中日は投打がかみ合わなかった。先発の吉見は1、2回にソロ本塁打を浴びるなど4回までに3失点。打線は9安打を放ちながら好機を生かせず、3点を追う6回に内野ゴロの間に1点を返しただけだった。広島は先発のジョンソンが7イニング1失点。打線は毎回の14安打で、最後まで主導権を手放さなかった。
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特別な一戦を勝利で飾った。試合前の時点で1勝5敗。鬼門ナゴヤドームで、丸と松山が一発攻勢を見せた。まずは不動の3番が先発・吉見の出はなをくじく。初回、2死走者なしからスライダーを強振。右翼席へ18号ソロを突き刺した。
「いい形で捉えることができた。先制点につながって良かった」。ナゴヤドームの一発は2年ぶり。通算126本塁打となり、プロ11年目で嶋重宣を抜き、球団歴代単独20位に躍り出た。
2回には松山が続いた。低めのスライダーを振り抜き、白球を右翼スタンド最前列まで届かせた。「2ボールだったので積極的に打ちにいきました」。技ありの8号ソロに、鯉のアンパンマンは納得顔だった。
負けられない一戦だった。西日本大豪雨から10日が経過。最大の被害を受けた広島は今なお爪痕が残るが、被災地の人々は懸命に復興を目指している。
試合後、丸はこう言った。「軽々しくは言えないけど、僕らにできることは限られている。一生懸命プレーすることで被災地の方々の活力になってくれれば。そういう気持ちは常に持ってやっています」。後半戦初戦。ナインが一丸となって、広島へ白星を届けた。