ponpei3_e
image credit:YouTube

 西暦79年8月24日の昼過ぎ、イタリアのヴェスヴィオ山の大噴火により「死の灰」に飲み込まれた古代都市、ポンペイ(関連記事)。

 当時1万2000人が暮らしていたが、時速100km以上という猛スピードの火砕流に襲われて一瞬で生き埋めとなった。

 今となっては当時の様子を正確に知る術はないが、ある程度予測することはできる。

 オーストラリアのデジタル・アニメーション・スタジオ「ゼロ・ワン」が、火山噴火前の街の様子から、火山が噴火し「死の灰」が降り注ぐまでを再現した3D映像を作り上げた。
スポンサードリンク

古代都市ポンペイでそのとき何が起こったのか



A Day in Pompeii - Full-length animation

 「ポンペイの一日(A Day in Pompeii)」は、ヴェスヴィオ山が噴火する前後のポンペイの様子を再現したアニメーションだ。

ponpei1_e
image credit:YouTube

 これまでに分かっているデータをもとに噴火のタイミングを推測し、「死の灰」により瞬く間に荒廃するポンペイを時間の流れとともに描いている。

 平和な都市があっという間に壊滅的状況に追い込まれていく、その凄まじさを感じることができる。

ponpei2_e
image credit:YouTube

メルボルン博物館で公開され大人気に


 このアニメーションが制作されたのは2009年。同年にメルボルン博物館で開催された企画展にて公開されて人気を呼んだ。

ponpei3_e
image credit:YouTube

 当時は没入型の3Dシアター・インスタレーションとして展示され、よりリアルにポンペイの悲劇を体感できたようだ。

ponpei4_e
image credit:YouTube

 ポンペイ遺跡は現在も発掘調査や修復プロジェクトが進められており、今年6月に新たに火砕流で吹き飛ばされた男性の遺体が発見された。

・古代都市ポンペイで、火砕流で吹き飛ばされ岩石に押しつぶされた男性の遺体が新たに発見される(イタリア) : カラパイア

 平穏な日常が続くとそれが当たり前のように思えてしまうが、命あるものはいつか必ず終わりを迎える。生は常に死と隣り合わせにあるという事実は、こういった自然災害の時に強く私たちにその現実を突き付けてくる。

 当たり前のように過ごしてきた日常が、明日も必ず続くとは限らないのだ。

 過去に囚われ、未来を憂うよりも、「今」この瞬間を大切にすることが、今を生きる我々に必要なことなんだと、自然界から警告されているような気分になる。まさに「メメント・モリ」だ。

References:YouTube / Laughing squidなど / written by usagi / edited by parumo
あわせて読みたい
イタリアの古代都市、ポンペイ遺跡で時を止めたまま横たわる死者から型どった石膏像


日本が2つも・・・ もし噴火したら世界を終わらせる可能性を秘めている、恐るべき6つの火山


カタコンブ、エベレスト、納骨堂など、無数の死が存在する世界10の場所


6度目の大量絶滅後も生き残れるであろう15の生物(※含昆虫閲覧注意)


幻のアトランティスか?遠く離れた離島に古代都市が発見される(ポンペイ島)


今、あなたにオススメ
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
カラパイアの最新記事をお届けします
この記事をシェア : 63 63 4 

Facebook

コメント

1

1. 匿名処理班

  • 2018年07月16日 22:45
  • ID:6q4.MK940 #
このコメントを評価する
goodbad0
▼このコメントに返信する

映画ポンペイありましたよね
あれも迫力凄かったお勧め

2

2. 匿名処理班

  • 2018年07月16日 23:12
  • ID:Pj3Ga44s0 #
このコメントを評価する
goodbad0
▼このコメントに返信する

富士山も時間の問題だし、他人事じゃないよね

3

3. 匿名処理班

  • 2018年07月16日 23:18
  • ID:D6SPALeV0 #
このコメントを評価する
goodbad0
▼このコメントに返信する

いやぁ、見入ってしまいました。トドメの火砕流怖いですね。

4

4. 匿名処理班

  • 2018年07月16日 23:21
  • ID:CMFo4ZC90 #
このコメントを評価する
goodbad0
▼このコメントに返信する

あれ、火砕流がすぐに発生してそのせいで逃げ遅れて亡くなった方が大量に出たし、地面にヒトガタの穴がたくさん空いたんじゃなかったのか…
火砕流発生する前にすでに街壊滅してたのになぜ逃げ遅れた人がそんなにいっぱい出たんだろう?

このコメントへの意見(2件): ※9 ※13
5

5. 匿名処理班

  • 2018年07月16日 23:26
  • ID:T7fdWREu0 #
このコメントを評価する
goodbad0
▼このコメントに返信する

余裕が4、5時間時間があっても、逃げ遅れてしまうんだな
避難って難しい

6

6. 匿名処理班

  • 2018年07月16日 23:26
  • ID:b1n5SmlO0 #
このコメントを評価する
goodbad0
▼このコメントに返信する

言っていいのかあれだけどすごく面白かった
この映像だと何度か逃げるチャンスがあったような印象があるけど
それでもこれだけ被害者が出てしまったんだなと

7

7. 匿名処理班

  • 2018年07月16日 23:27
  • ID:FOIw7XlA0 #
このコメントを評価する
goodbad0
▼このコメントに返信する

恐ろしすぎる! マジトラウマ!

8

8. 匿名処理班

  • 2018年07月16日 23:40
  • ID:wvgaXCdS0 #
このコメントを評価する
goodbad0
▼このコメントに返信する

火砕流まであれだけ時間があって
噴火前の地震とかあったのに
みんな逃げ遅れたの?

家があれだけ瓦礫になってたのに
瓦礫の中でみんな寝てたの?

パッと噴火→火砕流ではないのですか?

9

9. 匿名処理班

  • 2018年07月16日 23:44
  • ID:WLbnE2lE0 #
このコメントを評価する
goodbad0
▼このコメントに返信する

いや、この映像、間違いも甚だしいというかプリニー式噴火の事を全く理解してないだろ。
この映像を見て※4が誤解するのも仕方ないわ。

10

10. 匿名処理班

  • 2018年07月16日 23:49
  • ID:gUiz.uOJ0 #
このコメントを評価する
goodbad0
▼このコメントに返信する

噴火前の標高はどのくらいだったのかな

11

11. 匿名処理班

  • 2018年07月16日 23:52
  • ID:wCs42jXQ0 #
このコメントを評価する
goodbad0
▼このコメントに返信する

アチアチだね

12

12. 匿名処理班

  • 2018年07月16日 23:54
  • ID:FcnxZBUv0 #
このコメントを評価する
goodbad0
▼このコメントに返信する

コレジャナイ感
普賢岳の火砕流の映像を、何度も仕事で見た所為なんだろうけど

13

13. 匿名処理班

  • 2018年07月17日 00:04
  • ID:X3KpBwhQ0 #
このコメントを評価する
goodbad0
▼このコメントに返信する

※4
火砕流は噴火してすぐに発生するものじゃなくって、ヴェスビオ山のようなプリニー式噴火の場合、成層圏まで達した噴煙が腰砕けに崩れる形で(噴煙柱崩落型)発生するから、若干のタイムラグがある。(79年の噴火では、噴火発生から約十二時間後に火砕流が発生)
79年のヴェスビオ山噴火で、ヘラクレネウムという遺跡の方では避難するため船着場に逃れていた市民が火砕流に巻き込まれて死亡というのが多かったのに対し、富裕な市民の多いポンペイの方は、財産を守るために残ったり一旦逃れた後また戻ったりして、火砕流に襲われ亡くなった、というケースも少なくなかった、とか

14

14. 匿名処理班

  • 2018年07月17日 00:04
  • ID:HSvkZDUb0 #
このコメントを評価する
goodbad0
▼このコメントに返信する

時間があったのに逃げ遅れたと言うよりは「噴石が降り注いでいて外に出られない」状況で、その後にどんどん噴石が大きくなるわ、灰が積もるわで
次々と一層悪化した状態になっていったんではないかな

昔だと噴火に際して噴石・火山灰・火砕流・溶岩といった知識が十分に行き渡ってないだろうし、
山がアカン状態だ、ってのを判断するのもワタシらの知識あってこそ。しかもワタシらは高い位置で山の全景を観察できる状態。

お名前
スポンサードリンク
記事検索
月別アーカイブ
スマートフォン版
スマートフォン版QRコード
「カラパイア」で検索!!
スポンサードリンク