気がつけば7月。しばらく放置しておりました。みなさんお元気ですか(井上陽水風に)。わたしは元気です(魔女宅風に)。
先月は引っ越しとか子どもの行事とかで忙しくてね〜、…というのは言い訳で、実はあるものにどハマりしていて、沼から抜け出せない状態だったのです。それは…
33歳独身彼女ナシのサラリーマン春田創一(田中圭)。ある日上司の黒澤部長(吉田鋼太郎)と同僚の牧凌太(林遣都)から同時期に愛を告白される。春田は二人の男性からのアプローチに戸惑いながらも、自らの恋愛観を見つめ直していく…というラブコメディ。
これがねーめっちゃくちゃ面白かったんですよ。一応「男性同士の恋愛」という日本の連続ドラマでは珍しい題材を扱ってはいるんですが、それを感じさせないくらいに王道で直球でベッタベタのコッテコテなラブコメだったんですよね。とにかく春田と牧のカップリングが「尊い…しんどい…」状態でしてね。いやわたし、熟れてる自覚はあったけど腐ってはいないと思ってたから、このハマり様に本人が一番びっくりしてます。
もうね、最終回からひと月以上経っても考えるのは春田と牧のことばかり。これまでいろいろドラマとか「うわーロスだわー」て思ったことありましたけど、今回初めて「これが本当のロスなのだ‼︎」と思い至りました。
最近になってようやっと日常生活に支障のないレベルまで落ち着き、ブログを書けるくらいに回復いたしました…(この人大丈夫?)
というわけで今回はわたしのOL(おっさんずラブの略)愛の供養とリハビリも兼ねまして、同じようにOLロスに陥っている沼民の方々に、映画ブロガー(笑)らしく、おすすめの映画をご紹介していきたいと思います。…需要は別になくてもいいの…自分のために書いてるから…。
LGBTQ映画も入ってますがそれよりも「萌えるかどうか」を基準に、ハッピーエンドだったOL同様、なるべく楽しくて幸せな気持ちになれる映画を選びました。もちろんドラマを知らない人も(え?そんな人いるの?今ならauビデオパスで見放題配信されてるから見ればいいんじゃね?)、気になる映画がありましたら是非観てみて下さいね〜
注意:ただ、わたしはいわゆるBLコンテンツにはほとほと疎いので、そういうガチなやつは入っていません。BL原作の邦画とか斎藤工とか…悪しからず。
15位 KISSingジェシカ
序盤からうぉぉい!とはるたん並みに突っ込みが入りそうなチョイスですみません。でも、OLを見ていて思い出したのはこの映画だったんですよね。
彼氏のいないノンケ女子のジェシカが恋人募集広告をきっかけにして出会ったのは、レズビアンのヘレン。魅力があって、気が合って、一緒にいて楽しいなら、同性だっていいんじゃない?っていうお話です。ジェシカがヘレンと恋に落ちていく様が愛らしく、そしてリアル。観終わったあとは「勇気を持って一歩前進」したくなるような、清々しい気持ちになれます。働く女性におすすめなガールズムービーです!
14位 ガタカ
はい、名作きました〜。
DNAによって生まれながらにして優劣が決められる近未来。自然妊娠によって産まれた「不適合者」のヴィンセントは「適合者」でありながら怪我によって挫折した元水泳選手ジェロームのDNA情報を買い取り、宇宙飛行士の夢を叶えようとする…。
イーサン・ホークとジュード・ロウが一緒に暮らしてるってだけですでにたまらないものがある(途中乗り込んで来た刑事を欺くため二人が協力するシーンはドキヒヤハラ)。そして終盤に繰り広げられる熱い兄弟のドラマとラストのヴィンセントの献身に、わたしは無事死にました…。
13位 フィリップ、きみを愛してる!
詐欺師のスティーブンは収監された刑務所で運命の人フィリップと出会う。詐欺の手腕を発揮してフィリップを釈放させたり、彼に会いたいがために自分の死まで偽装して脱獄するスティーブン。全ては、フィリップへの愛のため!
…てかこの映画、実話を元にしてるらしいんですよ。ちょっと信じられない。
実在の本人の写真を入手!IQ169で懲役167年!刑務所に収監中のラッセル氏、原点は母の愛 - シネマトゥデイ
ジムキャリーとユアンマクレガーという意外なカップリングが実にハマってて、特にユアンマクレガーの"ほどよい"ゲイ演技が素晴らしい。スティーブンが惚れちゃうのわかる。ジムキャリーは平常運転。めっちゃ笑えて泣ける…んだけど、「わたしの涙を返せ!」ってなると思います(苦笑)。コメディ好きな方におすすめです〜。
12位 スイス・アーミー・マン
無人島に漂流した孤独な男は、万能機能を兼ね揃えたハイスペック死体"メニー"の力を借りて、文明社会への帰還を目指す!というファンタジーサバイバルアドベンチャーです。 ハリポタのダニエルラドクリフが屁をこきまくる喋る死体を熱演。男と死体の生死(意味深)を超えた友情がほんと泣けるんですよ…。
わたしの感想はこちら。
11位 追憶と、踊りながら
恋人を事故で亡くしたリチャードは、老人ホームで暮らす恋人の母親と面会する。中国人の彼女は英語を話すことができず、ホームでも浮いた存在だった。リチャードは息子がゲイであったこと、そして自分がその恋人であったことを秘密にしたまま、彼女の手助けをしようとする…
主人公のリチャード役はゲイであることをカミングアウトしているベン・ウィショー。彼と死んでしまった恋人カイの仲睦まじい回想シーンが切なくて美しいのが印象的でした。
自然光を生かした撮影や流れるようなカメラワークが「愛する人の不在」を鮮明に映し出します。そんな「愛する人」を失った者同士が、言葉・文化の壁を越えて悲しみを分かち合う、異文化交流の物語でもあります。悲しい映画ですが、観終わった後は温かい気持ちになります。
あとこれ、珍しく邦題がいい。
10位 バードケージ
アーマンドとアルバートはゲイカップル。ある日、アーマンドの息子ヴァルの婚約者とその家族が彼らに会いに来ると言う。しかも相手の父親は堅物な政治家だというから、さぁ大変。ゲイだとバレないよう様々に偽装工作するアーマンドだったが、なぜかその場に現れたのは…女装したアルバート!
これも大好きな名作。いろいろ突っ込みたいし笑えるんだけど、ふと「結婚て?家族って?」って考えなくなる映画です。ありのままでいられる相手、それこそが最高のパートナー。
9位 親友のカミングアウト
こちらは現在のところレンタル等はされておらずNetflix配信のみ。う〜ん、すっごくいい映画だからツタヤさんにも置いて欲しいぞ!
幼なじみの仲良し男4人組。毎日つるんで遊んでいたけれど、そのうちの一人アダムが「自分はゲイだ」とカミングアウト。え!まじで⁉︎最初は戸惑う仲間たちでしたが、恋人のいない彼のために相手探しを手伝うことにするのです…。
この親友4人の関係性がとても良くて、女子の憧れる男子のつるみ合いと言いますか。お前らイチャイチャしおって!って言う(笑)。最後、アダムと親友クリスが互いを思い合ってする行動に、思わず胸キュン。あー男の友情って、いいなぁ。
意外とゲイであることの苦悩とか葛藤とかにはあまりフォーカスしていないところがイマっぽいな〜と思いました。いや、仲間たちの最初の慌てっぷりは偏見まみれてて引いたけど。
クスッと笑えてカラッと楽しめる、ほどよい一作です。
8位 インセプション
萌えしかない。
あんまりこういうネタで上がってくる映画じゃないと思うんだけど、これ、萌えるカップリングだらけですよね?コブとサイトー、あるいはコブとイームス、アーサーとイームスでもいいし、アーサーとアリアドネでもいい。ロバートとイームスもいい。わたしは断然アーサーとコブですけど何か?( …不快になった方いたらほんとすみません…)
いやもうほんとにさ、ノーランさんは萌えをわかってるよね。バットマンとアルフレッドとか、バットマンとジョーカーとかプレステージだってそうだし。てか絶対わざとやってるよね?(妄想)
こちらもひたすら萌える映画でございます。
7位 モーリス
こちらは鉄板かも。監督はコトイチのゲイ映画と名高い『君の名前で僕を呼んで』でアカデミー脚本賞を受賞したジェームズ・アイヴォリー。
同性愛が禁じられていた20世紀初頭のイギリス。同性愛者であることを自覚していたモーリスは大学で出会ったクライブと恋に落ちる。プラトニックな関係を維持したまま二人は別れてしまうものの、クライブの結婚を機に再会。しかし頑なに一線を越えようとしないクライブに悶々とするモーリスは、クライブの使用人アレックから誘われ、肉体関係を結んでしまう。しかし次第にモーリスもアレックを愛するようになっていき…
クライブに感情移入しちゃうとラストは切なくて泣けるんだけど、「同性愛者が同性愛を貫く」というのは 原作が書かれた当時(1913年)では珍しかったそうで。微妙な三角関係っていうのも、こういう文芸系ゲイ映画では珍しいのかなぁと思ったり。
とにかくね、クライブ役のヒューグラント、美しい!イギリスの田園風景が、美しい!本作は今年4Kリマスターで公開されてて、超観に行きたかったんだけど、あまりの美しさで鼻血出したら恥ずかしいから断念しました…(変態か)
6位 鋼鉄の雨
北のエリート工作員と南のおっさん官僚が手を組んで、南北危機を回避しようとするバディもの。韓国では興収1位を獲得したものの日本では残念ながらNetflixオンリー。
互いに手錠で繋ぎ合う、身を呈して相手をかばう、見つめ合ってトゥンク…ってもうこれ系のパティーン全て網羅していますので、アクションバディ映画好きは小躍りしながらみてください。「今の」朝鮮半島情勢を考えると、よくここまで踏み込んだな!という内容にもなってますので、社会派アクション好きにもおすすめです。
ちなみに、『コンフィデンシャル/共助』っていうテイストの似ている作品もあるんですが、こちらも面白そうですよ(こちらは8/8レンタル開始です!)
番外編
- X-DAY
田中圭作品からも一つ。人気ドラマ「相棒」のスピンオフで、本家でも大人気の捜査一課刑事伊丹と、田中圭演じるサイバー犯罪対策室の岩月が組んで銀行員の殺人事件を捜査します。しかし国家ぐるみの陰謀に直面してしまう…けど結果真相は小ぢんまり、といういつもの相棒印です(雑な説明)。
見所はコミカルで熱血的な伊丹刑事(おっさん)とクールで現実的な岩月(若い)の凸凹バディ感。あと、お二人ともスタイルがいいのでスーツ着て並んでると絵になる。
香港が生んだ映画ファッショニスタ、王家衛によるトニーレオンとレスリーチャン(と金城武)をひたすら愛でる映画。互いを傷つけるように愛し合うトニーとレスリーが切なくもセクシーで目が離せません。ラブシーンはほんとドキドキ(ハラハラ?)します…。
こちらと『ブロークバック・マウンテン』はわたしの中でゲイ映画殿堂入りです(片割れがすでに亡くなっているという点も含めて)。
ちょっと痛々しい映画なのでランキングからは除外。
- インディペンデンス・デイ リサージェンス
これはゲイであることをカミングアウトしているローランドエメリッヒが、推しを推しまくるために作った映画です(違う)。確かに萌え要素は多くて(特に博士のおっさん二人のやり取りは最高)ですが、映画自体は微妙…一応劇場で観て、感想もブログに書いてますが、敢えてリンクはしません(察して)。
5位 シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア
抱腹絶倒のヴァンパイアモキュメンタリー。
ヴァンパイアのビアゴは3人のヴァンパイアと共に暮らしている。しかしある日獲物として連れてきたニックをヴァンパイアに変えてしまった!しかもニックは人間で親友のスチューを彼らの屋敷に呼び寄せたもんだからさぁ大変。スチューの血色の良さに、ヴァンパイアの血が騒ぐビアゴたちだったが…。
これ、見方を変えるとゲイ(ヴァンパイア)から好かれまくるノンケ(人間)の話じゃね?って言うね。噂によると、ドラマシリーズが制作されるらしいですよ!楽しみ〜。
「シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア」TVシリーズ化 : 映画ニュース - 映画.com
わたしの感想はこちら。
4位 苺とチョコレート
数あるLGBTQ映画の中でも5本の指に入るくらいわたしが大好きなのがこちら。
革命期のキューバ。ゲイの芸術家ディエゴはアイスクリームショップで共産主義者の青年ダビドと出会う。同性愛者を否定するダビドだったが、ディエゴの芸術に対する純真さやその博識さから次第に彼を受け入れるようになっていく。しかし、時代はディエゴを受け入れようとはしなかった…
ラストはハッピーエンドとは言えませんが、性的嗜好も思想も価値観も何もかも違うのに、それでも深い友情で結ばれていくディエゴとダビドが愛おしく、結局は性別だとか年齢だとかではなくて「人間として」認め合えるかどうかなんだよなー。そんな当たり前のことを教えてくれる、素敵な映画です。
3位 アレックス・ストレンジラブ
こちらは先月から配信されているNetflixオリジナル作品。これは面白かった!
近々最愛の彼女と童貞喪失を計画している高校生のアレックス・トゥルーラブ(本名)。けれどパーティで知り合ったゲイのエリオットが気になって仕方がない。アレックスはこの機に自分の性的嗜好を見直しはじめる…
ナイーブでデリケートな題材を実にわかりやすく面白く、かつ繊細に描いた学園コメディです。特に、最後のプロム(ティーンモノの定番!)のシーンはキュンキュンで萌え萌えなので、腐を自認している方は是非観ましょう。
2位 孤独のススメ
妻に先立たれ孤独に暮らすフレッド。ある日家の前で、風変わりな男テオと出会う。フレッドは成り行きから彼をしばらく家に泊めてあげる事に。するとこれまで規則正しく単調だったフレッドの毎日に変化が訪れる…。
わたしこういうゆる〜い映画が好きなんです。でもこのゆる〜いジャケからは想像できないと思いますが、これ、BLです。いやもう、ほんとですって。まじでびっくりしますよ。共同生活、結婚式、まさかの三角関係…ともう完全に「オランダ版おっさんずラブ」といっても過言ではないのでは?
いや、それ抜きにしても、めちゃくちゃいい映画なので、みんな観てください!(懇願)
1位 ヒドゥン
頻発する凶悪犯罪を捜査するFBI捜査官のロイドと所轄刑事のトム。実は犯人は人間に寄生し逃亡するエイリアンなのだった…!
SFであり、アクションであり、BL的な部分もあるという、わたしにとってにんにくマシマシ全部のせみたいな映画です。
冷静で理論的なロイドと現場主義で熱血派のトムのバディ感がもう最高。ロイドを演じたカイル・マクラクランの浮世離れした佇まいもタマラクランです。キレ者なロイドがトムの家でご飯食べるポンコツなシーンはマックスな愛おしさ‼︎
まだ"萌え"などという言葉を知らなかった少女時代、ラストの世界一美しい口移しに目が釘付けになりました。わたしにとってまさに"萌え始め"とでも言うべき作品なのです。一応こちらの作品は、わたしのオールタイムベストの4位に入れてます。
未見の方には全力でおすすめいたします。
というわけで以上です!OL民の皆様、お好きな映画、気になる映画はありましたか?ここにあげた映画を観ながら続編の報を待ちましょう…。
あ、ちなみに10月に「おっさんずラブ」のBlu-rayが出ますので、またしばらく更新が滞っていたら「あのミント野郎また沼落ちしてやがるな…チッ」と温かく見守って下されば幸いです!
ではでは〜(そしてまた録画してた7話を見る)