平山 宏一郎

勿論、何の気なしにしただけなので、不快ならもうやらないのだが、そう言うと『尚更有り得ない、気持ち悪い』と言う。 私は親父のとある行為を憎んできた。でも親父だ。でも許せないことは許せない。だから許せない親父と許せる親父を切り分けることにしたのだ。

以前付き合っていた彼女からも親父との関係を問題視された。彼女のおばあちゃんからは、私ではなく、大卒のいい人を早く見つけなさいとの旨の手紙を自分の孫宛に送っていた。 私は自分の幸せを掴もうとしていたことが間違いだったのだろうか。生まれながらに、どんなにもがいても抗えない運命だった

とでも言うのだろうか。 子供たちの生まれながらの格差は間違いなく存在する。これ以上この格差で泣く同じ様な子供たちを増やしたくない。いや、減らしていかなければいけない。 今、確実に生まれながらにどうすることもできない、酷い格差が生じている。平和と言う表層に覆い隠された残虐な世界。

変えようよ。僕らの子どもたちの世代のために。少しずつ、一人ひとりが出来ることを。結婚や出産、育児が男女共に素直に喜べるものにしよう。少なくとも、男児を生み育てたい(、またはその逆)と思えない社会は間違っている。

だからこそ、性的虐待というレッテルを貼られたまま生きていくことへの戸惑いも正直拭えない。そんな酷い父親なのなら、後々に娘が私と同様父親を憎むようになるのなら、はじめからその様な存在は無かったことにしてあげた方が良いのではないか、病死した事にした方がまだ諦めがつくのではと

自死を計画したのが昨年の2月。食事を断って３日目の夜、まだやれることがあるかも知れないと急に頭が冴えてきて今ここにこうして生きている。 自死＝病気と判断されがちだが、親を憎悪した経験がある人なら健全であってもきっと分かってくれるのではないかと思う。自然に死を受け入れたんだ。