接触冷感敷きパッドを比較検討していると、以下のようなレビューを見かけることはないでしょうか?
- 最初冷たいけど、すぐ冷たさがなくなる
- 蒸れて汗でビショビショになった
- 冷たさはそこそこだけど、ひんやり感がずっと感じられる
例えば、私のような繊維業界の人間であれば、素材と生地をチェックするだけで、大体どのようなものか想像できます。
が、専門外の人からすると、素材や生地が何なのかわかっていても、それがひんやり素材としていいのか悪いのかわからずに困ることと思います。
そこで本日は、「接触冷感敷きパッドを選ぶコツ」と「おすすめの接触冷感敷きパッド」をご紹介します。
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1. 接触冷感敷きパッドを選ぶ5つのコツ
まずは、接触冷感とはどういう性質なのかを解説しつつ、よい敷きパッドを選ぶコツをご紹介します。
接触冷感についての知見を深め、よりあなたに合う敷きパッドを選ぶようにしましょう。
①あくまで「接触」冷感、と認識する
期待外れにならないために念頭に置いてほしいのが、あくまで「触れた瞬間にひんやりする機能」 ということです。
とはいえ、睡眠中に体を冷やし続けるのは健康上良くないので、接触冷感は良い塩梅だと思います。
また、接触冷感の中にも幅があり、安価な冷感敷きパッドは5分すらも冷感が持ちませんが、蒸れにくい工夫など適切な加工がされたもの場合、ひんやり感が比較的長く持続します。
ご紹介のものを参考にしてください。
②q-max(接触冷温感評価値)の目安
q-maxという表記をよく目にすると思います。
これは接触冷温感評価値というもので、生地に触れた時の冷温感を表す尺度です。
| q-max値 | 冷たさの目安 |
| 0.4以上 | おぉっ!となるくらい明確に冷たさが感じられます。 |
| 0.3以上 | まあまあひんやりしてるなと感じられる数値です。 |
| 0.2以上 | この数値以上が接触冷感効果があるととされます。若干ひやっとするかな?くらいです。 |
私の主観をもとにした目安になりますが、大きなズレはないと思います。
「どの素材がどれくらいの冷たさなの?」という質問があったので付記しますが、だいたい以下のような具合です。
| q-max値 | 素材例 |
| 0.45以上 | ポリエチレン |
| 0.35~0.4 | 麻(リネン)、ジェル(非繊維) |
| 0.3~0.35 | レーヨン、キュブラ、ナイロン、ポリエステル、テンセル®︎ |
| 0.3前後 | 加工綿、絹(シルク) |
例えば、コンクリートだと、0.6くらいの接触冷感値になります。
ただ、繊維素材の中では、ポリエチレンが絶対王者のごとく群を抜いて冷感が強いです。
とはいえ、この冷感が持続する工夫がされていない敷きパッドの場合、冷たさが一時的なもの(3分未満)になるので、注意が必要です。
③吸汗性、吸放湿性が冷感の持続に大切
人は眠るときに200mlもの大量の汗をかきます。
これは深部体温を下げるための生理現象です。
そのため、この大量の汗を敷きパッドが処理できないと、寝床内がムレてしまい体温が下がりにくくなります。
結果として、冷感の持続性の低下 につながります。もちろん、肌当たりがベタベタして気持ち悪くなります。
そのため、ひんやり感があると同時に、汗をしっかりと吸収できることは非常に大事な要素 です。
④「化学繊維=ダメ」ではなく、配分・加工法が重要
化学繊維だと接触冷感を表現しやすい上に、洗濯耐久性も高いので、冷感素材として敷きパッドの表生地に使われます。
しかし、化学繊維はその性質上、吸水性・吸湿性がないため汗の吸収がされず、ベタベタとした肌感やムレ感を生まれやすいです。
そのため、肌に触れる表生地の繊維が100%化学繊維のものはあまりオススメできません。
化学繊維を上手に利用しているメーカーは、化学繊維と天然繊維をバランスよく混紡し 、化学繊維の良さを残しつつベタつきが少なくしたりします。
また、3Dメッシュ加工などにし通気性を持たせ、蒸れにくいようにしています。具体例はオススメの商品をご覧ください。
⑤ジェル素材は非推奨
ジェル素材の冷感敷きパッドはあまりオススメできません。
理由は以下の2つです。
- ジェル自体が体温によって温まり生暖かくなることがあるため。
- ジェルを閉じるこめる膜としてPVC(ビニール)素材が使われることが多く、通気性、吸汗性、吸放湿性が悪くなりベトベト感、ムレ感が生じるため。
2. オススメの接触冷感敷きパッド5選
それでは私がおすすめできる接触冷感敷きパッドの中から、①冷感に持続性をもたせたタイプと、②接触冷感重視のタイプのものをご紹介します。
ひんやり感の持続性のある敷きパッド
次にご紹介するものは、ほどよいヒンヤリ感を長く保っていられる作りになっている敷きパッドです。
①ドライミング 敷きパッド
価格:4,780円
サイズ:100×205cm
素材:[表地] 綿100% [中材] ポリエステル100%(シリカゲルB形入り) [裏地] ポリエステル100%
【販売ページ@楽天】/【販売ページ@amazon】/【ドライミングのレビューはこちら】
私どもがムレ感とニオイ対策のために考案したひんやり敷きパッドです。表生地に特殊加工を施した綿を使用しているので、生地の吸放湿性と接触冷感を同時に実現しています。
また、除湿剤として知られるシリカゲルを中材に使うことにより、抜群の吸放湿性で汗をすばやく吸収するのでムレ感をほとんど感じないためヒンヤリ感を長く持続させられています。さらにシリカゲルの働きにより、汗臭(アンモニア99%、酢酸99%、イソ吉草酸97%)・加齢臭(ノネナール95%)の成分を消臭するので、汗を多くかく人にもオススメです。
②アウトラスト®敷きパッド 東京西川
価格:4,980円
サイズ:100×205cm
素材:[表地]パイル:綿50%、レーヨン50%、地糸:ポリエステル100% [裏地] ポリエステル80%、綿20% [詰め物]ポリエステル100%
【当製品の販売ページ】
パイル(タオル地にループ状に立った繊維)に綿とレーヨンを半々に使うことで、バランスよく接触冷感と吸水、吸湿機能をもたせている敷きパッドです。
また、この製品のミソはアウトラスト®素材にあります。アウトラスト繊維内のマイクロカプセルの機能により、温度を32℃前後にコントロールしようとする働きがあるため、睡眠中に熱放散をしても寝床内の温度が適温に保たれひんやり感が持続しやすいです。
③ひんやり感触 アウトラスト®敷きパッド 遠山産業
価格:8,620円
サイズ:100×205cm
素材:[表生地] 綿100%、[裏生地] ポリエステル65%、綿35% [詰め物] ポリエステル100%(不織布[アウトラスト(R)シート]入り)
【当製品の販売ページ】
上記のタオル地のものとは少し変わり、同じアウトラスト®敷きパッドでもこちらの表生地は綿100%の織生地です。そのため、肌感がより滑らかで、側生地の吸放湿性も高く汗の吸収も申し分ないです。
詰め物にアウトラスト®素材を使っているので、こちらも冷感を持続させる作りになっています。また、どの商品にも言えることですが、使用前にエアコンで冷たい風を当てて置くことで、接触冷感を高められます。
接触冷感重視の敷きパッド
接触冷感を重視しつつも、ムレにくいように作られている敷きパッドです。多少難点がないこともないですが、あなたの好みに合えば快適に使えます。
④アイス眠EX敷きパッド
価格:12,874円
サイズ:100×205cm
素材:[表面] ポリエチレン70%、ポリエステル20%、ナイロン10% [中心部] ポリエステル100% [裏面] ポリエステル95%、ナイロン5%
【当製品の販売ページ】
接触冷感繊維の中でも冷たいポリエチレン、レーヨンを表生地に80%も使用している敷きパッドです。表生地が全て化学繊維ですがメッシュ生地に仕上げているので、吸放湿性はなくとも通気性はあるのでムレにくいです。
化学繊維の肌触りや、メッシュによる硬めの使用感などの特徴が好みで、接触冷感を最も重視している人にオススメできる敷きパッドです。
⑤竹シーツ
価格:5,980円
サイズ:180×90cm
素材:竹
【当製品の販売ページ】
接触冷感敷きパッドというよりは竹シーツとして知られている製品ですが、触れたときの冷感を重視する人でも満足のいく冷たさがあります。また、繊維製品ではないので、ホコリが少ない睡眠環境にできます。そのため、喘息やアレルギー持ちの人には特におすすめです。
素材の性質上、若干の肌にペタっとくっつく感じや、使用感が硬めな点、ご了承ください。
最後に
接触冷感が持続し汗処理もきちんと果たす敷きパッドは眠りやすいだけでなく、睡眠環境の温湿度を適正に保ち睡眠の質を上げるので、起きた時の爽快感が遥かに違います。
あなたが良い敷きパッドで素晴らしい一日のスタートを切れることを願います。
また、『エアコンなしで寝苦しい熱帯夜を乗り切る5つの冷感快眠法』もご紹介しています。熱帯夜攻略にお役立てください。