあるような生活道路です。6日の豪雨は帰宅ラッシュの時間帯でした。その道が冠水しても帰宅を急ぐ多くのドライバーは、まずは家に帰ろうと、危機感を持つ余裕はなかったのかもしれません。しかし、その通い慣れた道が豪雨が降ったときに、いかに危険な場所になるのかを思い知らされました。また、生活道路が濁流の通り道になった場合、どこに、どうやって避難するのかも日頃から考えておく必要があると感じました。

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