Vol.4(最終回):自分のルール ―― 身近なヒーローにしたかった
ついに最終回を迎えた本連載。私のおしゃべりがうま過ぎるのか(笑)、ちまたでは『エイトレンジャー』をギャグ映画だと勘違いしている方もいらっしゃるようですが、それは誤解です!『エイトレンジャー』は基本的にアクション映画です。いつの日かDVDが店頭に並ぶときには、必ずやアクションコーナーに置いていただきたい。 横山裕:プロ並みのクールなアクション&サラリとしたギャグ
映画は、横山裕くん演じるブラックこと横峯誠が、八萬市(エイトシティ)と東京シティの間を流れる硫酸の運河(泳ぐと死にます!)にかかる橋の上を全力疾走する、手に汗握るシーンから始まります。ギャンブル中毒の横峯が闇金業者から逃げるというシチュエーションなんですが(笑)。橋だけに止まらず、エイトシティ内を何キロも走り回るハードなシーンを、ほとんど顔が映らないにも関わらず、横山くんは必死で走ってくれました。冒頭から横山くんの本気を体現したような気迫のシーンとは、実にアクション映画らしい始まり方だなと改めて思いますね(笑)。 渋谷すばる:秀逸なやさぐれ芝居で魅せた演技派
レッドこと渋沢薫役の渋谷すばるくんも、なかなかの逸材でした。前述の居酒屋のシーンで、8歳で親父に見放された悲しい過去をブラックが打ち明けるとき、思い出のペンダントを見たレッドが「うわっ!鎖なしペンダント。思い出がびっしり詰まっとんのか!」という本来のセリフに、現場で「昭和のやり方や~」とひと言足してみたところ、そのセリフ回しが絶妙におかしくてね。こんなにうまく言ってもらえるなら、ギャグの思いつき甲斐があるなぁと感動しました。 エイトレンジャーたちがパート2へと飛躍できるように7人7様のアクションの個性は、おそらく映画を3回はご覧になっていただかないとわからないのではないかと思います。前の回にも言いました(笑)?5回でした?『エイトレンジャー』の世界観は、今回きっちり構築しましたので、パート2では説明なしで、一気にものすごくおもしろい世界へとみなさんをお連れできるのではないかと思っております。ぜひともみなさん、やっと飛べるようになったエイトレンジャーたちがパート2へと飛躍できるよう、応援よろしくお願いします。ありがとうございました! (文:石村加奈) BACKNUMBER
映画情報『エイトレンジャー』お笑いのセンスと、そしてその絶妙な掛け合いのおもしろさから、音楽シーンのみならず多様な分野で活躍。世代性別を超えて幅広い層から人気を集めている関ジャニ∞の7人。デビュー8周年を迎える今年、彼らが初主演する映画は、今までコンサートで上演してきた人気キャラクターを映画化!「最悪のシナリオをたどった未来の日本」を物語の舞台に、コンサートのキャラクターをベースにしながらも、全く新しい世界観を堤幸彦監督が構築する!
ストーリー:
時は2035年。日本は最悪のシナリオを辿っていた。度重なる天変地異、経済危機、超少子高齢化、人口減少、治安の悪化――。日本の人々の多くは、生きる希望を見失いつつあった。ここ八萬市(エイトシティー)では治安悪化に伴い、街の平和と市民の安全を守るために、自警団『ヒーロー協会』を設立していた。
監督:堤幸彦
2012年7月28日(土)全国東宝系ロードショー プロフィール
堤幸彦
1955年11月3日生まれ。愛知県出身。 主な監督作は『ケイゾク/映画 Beautiful Dreamer』(2000年)『トリック劇場版』(2002年)『恋愛冩眞』(2003年)『明日の記憶』(2006年)『自虐の詩』(2007年)『20世紀少年』3部作(2008~2009年)『まぼろしの邪馬台国』(2008年)『BECK』(2010年)『はやぶさ/HAYABUSA』(2011年)『劇場版 SPEC~天~』『MY HOUSE』(2012年)など。
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