こんにちは。杉野洋明です。
ある人から、「ここのサイトが勉強になる」と進められたので、指定されたurlを踏んでみたら、在特会の桜井誠会長の「在特会テキスト講座」なるものだった。
桜井氏、先日もAERAにも記事が出てたけど、なんか、今まで以上に、注目を浴びてるみたいですね。
で、一通り「在特会テキスト講座」の第一回と第二回を見てみたわけだけど、なんか、基本的なところで間違いが目立つなぁ・・・という印象。
「桜井誠会長は朝鮮問題のスペシャリストだ」と言われていますが、これを見る限り、朝鮮問題、特に朝鮮史を研究する上での、基礎的な知識が不足している感があります。
まず在特会テキスト講座の第一回目ですが・・・
http://www.youtube.com/watch?v=bSct29PqTUc
4分20秒過ぎで、
「この時に国号として出されたのが”ワニョン”、和寧(わねい)と書きますね。ワニョン或いは、朝鮮、これは古朝鮮からとってるんですけど、チョソですね。このワニョン若しくはチョソ・・・」
と言ってますが、和寧はワニョンとは読みませんよ。
「ファニョン」が正しい読み方ですし、チョソだって、チョソンなんですが、なんでこんな基本的な固有名詞を間違えてるんでしょうか・・・?
ハングルを数ヶ月勉強しただけでも、普通に読める程度のものなんですが・・・
続いて、在特会テキスト講座第二回目では、4分過ぎのあたりで、七奪の事をこのように述べています。
http://www.youtube.com/watch?v=qTSuaaLsnYU&feature=related
「(朝鮮は)無資源国家です。これは日本とほぼ変わりません。こういうですね、何も無い国家、あったのは粗悪な石炭少々と森林資源位しかないんです・・・」
あれれ?戦前は、朝鮮半島北部に鉱山資源が豊富で、多くの工場が現在の北朝鮮に建設されてた筈で、無資源国家ではなかったのは??
実際、植民地統治時代の1935年、朝鮮總督府鐵道局建設課が作成した「朝鮮地下資源と鐵道」では、
「朝鮮地下資源は、金・鉄・石炭・黒鉛の四大重要鉱物を始めとして、豊富にして、重晶石、明礬石・・・等の鉱物の埋蔵量極めて豊富にして・・・その他セメント製造用石灰石の如きは無尽蔵・・・」
と記しており、朝鮮の資源開発の重要性を説いています。
実際、最近の調査でも、大韓商工会議所が2007年11月発表した報告書によれば、北朝鮮の鉱物資源の潜在価値は2287兆ウォンとのことで、むしろ、資源大国とも言える状況なわけで。
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003017&sid=aX0URKTRr418&refer=jp_news_index
桜井氏の「朝鮮半島は無資源」ってソースは何だったのでしょうか?
更には、6分30秒前後で、
「(日本の植民地統治で)人命を失ったと、向こうでは『民族抹殺計画』と、おどろおどろしい名前で呼んでるんですけど・・・」
あの、韓国でそんなの言ってませんって・・・そんなエヴァンゲリオンみたいな計画(エヴァは人類補完計画ね)
似た名前で「民族抹殺政策」なら、韓国の中学校の社会科の教科書に載ってますけどね・・・
もっとも、民族抹殺政策は、日本では「皇民化政策」と訳されるもので、あくまでも「民族性の抹殺」のことを指す。
代表例は、創氏改名やハングルの禁止等。
まあ、徴用令も含む場合があるので、実際の人命を含まないとは言い切れないけど、七奪と民族抹殺政策(と韓国で呼んでるもの)には、ズレがあるんですよね・・・
つまり、民族抹殺政策と呼ばれるものは、日本で言う皇民化政策のことなんで、日帝の皇民化政策は、けしからん!という主張に対して、いや、日本は医療制度を充実させて、人口を増やしたとか言っても、全く話がかみ合わないわけです。
というより、民族抹殺計画と間違って言う位だから、そもそも意味を分かってなかったのでしょうけど・・・
僕は、史学は専攻ではなかったので、あくまでも素人意見です。
とはいえ、素人でも気がつく程度の、随分基礎的な部分で間違えてるのって、講座と銘打つには、少しずさんなのでは??
とまあ、ちょっと気になった部分を書いてみた。
(一応言っておきますが、僕も七奪などという主張には疑問を持っている立場です)
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