2017年3月にオープンした「メロン・アンドカンパニー」は、60年代に建てられたレトロなビルの1階。全面ガラス張りなので、通りから店内がよく見えて、つい立ち寄りたくなります。
店内にはアンティークなシャンデリアや家具、小物が配置され、ビンテージ物の食器の上に、なんと牛革製メロンのバッグや革小物たちがおしゃれなデザートのようにディスプレイされています。
それぞれに素敵なアイテムばかりですが、人気№1アイテムは、この『メロンなミニバッグ』。
「本物のメロンみたいなサイズ感も含めて楽しいバッグかなと思うんですけど、だからこそ、全体のデザインはもちろん、ディテールの微妙な形や寸法の部分まで吟味しないと、子どもっぽいチープなものになっちゃいますからね。遊び心がありつつ、あくまで上品さ・ファッショナブルさも欲しいな、と。」
お店のアイテムのデザインから縫製までを手がけている坂 昭代(さか あきよ)さんはそう語ります。
「このバッグは持ち手で大きく印象が変わりますから、縫い付け部分の形状や大きさ、剣先の長さや幅…あらゆる部分に1mm単位でこだわりました」と。ここに至るまでの試作品は、なんと数十点にも及んだのでした。
それにしても、メロンの皮ならぬメロン「な」革は、どんな経緯で誕生したのでしょう。
「オーナーは出版社でファッション誌をはじめいろいろ有名な雑誌の編集をしていたんですけど、ものづくりに興味をもって独立したんです。特に革が好きで、タンナー(=革なめし職人)と知り合ったり、知人だった私をデザイナーに起用して、工房を構えるなどして今に至っています」。ちなみに坂さんもまた、美大で学ぶなど、ファッションやデザイン系の畑を歩んでいたところでした。
そんな意気投合した二人が企画/開発した「メロン柄の革」ですが、これが実はかなり難しいものだったそう。
「素材の革は全て北米産の良質な原皮を使用して、兵庫県姫路市の老舗タンナーさんと共同で製造した高品質なA級皮革です。でも普通の型押しや染めとは違い、爽やかで美しい『メロン感』を再現するために、試行錯誤の連続。完成まで1年掛かりました」。
興味深いことに、女性用が中心の商品ラインナップにもかかわらず、案外男性客のお買い上げも多いとか。それに女性も男性も、お一人さまでもグループでも、この店を見て回る人はニヤリとしたり囁き合って微笑んだりしながらどの商品もひととおり、丹念に見ていきます。
「『スイカが入るメロン』(スイカはもちろん果物でなくてSuicaの方)とか『メロンが四角いクラッチバッグ』とか、製品名に込めた遊び心を感じてもらえているのかなと思います。素材単価が高いせいか革はどうしても“真面目”な商品が世の中に多いのですが、面白くて可愛い革製品があってもいいですよね」。
そんな彼女のユーモアやちょっとひねった発想が、メロン柄の革という素材のアッパー感とも響きあったこのワンアンドオンリー感、素敵です。今後も少しずつアイテムを増やしていくそうなので、とても楽しみ。
ルンルン気分を誘うこの色と質感、あなたもその目で確かめてみては?
- 住所
- 東京都台東区寿4-16-5
- 電話番号
- 03-6240-9304
- 営業時間
- 金土日の12:00~19:00(日曜日は18時まで)
最終更新日:2017.8.15
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