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先日、F-22についての記事をアップしたばかりですが、昨日、そのF-22についてのニュースが複数のマスコミにより配信されました。
F-22で発生している低酸素症についての報道で、この問題は以前から報じられてはいましたが、最近はあまり聞かなくなっていたので、私はてっきり、この問題はもう解決しているのかと思っていました。しかし、実際にはまだ未解決で、しかも、その原因すら分かっていないようです。
この問題が解決されない限り、F-22の最大の欠点は、汎用性の低さとか対地攻撃能力の低さなどではなく、この問題こそが最大の欠点といえるでしょう。

以下に、この件のニュース記事を2本転載します。
まずは、昨日の8時48分に配信された時事通信の記事です。

F22飛行制限を指示=低酸素症による事故防止で 米国防長官

米国防総省のリトル報道官は15日の記者会見で、米軍最強のステルス戦闘機F22の操縦士に低酸素症とみられる症状が相次いでいることから、パネッタ国防長官が事故防止のためにF22の飛行を制限するよう空軍に指示したことを明らかにした。
F22は北朝鮮や中国をけん制するために、米本土の基地から沖縄県の嘉手納空軍基地やグアムのアンダーセン空軍基地にも飛来している。
同省によると、2008年4月からこれまでに少なくとも12人の操縦士が飛行中に低酸素症とみられる症状を訴えた。低酸素症になると、意識が低下し、重大事故につながる恐れがあるため、空軍が調査を進めているが、原因特定には至っていない。

次は、昨日の12時46分に配信されたCNNの記事です。

F22戦闘機で原因不明の低酸素症続出、パイロットや整備士も

米空軍のF22ステルス戦闘機に搭乗するパイロットやメンテナンスを担当する整備士が相次いで低酸素症のような症状を訴え、空軍が原因の究明に乗り出している。
低酸素症の症状は、2008年4月以降、F22に搭乗したパイロットに続出し、空軍がこれまでに確認しただけで25件に上っている。11年5月には点検のためF22の利用をいったん中止し、装備の変更や点検の強化などを行ったうえで9月に利用を再開した。しかしその後も11人が症状を訴えているという。
空軍の軍医は9日、利用を再開して間もなく、地上でF22の整備を担当している整備士5人に低酸素症の症状が出たことを明らかにした。整備士はコックピットに乗り込んでエンジンをかけ、地上を走行させることがあるという。
低酸素症の原因として専門家の間では、F22がそれまでのF15やF16戦闘機に比べて高い高度を高速で飛行することと関係があるとの説や、飛行中にパイロットのマスクに酸素を送り込むシステムに問題があるとの説が浮上していた。
しかし地上を走行しマスクをしていない整備士にまで症状が出ている理由について、軍医は「現時点では答えられない」としている。
6日にはF22のパイロット2人が米CBSテレビの番組に出演し、もうF22には乗らないと宣言した。空軍は8日、この2人を懲戒処分の対象とはしない方針を明らかにしている。

 
これらのニュースに対して、某掲示板では、以下のようなコメントが呟かれていました。

「アメリカから買う戦闘機が無くなってしまったねぇ」
「まだ解決してなかったのか」
「エンジンが空気吸い込み過ぎか 日本製のエンジンで充分なんじゃね? F3国産を開発でおk」
「どう考えても、何らかのガスが充満してるとしか思えない。コクピット内のガスを分析してもわからないのかねえ」
「やっぱり未知のテクノロジーを使いこなせてないのか」
「旋回性能や速度に酸素補給装置が追従してない」
「F-35は絶賛炎上中だし他の機でしばらくしのぐとしてもどうすんだべ」
「やはりこれからは無人機か」
「超絶戦闘力だけど諸刃の剣 そんなところにしびれるぜ!」
「やっぱこれ以上の速度や格闘性能を求めるなら無人機しかないわな」
「ダメな子に見せ掛けといて実戦では鬼のように強いんだろ?」
「一度酸素ボンベ積んで飛べば良いのに それで無気肺が起きなきゃシステムの問題だし 起きれば人間の限界だー、って事じゃん」
「ニュータイプにしか扱えないんだよ」
「開発費用の4割までもがソフト開発に費やされ、とてつもない量のコンピュータープログラムに頼って飛んでいるF-22は、これからどんな不具合を起こすのか、全く予測不可能だ」
「そもそも人間が乗るようには出来てない しかも基地近隣の衝撃波被害も無視できなくなってる」
「F35の遅延・価格高騰に対する不満のガス抜き」
「機体で乱反射された電波がキャノピーで集約されて脳に障害をもたらしてるんだと思う F-117の窓は平面構成でそういう問題が起きなかった」

それにしても、パイロットだけではなく、地上でのメンテナンスを担当している整備士にまで同じ症状が出ているというのはかなり不可解ですね。
F-22は、日本にとって大きな脅威となりつつある中国の軍事的近代化やロシアの装備近代化計画始動に対する、アメリカの空軍力の優位性を象徴する兵器でもあり、また、F-22は日本の嘉手納基地や横田基地に飛来もしくは一時配備されたり、日米共同訓練にも参加するなど、日本の安全保障体制にも少なからず影響を与えているので、日本にとっても、この問題は一刻も早い解決が望まれます。