俺は超越者(オーバーロード)だった件   作:コヘヘ
<< 前の話 次の話 >>

32 / 33
パンドラ「早まってはいけません!モモンガ様!!」
なお、今回は最初から不可能だった模様。


閑話 冒険者モモンの裏事情(カルネ村護衛時、ンフィーレア編)③

俺は引き継ぎのため、

 

ここ数日のカルネ村にて上位二重の影(グレータードッペルゲンガー)の記憶を読んだ。

 

 

入れ替わった俺は苦痛だった。

 

 

正直、パンドラズ・アクターとナーベラルにぶちまけたに匹敵するくらい嫌だった。

 

さっさと終わらせて眠りたかった。

 

なので、ンフィーレアに『漆黒の剣』には秘密にして欲しいとお願いした。

 

もう、うんざりしていたから。

 

 

「わかっています…それでも願いを聞いてくれたことありがとうございます!」

 

ンフィーレアは意気込んでいた。

 

 

「そうか…わかった。では、君の祖母をすぐ説得しよう」

 

俺はもうこの変態と化したンフィーレアと関わり合いたくなかった。

 

なので、最短で仕事をすることにした。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

エ・ランテルに到着し、

 

バレアレ薬品店の裏手に馬車を入れた俺達と『漆黒の剣』、ンフィーレア。

 

魔法のランタンを手に扉を開き、部屋の中に入ってすぐ。

 

 

「ずぅーっと待ってたんだから…」

 

痴女が現れた。

 

 

「…第七位階魔法。普通の人じゃ行使は無理だけど、

 

 『叡者の額冠(えいじゃのがっかん)』を使えばそれも可能!

 

 さらに召喚されたアンデッドを全部支配…ブベッ!」

 

しばらく喋っていた痴女は蹴り飛ばされた。

 

ドアを吹き飛ばし壁にぶつかり失神した。

 

 

「ナーベ!後ろの男を全力で捕らえよ!」

 

後ろの男の気配を感じ取った俺はナーベラルに指示する。

 

 

「はっ!」

 

即答し、後ろに現れようとする男をぶん殴る。

 

 

「遊びす…ギギェ!」

 

不快な仲間達の頭目はぶん殴られて文字通り中を舞った。

 

その後、薬品庫を吹き飛ばす。

 

 

呆然とする『漆黒の剣』。だが、

 

「『漆黒の剣』の皆さん!

 

 こいつらの話だと、アンデッドの大量召喚と支配を企んで何かやらかすつもりです!

 

 全力で冒険者組合に行って貰えますか!?

 

 私達はこの二人を縛り上げて、店の中を調べます!」

 

 そう叫ぶ。急がないと街が危ないという。

 

 

「は、はい!すぐに!」

 

『漆黒の剣』のペテルはそういうと皆を引き連れてさる。

 

 

二人を縛り上げて内部を調べる。

 

 

気配を探す。すると、

 

「ンフィーレア!!」

 

ンフィーレアの祖母リイジー・バレアレが全力で駆けつけてきた。

 

おそらく近くにいて、先ほどの戦闘音が凄まじかったので駆けつけてきたのだろう。

 

 

ンフィーレアの無事を確認し、

 

それから縛り上げられている二人を見てリイジーはホッとする。

 

 

「申し訳ありません。このように突然だったので一部店を壊してしまいました。

 

 今、全て確認しましたが、店は安全です」

 

そう謝り、他の仲間を捕縛するために向かおうとする。

 

 

ところが、

 

「のぉ。おぬし、あのとんでもない高位の神の血のポーションの持ち主では?」

 

逃がさない。

 

絶対逃がさない詳細を聞くまで行かせはしない。

 

端的に言って、それは狂人の目だった。

 

俺は思わず、その場にとどまってしまう。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

次の日、俺が渡したポーションを使い瀕死の状況から助かったというブリタ嬢の話を聞き、俺は激怒した。

 

 

これのせいで、今回、二人も『変態』と出会ってしまったと。

 

 

何とか誤魔化した。

 

 

あの傭兵団絶対許せないと。

 

 

八つ当たりでナーベラルと共に傭兵団に突撃した。

 

結果、傭兵団のリーダーとブレイン・アングラウスを捕縛。

 

囚われていた女性たちを解放し、エ・ランテルに連れ帰った。

 

遺体の一部を埋葬し、その他はナザリックのエルダーリッチの材料にした。

 

 

テンション高すぎて、殺人したが完全に我を忘れていた。

 

 

...人化が完璧でないと、改めてわかった。

 

 

そして…

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

数日後、エ・ランテルを出発する馬車があった。

 

それはエ・ランテル最高の薬師だった。

 

 

 

「では、行くぞ!ンフィーレア!!」

 

全力で張り切る老人とは思えない老婆リイジー。

 

 

「モモンさん!我儘を聞いて下さり…ありがとうございます」

 

何だか複雑そうな顔するンフィーレア。

 

 

俺達、『漆黒』は、二人をカルネ村まで護衛した。

 

 

 

疲れた。もう休みたい。

 

 

 

その後、アインズ・ウール・ゴウンとしてエンリに褒美を渡しに来た。

 

『時飛ばしの腕輪』というマジックアイテムを与えた。

 

 

どんな形であれ恩は恩。

 

 

エンリは友人を誘導してナザリックに多大な利益を齎してくれた。

 

そう思って、顔を真っ赤にして断るエンリに半ば強引に渡した。

 

村長就任の祝いも兼ねていると。

 

どうにか納得してもらえた。受け取って貰えて俺はホッとした。

 

 

 

だが、エ・ランテルで次の依頼があるので帰らなければならなかった。

 

俺とナーベラルはカルネ村をすぐ出立した。

 

…今思えば、ここが最後の分岐点だった。

 




『時飛ばしの腕輪』
課金ハズレガチャのファッションアイテム。

モモンガ様が検証したら疲れが回復するらしいので、
これから村長として勉強するエンリのために渡した。

だが、このアイテムの設定は、

自分に降りかかった『時間』を吹き飛ばすこと。

つまり、寿命がなくなる疑似的な不死が得られるアイテムになった。

数年経ち年を取らないエンリに疑問を感じたNPCの報告により発覚。
モモンガ様はこの娘のことを...と一部発狂した。
そんな効果なくても手遅れだったが。







※この小説はログインせずに感想を書き込むことが可能です。ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に
感想を投稿する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。