俺は超越者(オーバーロード)だった件 作:コヘヘ
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しかし、生まれた瞬間勇者、覚醒「相手は死ぬ」
これくらい怖がってます。
そして俺はついに一人になった。
それを知って襲い掛かってきた輩は全て倒したが。
どうやらギルドランキングにギルド:アインズ・ウール・ゴウンがいなくなってたのも影響しているらしい。
ユグドラシル関係のスレで内部崩壊したとか抜かす馬鹿もいたが、ギルドが健在なのにランキングにないということで困惑しているのが大多数だ。
無理もない。アインズ・ウール・ゴウンはゲームクリアしてしまった。
流石にバカ正直に公表するわけないが、もしかしたらゲームクリアしたからではないかという書き込みもあった。やはりそういう奴がいるに違いない。
クリアしたギルドが全く名乗り出なかったのが不思議でぷにっと萌えさんにメールで相談してみたら、考えすぎというメールが来たりしたが。
単身でナザリックを滅ぼそうとした軍団を撃ち滅ぼした俺は、情報こそナザリック強化に最も必要だと確信した。
まず、今まで存在したユグドラシル関係のスレの書込みを全て収集した。
胡散臭いユグドラシル関係のサイトから信頼度の高いサイト、自分の経験した事実や知識をまとめる等を行った。
ありとあらゆる情報を電子書籍化しぶち込んだ。糞みたいな内容の本になり恥ずかしかった。なので、異世界で応用できそうな著作権の切れた本、戦術や戦略の本、農業や漁業、科学や政治や法律、歴史等全く関係ない本等も織り交ぜた。
定期的にNPCに声をかけステータスや設定の情報を確認したりした。
膨大な量になり全部読むのは一人では不可能だし、正直NPC・従属NPCの情報以外読むのは嫌になったので管理空間を作ることにした。
従属ギルド解散で貰ったり敵から強奪したりしたワールドアイテムによるポイントでギルドを拡張し、階層に等しい大きさの部屋を作った。それでもまだ二つ、三つ作れるがしない。これ以上NPCも増やさない。
製作や鍛冶、料理、楽師、商業、情報等のスキルを持ちどちらかというと非戦闘系の従属NPC達を項目ごとに守護者とした。リング・オブ・サステナンスは全ての従属NPCに限らず全NPCに渡したので問題ないはず。
いずれ時がきたらエルダーリッチでも量産して研究させるつもりだ。
ただ、興味本位で見た従属NPCの設定が大魔王モモンガやアインズ・ウール・ゴウンのモモンガを愛しているだの敬愛しているだの異世界行ったら「原作」アルベド化待ったなしの設定だらけなのは俺への嫌がらせなのか?
るし☆ふぁーさんの友達がギルド長だった製作特化オーバーロードの従属NPCに書いてあった「モモンガを愛している」は完全に嫌がらせなのは間違いないが。
カルマ値はバラバラだが、どこもかしこもアインズ・ウール・ゴウンの設定魔が書いたように思えてくる。今のところ一番酷かったのは和風美少女の情報特化型従属NPCが「アインズ・ウール・ゴウン外部部門の大奥の管理者」とか書き換える一歩手前まで言ったんだが。「原作」アルベド化が怖いので弄らなかったが。
一体何の情報集めているんだよ!俺はロリコンじゃないし、そういう設定はペロロンチーノさんしか喜ばないっての!
しかし、全員ぱっと見た感じアインズ・ウール・ゴウンに不和を齎すような設定がなくてホッとしている。全員異形種であることも安心できる点だ。別の意味で怖すぎるのは勘弁願いたいが。
NPC毎の職業や設定・特色に合わせた部屋の外装を外注し、外界を見て心安らげるようにと遠隔視の鏡(ミラー・オブ・リモート・ビューイング)を始めとしたアイテムを与えたりもした。
ただ全員有能な設定というのは異世界行ったら俺が凡人だってすぐバレるな。
バレたところで問題ないかもしれないが、忠誠を誓われるか不安だ。異世界だって未だに信じ切れていない。「原作」だって乖離しまくっている。そもそも従属NPCなんていなかった。段々怖くなってきたので、暇なときに支配者ロールや帝王学は自己流とはいえ鍛え始めた。
リアルでも役にたったので成果は出ているはずだ。
引退したユグドラシルプレイヤー数名が御身のためにとアイテム、時にはワールドアイテムを差し出してきたのは若干引いたが。
その都度護衛のためにプレアデスや守護者集めたりして魔王ロールしたら滅茶苦茶喜んでた。
献上されたワールドアイテム「賢者の石」は自分のMPを石に注ぐことでMPを貯められるものだった。容量は無限でMPをさらには他者へ譲渡や他者から吸収できるという魔法職には堪らないものだった。
貰って以来毎日半分のMPを注ぎ込んでいる。残り半年以上あるから膨大な量のMPになるはずだ。超越者(オーバーロード)は過剰過ぎるMPがあり一日中魔法ぶっ放してもなくならないのだから全然問題ない。
正直、献上品があまりに都合が良すぎて内通者や転生者かと疑ったが全く関係なかった。
スレやあらゆる情報を確認してみても載ってなかった。
強いて言えば魔王様に謁見できた喜びという名のポエムの数々があった。
何となく気持ち悪かったので貰ったワールドアイテムはすぐ吸収した。
アイテムは宝物庫にシュート。
アインズ・ウール・ゴウンで取得した全てを自由にしていいとは言われている。
もう既にいない従属ギルドも同様だ。
とはいえ、流石にワールドアイテムを俺が吸収するのは躊躇われた。
今回献上されたワールドアイテムを吸収したことである意味踏ん切りがついた。
個人で強奪したワールドアイテムと超越者のことを教えた従属ギルドが吸収してくれと言って置いていったワールドアイテムに関しては吸収することにした。
その前に鉱山及びジャンク部屋(階層ぐらい広い部屋)の従属NPC全てと一部除く守護者を集めた。鉱山守護は超級ゴーレムやプレイアデスに一時任せてあるので問題ない。
個人で強奪してきたワールドアイテムと吸収してくれと頼まれたワールドアイテムの吸収と連絡がつかないギルメン(この辺はぼかした)のワールドアイテムは従属NPCに渡すことを伝えた。こんなことを一々するのはやはり「原作」がちらつくからであろう。
いなくなったあと強奪できたワールドアイテムは1つ。
・カルマ値を逆転できるワールドアイテム。
武人建御雷さんのようなカルマ値が関係してくる攻撃をしてきた襲撃者の一人が持っていたアイテムだ。流石に超越者(オーバーロード)となった俺には届かなかったが元々の俺がまともに食らっていたら死んでいたと思う。
従属ギルドが元々持っていたり個人で集めたワールドアイテムが3つ。
・正攻撃無効
・光攻撃無効
・神聖攻撃無効
これは絶対狙っているとしか思えない。主にるし☆ふぁーさんやタブラさんと仲良かったメンバーが所属する従属ギルドらから貰ったものだ。
これらを吸収したらアンデッドである俺の弱点が炎ダメージ倍化くらいしかない。しかも炎属性は現在の標準装備で完全耐性を整えてある。微妙な弱点である「神聖属性エリア・正属性エリアでの能力値ペナルティⅡ」を除いて弱点がないスーパーアンデッドだ。転移前までに熱素石2つ使ってお願いしたら本当に弱点なくなる。
そして、熱素石で作ったワールドアイテムが5つ。
・MP+300%
・HP+300%
・生命力持続回復(リジェネート)常態化
・戦士Lv+1
・全属性耐性(弱)
これらはヘロヘロさんと仲が良かった従属ギルドが実験で作った簡易ワールドアイテムが主だ。
なので、本来のワールドアイテムにはない機能や劣ったり欠点があったりする。
まず、MP+300%は俺が持っているワールドアイテムMP+500%の指輪と違いMP回復量までは増えない。回復に時間がかかる。
戦士Lv+1はワールドチャンピオンを除くあらゆる戦士職ファイターやソードマスター、モンク、ナイト等の最大増加分(ただし累計レベル1分)ステータスに加算し、レベル1分スキルを使用できるものだ。魔法職レベル100ならそれに戦士職+1、戦士職レベル100ならレベル101になる。
レベル1で勝敗を喫する戦士職には良いが、本来の魔法職には微妙系アイテムである。
しかし、「英雄のマント」で行動する俺にはなんちゃって戦士から戦士スキルを使用できる微妙な戦士とハッタリをかませる凄まじいアイテムになる。
今後異世界に行ったときの練習として戦士「モモン」を始めるのも良いかもしれない。
あの最後の日、るし☆ふぁーさんが人間種の町でネカマプレイをするために使った変声アイテムをわざわざ使えと押し付けてきた。
俺に人化の指輪と併用してネカマしろという意味で置いて行ったのかと思ったがどうやら違ったらしい。疑って悪かった。
後は普通の簡易ワールドアイテムになるが吸収すれば本当に役に立つ。
話は変わるが、アインズ・ウール・ゴウンのNPCについて。
パンドラズ・アクターはレベル150になったギルドメンバーの力の8割をコピーできるらしい。思い出を残すという意味で作ったNPCが汚されたようでちょっと嫌だったが、戦力が強化されたと思えば良い。
レベル51になった一般メイドやエクレア等は元々職業レベルがレベル1だったせいか大体が滅茶苦茶な構成になっていた。大概が料理等の生産系やネタ職業とかだった。
しかし、モンクのガチメイドや、ガチ剣士メイドなんてのもいたりする。
中には聞いたこともないような職業もありどうやって取得できるのか調べたが全く不明だった。おそらく未発見か隠している職業だと思われる。ジャンク部屋に放りこんたスレやサイトの情報に乗っている可能性はあるが。
でも、掃除した便器を舐められる貴族的職業の奇術師兼料理人ならぬ執事助手ペンギンとか、餡ころもっちもちさんが泣く。…いや、喜ぶのか?
そういった泣きかねない構成もあったが今現在のキャラのスペックと今取得しているワールドアイテムの能力をギルドメンバーに報告した。前にるし☆ふぁーさんが報告した内容では不足だったというのもあった。
どの能力を与えるか改めてかつてのギルドメンバーに聞いてみた。守護者・プレイアデスを作ったメンバー等はすぐに連絡が来た。ほとんどのNPCが何にするかは最終日前までには報告があったが、ベルリバーさん等一部のメンバーとは連絡がつかなかった。従属ギルドのギルド長だった人からも大概は返ってきたが一部連絡つかなかった。
だけど鉱山守護任務につく従属NPCの全員にワールドバフが与えられたのは良かった。傾城傾国等で操られたりしない。大体人間に近い容姿なため異世界に行ったときに任務を任せられるからだ。
アインズ・ウール・ゴウンの悪役ロールを踏まえていささか過激なことを書いてあったりもするが、大概極めて頭が良い設定でカルマ値中立~善のレベル150達は心強い。
それはともかく、もう誰にも止められない超越者となった俺はなるべく他のプレイヤーに迷惑が掛からない様なところを選び狩りまくった。前々からあったのも含めてゴミアイテムが増えてきた。金貨や希少価値があるものは宝物庫に入れ、使い道のないアイテムでも異世界では脅威なので全部捨てずに放り込んだ。
その他無人魔王スクロール販売所を作って売ったり、希少金属以外にも暇なNPCに鉱山を掘らせて換金したりする等の金策したりした。
レベル150をそんなことに使うのは申し訳ない気持ちもあったが、設定に鉱山関係のこと書かれたり、職業もそういったスキルを持っていたので許容範囲だろう。
多分作った人は、ウロボロス事件でるし☆ふぁーさんに協力したメンツだと確信した。
スキルのお陰で鉄やミスリル、オリハルコン、アダマンタイト等弱い金属も出てきたりするのでそれは新しい倉庫に入れるように流れを作った。今はいらないが将来役立つからだ。
鉱山は浮上させ高レベル傭兵モンスターを隅々まで巡回させた上で戦闘特化の従属NPCに守らせている。攻め込んでくる愚か者はほぼいないが偶にいるので敢えてそうしている。攻めさせてPKするのは良い気分転換になるからだ。
ある日突然戦士モモンとしての力をつけたいと思い、人間種としてとある闘技場に来た。ワールドアイテムである完全催眠の杖の能力を使い、相手がワールドアイテムを持っている可能性を考えて虚偽情報・生命(フォールスデータ・ライフ)等を使用しまくりHP・MP、職業構成やら隠蔽工作しまくった。
自分でもあからさまに怪しいと思った戦士モモンだが、ヘッポコ剣士として受け入れられた。超越者(オーバーロード)の能力を抑えるだけ抑えた結果、スキル構成全部レベル1とかアホの初心者扱いだ。
地味に取得している努力は馬鹿にできないとフォローになってないフォローを頂いた。
漆黒の英雄ロールしていた所、色々剣士としての技術を叩き込まれた。
その上で死なない前提のPVPを何度も行った。生命の精髄(ライフ・エッセンス)等で確認しながら行うPVPだ。
ガチ勢程ではないにしろ専業戦士レベル100と肉薄することもできるようになった。
バレない様に能力や装備を落としたりしている自分が恥ずかしかったが、前々から戦士になりたかったんだからと開き直った。
初期こそ名前の関連を疑う人もいたが、魔王ロールと全然違うこと、実際見たことも会ったこともない人ばかりなのも幸いした。
ユグドラシルの戦士職の情報を多数得ることができた。
有名な戦士職のプレイヤーにもっと早くユグドラシルに来て職業構成をちゃんと直せばワールドチャンピオンも狙えたと言われた。言葉は嬉しかったが、自分を偽っていることに罪悪感が湧いたりもした。
その後もちょくちょく顔を出していたが、ある日何人かの戦士が遊び半分でナザリック地下大墳墓に挑みに来た日があった。
絶対勝てないこと前提に来られたのでPVP形式で試合を行った。
ドロップアイテムは返却するかとも尋ねたが「不要」とのことだったので半分くらいの力とはいえ本気で戦った。
モモンとして俺も魔王に挑んでくると戦士仲間に言った後、ワールドアイテムである完全催眠の杖の能力で一方的ないわゆる負けイベントを魔王モモンガ戦で演出した。
英雄ロールの声を録画しながら、魔王ロールで戦うという事前準備がなかったら絶対不可能な超難易度のマッチポンプをやった。
戦士職としての経験がなかったら疑われた可能性もある。
土地を利用しての戦術や勘で良く頑張ったと褒められたが、ガチで鍛え直すと宣言して多分もうあまり来ないかもしれないと伝えたりした。
最終日近くには前回の反省を踏まえたガチビルドになった戦士の死闘を演じた。
その少し前にワールドチャンピオンがPVPしにきたりしたのでそれを参考に素晴らしい試合を演出できた。
ワールドエネミー化(違う)した魔王モモンガにワールドチャンピオンより善戦したとスレッドが盛り上がった。
ただ「前のワールドチャンピオンもそうだが、ワールドエネミーに単身で挑むな。
未だに全力を見せない魔王モモンガだがユグドラシルの全ワールドチャンピオンと全ワールドディザスターに真っ向から勝ててもおかしくない相手だぞ。
最低複数ギルドで行けよ」とマジレスされていたが。
ここまでやったのは万が一異世界でプレイヤーにあったときモモンとアインズ・ウール・ゴウンは別人ですよとプレイヤーにアピールしたかったからだ。意味なかった可能性が高い。
というか見破る系のワールドアイテムで観察されていたりしたらバレたかもしれないと気づき全力で確認した。
幸いそういうアイテムを持ったギルドはここしばらくヨトゥンヘイムで探索中と知りホッとした。録画したもの等ならワールドアイテムでも見破ることは不可能とアインズ・ウール・ゴウンでの研究結果があったことが幸いだった。
能力を抑え込まなければあれ以上の戦士として余裕で戦える。レベル100のワールドチャンピオン級のガチ戦士としての振舞いは異世界で役立つはずだ。
しかし、ワールドエネミーじゃないんだがなぁ…