俺は超越者(オーバーロード)だった件   作:コヘヘ
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上位二重の影の種族的、致命的な弱点。
自分がそれに救われたから気づかない。手遅れ。


閑話 冒険者モモンの裏事情(カルネ村護衛時、ンフィーレア編)②

 

先に全力で言い訳させて貰いたい。

 

俺は22世紀の人間だ。

 

腐敗した空気、寡占企業による完全に二極化された最低最悪な世界。

 

それでも、俺は22世紀の、一般的な人間だったのだ。前世含めても多分21世紀だ。

 

 

そんな俺に、中世の騎士道やら初夜権とか貴族社会がわかるわけないだろう!!

 

 

正直、変態文化としか思わない。

 

俺は全力で言い訳したい。心から叫びたい。

 

俺をわかってくれたのはパンドラズ・アクターだけだった。

 

 

守護者どころかほぼ全NPC達が、

 

「不敬だが、人間の癖に立場をわかっている」

 

とかほざくのだ。

 

…皆の息子・娘達に乱暴な言葉を使ってしまった。

 

 

だが、アルベドは激怒しつつも、

 

「将来的にサキュバス化してナザリックに向かい入れることを考慮する逸材かと存じます」

 

とか言う。お前頭良かったはずだよな?

 

デミウルゴスとセバスまで本当に珍しく一緒になって同意している。

 

シャルティアやシマバラ等は「これが寝〇られ!流石モモンガ様…」という。…何それ?

 

 

本当にパンドラズ・アクターだけがドン引きしてくれた。俺の息子だ。確信した。

 

 

しかし、知らないとはいえ、俺のせいだった。

 

責任者をぶん殴りたい。俺だったのだ。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

俺はユリの報告をほぼ素で認めてしまった。

 

 

あのとき、ンフィーレアは上位二重の影(グレータードッペルゲンガー)にこう告げたという。

 

「モモンさんは、アインズ・ウール・ゴウン様なのでしょうか!?」

 

と心の底から確信していたという。

 

上位二重の影は種族設定上、相手の心を察することで行動する。

 

なので、言ってはならないと思いつつも、察してしまい一瞬黙ってしまった。

 

相手が確信しているから。

 

 

あの時の、ユリの確認はこうだった。

 

「『モモン』様が応じてよろしいでしょうか?」

 

『アインズ・ウール・ゴウン』ではなく、『モモン』で大丈夫なのか?と。

 

 

ユリの報告は、あそこでンフィーレアの記憶を消す或いは物理的に消すかという確認だったのだ。

 

 

しかし、俺はユリにこう言ってしまった。

 

「大丈夫だ。問題ない」

 

言ってしまった。

 

 

そうするとンフィーレアは更に勘違いした。

 

「モモンさん。いえ、アインズ・ウール・ゴウン様は偉大な方だと伺っています!

 

 ですが、不敬かも知れませんが、僕はエンリを愛しています!」

 

何言ったエンリ!?

 

 

流石に何があったのか詳細はわからない。

 

だが、上位二重の影からすればユリを通して、俺に確認は取れた。

 

つまり察した状況で上手く対処するよう命令を受けたと勘違いした。

 

彼はこう思っていたらしい。

 

 

せめてエンリの側にいたい。

 

愛人としてエンリを連れて行くならもはや仕方がない。

 

愛することだけ許して欲しい。薬師として側に置かせてくれと。

 

 

何だよこれ!ふざけんな!変態じゃねえか!?

 

俺はこの時そう思った。

 

 

後で貴族社会について調べて察したときには、もう遅かった。

 

変態だと認識していたため、いつの間にかナザリックで黙認されてた。

 

エンリもよくわかっていなかったらしいが、気づいたら詰んでた。

 

ンフィーレアが賢いせいでこうなった。

 

いや、違う!

 

 

改めて言う。責任者誰か。俺である。

 

 








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