俺は超越者(オーバーロード)だった件   作:コヘヘ
次の話 >>

1 / 29
初っ端から原作とズレているので思考が明後日の方向に行ってたりします。優しい目で見てあげてください。


第一話 目が覚めた小卒サラリーマン兼大魔王だった件

2135年12月24日

ナザリック地下大墳墓にてギルドメンバーがまだ集まってない状況で嫉妬マスクと運営からのとある報酬を受け取ったとき突然思い出した。

 

「俺、オーバーロードのモモンガだわ」

 

本当に突然前世を思い出したのだ。真っ先に思い出したのは、2138年にサービス終了して異世界転移するという物語「オーバーロード」。ライトノベルという名の鈍器。

 

その主人公アインズ・ウール・ゴウンがどう考えても俺なのだ。小卒でサラリーマン、鈴木悟さんでユグドラシルの惡の華アインズ・ウール・ゴウンのギルド長モモンガ何て二人もいるわけがない。

かなり驚いているが、多分異世界転移した「原作」の俺はもっとパニックになったはずと思うと落ち着くから不思議だ。

 

 

 

ただいくつか原作と既にかなりずれている気がする。これは多分俺の潜在意識に前世の知識があったからだと思う。ちょっと振り返ってみる。

 

 

 

原作では隠し七鉱山、ワールドアイテム熱素石(カロリックストーン)の鉱山が奪われていた。

しかし、それは今でも現役でアインズ・ウール・ゴウンが所有する重要な資金源の一つだ。

 

鉱山を手に入れ熱素石が偶然手に入ったとき、何故か既視感と危機感を覚えた。

俺はワールドアイテムの20、永劫の蛇の腕輪(ウロボロス)でこの鉱山が奪われることはありえるかとぷにっと萌えさんに相談したのだ。

 

答えは

「ありえなくはない。だけどどう考えても割りにあわない。けど、とても面白い思考実験だね」と悪役みたいな笑い声と共に言った。正直俺はドン引きした。

 

 

ぷにっと萌えさん主導で何やら皆を集め始めた。

 

まず全力でるし☆ふぁーさんやぬーぼーさんを煽り、超級守護ゴーレムの作成を依頼。

鉱山に各種課金罠等を設置したりしたのだ。他にできることはないかとワールドアイテムを使った実験を行ったところ、これまで知られていなかったワールドアイテムの穴を発見した。

ワールドチャンピオンやワールドエネミー以外はワールドアイテムを防げない。それだけでなくワールドアイテムはワールドアイテムで守ることが可能という今では当たり前の知識はおそらくユグドラシル史上初の発見だった。

これらの情報を元に対策を踏まえ、奪還し出すギルド対策にフェイク情報を流したりしていたら、ギルドの皆が全力で悪乗りし始めた。

全てが完了した時には、起こるかもしれない程度でかなりの無駄金使ってしまったとメンバー全員が後悔していた。

 

どう考えてもぷにっと萌えさんが悪いと思うのだが、

きっかけとなった自分の迂闊な発言に罪悪感を覚えた俺は、

「もし来たら返り討ちにできますし、最悪ナザリックの防衛戦力に転用できますよ」等とフォローしたが焼け石に水のような気がした。

 

 

 

そうこうしていたら本当に永劫の蛇の腕輪(ウロボロス)で「1ヶ月間、使用したギルドのメンバー以外はそのワールドに立ち入り禁止」という暴挙に出たギルドが現れたのだ。

 

全盛期のアインズ・ウール・ゴウンが全力で魔改造した鉱山を巡る争いは一か月続いた。想定以上に強く最後の一週間はどこからかワールドアイテムまで持ち出してきてビビった。本当に、本当にギリギリだったが守り切った。

 

永劫の蛇の腕輪(ウロボロス)を使わせ、余所のギルドから強奪してきたワールドアイテムを強奪したDQNギルド、アインズ・ウール・ゴウンの悪名を世に知らしめた。

 

「まさか本当にやってくるとは思わなかった。普通20をそんな馬鹿な使い方するはずないと思った。悪乗りしてしまったけど勝ったからセーフ」

というのはこの戦いのMVPぷにっと萌えさんの言葉だ。

 

珍しくたっちさんとウルベルトさんが一緒になってキレた。

 

 

 

戦いからしばらくして3つ目の熱素石を手に入れた頃、アインズ・ウール・ゴウン討伐隊3000人とかいう情報が流れ始めた。

神経擦り減すような鉱山防衛戦での経験から本気でアインズ・ウール・ゴウンがギルドの総力を挙げ戦うことが全員一致で可決した。

 

まずトップギルドに超級の防衛力情報を敢えて流した。更に敵を減らすために討伐を辞めてくれれば隠し七鉱山の金属を優先的に売る取引をして討伐部隊の内部情報を入手。

防衛戦力に熱素石を惜しげもなく使い、敵同士で争わせる等ありとあらゆる対策をした。

そうした努力の甲斐があり、2000人近くまで何とか減らせた。不安が拭えなかったが。

 

 

鉱山奪還作戦時の20を使ったギルド100人はまるで物語の主人公みたいに強かった。

最後は強奪したワールドアイテムで強襲とか悪落ちした感が強かったが。

 

 

それの30倍の人数というのは烏合の衆とはわかっていても怖かった。

皆恐怖のあまり一部足が乱れ、若干ボロが出てしまった。これは誰が悪いわけではないと今でも思っている。しかし、その結果としてアインズ・ウール・ゴウンが討伐隊を怖がっているとバレてしまった。

 

討伐隊はこの戦いは絶対勝てると確信し、それを宣伝した。

 

二級装備で挑むつもりでいた討伐隊ギルドが一級装備を持ちだした。

当初持ちだす予定のなかったワールドアイテムを持ちだした等の情報が手に入った。

最後に内密で取引していたはずのとあるギルドが裏切った。

討伐隊はまた増え2500人にまで戻ってしまった。

 

これらの情報を聞いたとき、何人かのメンバーが最終形態フ〇ーザ様を前にしたベジー〇のように「もうお終いだ」と震えあがった。

 

俺は半分ヤケクソになって魔王RPで移動可能な全NPC及び全ギルドメンバーを集めた。叱咤激励(やわらかい表現)し、必ず勝って裏切者に死をくれてやると意気込んだ。

 

士気は狙っていた回復どころか熱狂した。

 

ぷにっと萌えさんが「モモンガさん前世多分ヒ〇ラーじゃない?」とパンドラズ・アクターを指さして笑い、俺は死んだ。

ぶくぶく茶釜さんから「いや、前世は絶対魔王だよ。モモンガお兄ちゃん」と揶揄われた。

ペロロンチーノさんは「シャルティアはあげません」とか喚き散らし姉に殴られてた。

 

結果、

「3000人でも守りきれたんじゃね?」と皆が言うほど圧勝だった。

 

  発狂したユグドラシルプレイヤーからの問い合わせに、公式が仕様と回答しながら、アインズ・ウール・ゴウンに念のため問い合わせがくるくらいの蹂躙だった。

 

 8階層まで来たプレイヤーはズタボロで念の為にと奥の手まで使ったが、一瞬で溶けた。8階層のあれらが本格稼働する前に全滅した。最終防衛ラインの情報について討伐隊がほとんど知ることはなく、一部の情報が上位ギルドに知られただけだった。

 

流石に上位ギルドに攻め込まれたら不味いので良かったが、色々狂気染みた意気込みをしていたアインズ・ウール・ゴウンのメンバーは何て情けない討伐隊だと怒り狂った。

 

別動隊の第二次鉱山奪還隊何てのも同時進行してきたが、そちらの方がギリギリで焦ったのもあったが。後から考えると理不尽過ぎる話だ。

 

 

その後、裏切ってくれたギルドへのお礼参りで神器級装備やらアイテム、ユグドラシル金貨を全て強奪した。

裏切らなかったギルドへは感謝の言葉とともに報酬をキチンと払ったりした。

熱素石になりうるには到底足りない量だったがとても喜んでくれた。

死亡したNPCも強奪した金貨で蘇らせることができた。

2500人討伐隊事件はアインズ・ウール・ゴウンに多いに財をもたらした。

財があんまりにも多く、宝物庫を大幅に拡張しないといけなくなったのが手間だったが。

源次郎さんが発狂していたが、自分の部屋を汚部屋と言っているのにこういった整理への意欲は一体どこから湧いてくるのか不思議でしようがなかった。

 

熱素石入れて22個のワールドアイテムを手に入れた。

これは二位の3つと比較してもダントツだった。

ただ、熱素石は一つとカウントするのか20個と表示されていたが。

 

 

運営から先日不正を疑ったことへの謝罪と共に「魔王」のスキルを頂いた。

・効果は威圧感のあるオーラが出せる(効果なし)。

・こちらが意図的に逃がさない限り敵は絶対逃げられない(WI使用しても不可)。

・第一~五位階の魔法が第六位階の魔法と同じ威力・効果になる。

というかなり微妙過ぎる効果だった。それでも3つあるのは嬉しかった。

地味にスクロールにも効果が反映されたので魔王のスクロールとして売ってみたらかなりの額になった。

 

ウルベルトさんが発狂する程悔しがっていた。何でも低位の魔法が上位の魔法と誤解されるのは魔王の嗜みらしい。

ワールドディザスターのが強いじゃないですかと言ったら、

「違うんだ。違うんだよモモンガさん」と何故かタブラ・スマラグディナさんから諭すように言われた。

 

 多数決の結果、隠し七鉱山の金属の一部を売ることに決めた。買い占めが起こらない様に細心の注意を払いながら売った。

ギルド防衛より鉱山防衛戦の方が辛いと二度にわたる戦いでわかったからだ。

その間に熱素石を作り出したり、希少金属のまま加工に用いたりした。メイド服を希少金属でもう一着全員に渡すとかホワイトブリムさんが言い出して、外装作成担当者が発狂しながら作っていたのは可哀想だった。

 

取得したワールドアイテムの効果を調べ、PK・PKKへの応用を研究・実戦したりした。

もちろん奪われない様に細心の注意を払って行った。

初期から減ったとはいえ残っていた異形種狩りプレイヤーはほぼ全滅した。

 

熱素石を武器や運営へのお願い等に使い、NPC装備が全て神器級に統一されたり72体の悪魔像が完成したりと楽しかった日々も段々終わりが見えてきた。

 

 

 

メンバーが少しずついなくなり、俺含めてギルドメンバーは実質4人になってしまった。防衛できないからと鉱山の鉱石の売却量も増えてきた。

 

メンバーが熱素石を狙われないように完全な情報網を作ったお陰で、鉱山は攻め込まれることなくユグドラシル金貨は溜まり続けた。

 

異形種以外のPKプレイヤーの情報を分析しては、襲われているプレイヤーを助けるついでにPKプレイヤーを新しい魔法習得の材料にしたりした。

 

超級守護ゴーレムを引き連れてモンスターを狩り尽くし、アイテムからクリスタルまで全てを回収して「また魔王が出たぞ」と定期的に目撃情報がスレにアップされた。

 

ゴミアイテムを捨てられず課金しまくってアイテムボックスを拡張しまくり、会う度に貧乏魔王と揶揄ってくるプレイヤーは毎回魔法習得の材料にした。

 

取得魔法が1000超えた辺りで種族的に取得できない魔法があることが悔しんでいたら、第六位階までのあらゆる魔法が使えるというワールドアイテムを持つ戦士の情報を入手できた。

 

PVPを申し込んで手に入れたら所有者が切り替わるごとにリセットされる上にLv100プレイヤーだと糞面倒な成長型ワールドアイテムとわかり落ち込んだりした。回復魔法や蘇生魔法が使えるのは嬉しかったので毎日モンスターを狩りまくって経験値とドロップ品をかき集めた。

 

俺の被害者であるPKプレイヤー主体の「大魔王を止めるスレ」と魔王にPKから助けられたプレイヤーの「大魔王を止めるのを止めるスレ」の参加者が激突したりした。そんなの知らんとモンスターは毎日狩った。

 

 以前救ったプレイヤー集団略称「止め止め会」から遠回しな救援要請が来た。今でもちょくちょく来ている仲間たちとの作戦会議やぷにっと萌えさん考案の楽々PK術を応用した。

全力で魔王ロールプレイをしながら全体の指揮や味方にバフをかけまくった。見事、敵対集団を撃破に成功。「クルシミマス戦争」は大魔王軍の勝利に終わった。

大魔王賛歌まで作られ始めた。ギルドに帰っての報告があるので後日聞かせて欲しいと言って逃げてしまった。

報酬はその時に受け取らないと行けないし、聞かなきゃいけないのか(白目)。

この後報告を聞きに来るメンバーにだけは知られたくない。いや、マジで。

 

 

 

そして、2135年12月24日現在、俺は嫉妬マスクとともに来た「大魔王」スキルの授与のメールに立ち尽くしている。

 

原作崩壊ってレベルじゃねえぞおい。

とりあえず嫉妬マスクを被ってみた。特に意味はない。

 








※この小説はログインせずに感想を書き込むことが可能です。ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に
感想を投稿する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。