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もうバリキャリでなくていい 女性誌編集長が見た変遷 アラフォーの代弁者 福田葉子・小学館Domani編集長インタビュー

2018/7/14

福田葉子Domani編集長(※取材時 7月12日からは女性メディア局コンテンツビジネス室編集長に就任)

 女性の生き方をとらえてきた女性誌の中でも、「言い切り型」のキャッチコピーで人気を高めているのが小学館の「Domani」。2011年から「AneCan(アネキャン)」の名物編集長として活躍し、2016年にDomaniの編集長に就任。現在は女性メディア局コンテンツビジネス室編集長として、女性メディア全般の企画制作を指揮する福田葉子さんに、話を聞いた。

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■「35歳から」を「アラフォー世代」に

福田さんが就任する前はキャッチコピーがない状況だったが、2017年1月号から「働く女性をラクにする!35歳からのワーキングマガジン」と決め、18年1月号からは「働く女性をラクに&楽しく!アラフォー世代のワーキングマガジン」に変えた

 専属カバーモデルが蛯原友里から小泉里子に交代した2018年1月号で、キャッチコピーを「35歳からの」から「アラフォー世代の」に変えました。35歳とうたうと33歳くらいから読み始める読者も多く、「Domani」より一世代下の読者をターゲットにしていた「Oggi」と読者層が重なっており、ここははっきりと分けようと。結果は狙い通りで、1、2歳はアップしました。アラフォーというと35歳を過ぎてから読むというように受け止め方が変わったのです。

 これでアラサーのOggi、アラフォーのDomaniとターゲットが明確になりましたが、その裏には読者の意識の変化もあります。以前の読者はアラフォーという言葉の響きに抵抗を感じていたのですが、今の読者はアラフォーと呼ばれることに抵抗感がない。そこでアラフォー世代が「自分の雑誌」と受け止めるようになった。

 誌面作りでも「35歳から」時代は「40代は本当はターゲットではないよね」という空気感がありましたが、今では30代、40代と明確に打ち出せるようになりました。

■「ママだからヒールを履かない」時代じゃない

 2000年から07年までDomani編集部で現場兼デスクを務め、その後「CanCam」「AneCan」などを経て、16年11月に編集長として戻りました。その間約10年ですが、読者の生き方、考え方の変化にとても驚きました。以前はジル・サンダーやキートンの30万円のジャケットを頑張って買い、誌面に登場する読者もニューヨークの国連会議に出る方や、3人の子どもがいる最高経営責任者(CEO)といったスーパーウーマンばかりでした。

 でも今のDomani読者たちは年収1000万円でもユニクロやGUを着る、「無理しない、背伸びしない、必要なものしかほしくない」という等身大を求める層です。女性の働き方は少し前までのCEOのような「バリキャリ系」(バリバリのキャリア系)か、「腰掛け」といわれるような「一般職系か」の二択ではなく、その中間層がボリュームゾーン。仕事か結婚かではなく、仕事も結婚も、仕事もママもと1人何役も務め、働くのが当たり前の時代なのです。

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