VR/AR投資ファンドであるVenture Reality Fundは、2018年上半期におけるAR市場の動向を示す業界マップを発表しました。
この図はAR業界を大きく3つの分類で分けたものです。3段あるうち、最も上の段がソフトウェア/サービス(Applications)、中段がミドルウェア/プラットフォーム(Tools/Platform)、下段がハードウェア(Infrastracture)となっています。
Venture Reality FundのTipatat Chennavasin氏によると、今年に入ってからVR/AR分野への総投資額は10億ドル(約1,100億円)を超えており、市場の成長は力強いとのこと。「直近ではARがより注目を集めていますが、VRとARの投資案件はほぼ半数ずつです」と語っています。
AR開発ツールが続々登場
この1年間の特徴として、大手企業をはじめとする各社から、AR(拡張現実)体験を豊かにするための開発ツールが続々と発表されたことが挙げられます。昨年6月に発表されたアップルのARKit、グーグルのARCoreを筆頭に、Snap社やフェイスブックもAR機能開発ツールを発表しています。
ゲームエンジンのUnityはプログラミング不要のAR開発ツールを公開しており、他にもWebでVR制作を行えるSumerianをリリースしたAmazonや、AR事業の本格展開を発表したAdobeが新たな顔ぶれとして名前を載せています。
スタートアップではARクラウドのBlue Visionが約15億円の資金調達を行い、注目を集めました。
”ソーシャルAR”が新たな分類に
昨年7月に発表された業界図と比較すると、「コンシューマー」の分類から「ソーシャル」が独立しました。スナップチャットやフェイスブック、Instagramといったソーシャルサービスが、こぞってAR機能を強化している点からもその勢いはうかがわれます。例えばスナップチャットの提供する、機械学習と背面カメラを活用したARレンズ機能は、毎日平均3分間視聴するユーザーが7,000万人も存在するとのこと。
ゲームアプリなどが目立ちがちなAR市場ですが、東芝と提携するVuzix、広視野角のARデバイスを開発するDigilensといったエンタープライズ向けのデバイスメーカーも動きを活発化させています。参入企業が増え、ますますこの市場は活気づきそうです。
(参考)VRFocus、Venture Reality Fund(AR Industry Landscape)
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