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リテールテックJAPAN 2019 | 2019年3月5日(火)〜8日(金) 東京ビッグサイト
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セブン、サンドイッチの賞味期限長く、食品ロス削減へ、10時間伸ばし品薄防ぐ。

 セブン―イレブン・ジャパンは20日、サンドイッチの主力品で賞味期限を3割伸ばす。製法の変更により時間がたっても味や食感が落ちないようにした。イオンやファミリーマートも包装を変えて賞味期限を延長する。無駄な食品廃棄「食品ロス」の問題は国際社会で批判されている。小売り大手の取り組みで過剰な鮮度を求める消費文化が変わる可能性がある。

 セブンはサンドイッチの主力2品を刷新する。売り上げがもっとも多い「ミックスサンド」(250円)と3番目に多い「シャキシャキレタスサンド」(250円)が対象。2品の売り上げはサンドイッチ全体の約3割を占める。セブンイレブンのサンドイッチの売上高は年1300億円程度とみられる。

 今回刷新する2品はいずれも具材にレタスを使う。パン生地がレタスの水分を吸い込んでしまうため、長時間保存するとパンが湿り味や食感が変わっていた。小麦粉の配合を1割超増やすことで生地のしっとりとした食感を保ちながら賞味期限を伸ばした。店頭での販売期間はこれまで製造から30時間と他のサンドイッチに比べ短かったが、3割長い40時間となる。

 賞味期限を伸ばすことで売り上げの拡大につなげる。1月に埼玉県内でテスト販売したところ、2品の売り上げは2割伸び、サンドイッチ全体では1割増えた。朝と昼の売れ行きは変わらず、品薄になりがちな夜間の売り上げが伸びたという。

 消費者にとっては欲しい商品がいつでも売り場に並んでいる状態に近づくため、来店頻度の向上が見込める。コンビニエンスストアでは既存店の客数が伸び悩むが、品ぞろえの充実につなげ、店舗の客数を増やす。

 賞味期限が伸びると売れ残りによる食品ロスの削減につながる。セブンが今回刷新する2品をテスト販売した際は、1店舗あたりのサンドイッチの食品ロスが5%超減ったという。

 イオン傘下の総合スーパーでは17年から順次、酸化や細菌の繁殖を抑える包装を採用して消費期限を伸ばしてきた。全400店で鮮魚や精肉100品目以上を対象に新包装を導入。消費期限は商品の種類によって異なるが、1・5倍程度に伸ばせるという。

 ファミリーマートでは17年9月から窒素ガスを充填した容器に入れた総菜を発売し、賞味期限は2日前後から約5日に伸ばした。

【表】食品ロス削減に向けた取り組み
小売り  セブン―イレブン・ジャパン     サンドイッチの主力品の賞味期限を3割延長
     イ オ ン             プライベートブランド(PB)商品の一部で賞味期限を
                       「年月」表示に
食 品  キユーピー             マヨネーズの賞味期限を10カ月から12カ月に延長
     味の素               段階的に、加工食品の一部で賞味期限を年月表示に
飲 料  キリンビバレッジやアサヒ飲料など  2リットルペットボトル入りの水の賞味期限を年月表示
     大手飲料5社
     伊 藤 園             一部の飲料商品の賞味期限を年月表示に

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