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【大相撲】

名古屋場所の主役は関脇・御嶽海 初日から無傷の7連勝

2018年7月15日 紙面から

御嶽海(右)が寄り切りで琴奨菊を下す=ドルフィンズアリーナで(中村太一撮影)

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◇名古屋場所<7日目>

(14日・ドルフィンズ アリーナ=愛知県体育館)

 新大関の栃ノ心(30)=春日野=が右足親指のけがで休場した。単独トップの関脇御嶽海(25)=出羽海=は力強く琴奨菊(34)=佐渡ケ嶽=を寄り切って無傷の7連勝。かど番の両大関は高安(28)=田子ノ浦=が初顔の阿炎(24)=錣山=を圧倒して5勝目を挙げたが、豪栄道(32)=境川=は貴景勝(21)=貴乃花=に突き落とされて3敗目を喫した。1敗は平幕の遠藤(27)=追手風=、千代大龍(29)=九重=、朝乃山(24)=高砂=の3人。

    ◇

 相手得意の形でも、ひるまず攻めまくった。御嶽海は、琴奨菊に左で前まわしを許して左四つに持ち込まれても慌てない。徐々に左の差し手を深くしてまわしをつかみ、形勢逆転。最後は攻めの余韻を味わうように腰を落とし、万全の寄り切り。初日からの7連勝で単独トップを守った。

 理想は、立ち合いのスピードを生かした突き押し。真逆の展開だったが「(左四つは)たまたま。前に出ることには変わらない。攻め続けることかな。しっかり体が動いてくれている」。好調さが際立つ一番になった。

 19年ぶりの3横綱休場に加え、栃ノ心も姿を消した。幕内の出場者では、豪栄道と琴奨菊しか優勝経験者がいない波乱の場所。その一角を完璧に突き崩した。

 八角理事長(元横綱北勝海)は「優勝ラインは下がってくると思うけど『まだ負けられる余裕がある』と考えないと。初優勝が出る確率がある」とズバリ予想した。

 優勝争いを引っ張る意識を問われた御嶽海は「なし」と、話題をさえぎるように自然体を強調。それでも、先頭に立つ好機を無視するつもりはさらさらない。この日の朝稽古後、現状について「アタックチャンス!」。人気クイズ番組の名ぜりふを引き合いに出し、おどける余裕がある。

 今年初場所にも、初日から7連勝したが8日目に土がつくと、一気に失速して5連敗。8勝どまりで、後半戦の弱さをイメージづける結果になってしまった。8日目の千代の国戦は、苦い記憶を振り払う一番になる。

 得意の速攻だけでなく、腰を据えた相撲も見せて「じっくりいくよ」と余裕たっぷり。初のストレート給金を前に、心身ともに隙は見当たらない。 (志村拓)

 

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