Entre la poire et le fromage 

『洋ナシとチーズの間』 フランスのよしなしごとを徒然なるままに

英国は美味しい6 ジェントルマンの「ダンディーケーキ」・・・じゃなかった?

ダンディーケーキと呼ばれても、大人の紳士 dandy ダンディーじゃなかった・・・

Dundee、それはスコットランドで4番目の大きさの都市で、エジンバラ北部、

ティ湾の北部にある街の名前です。確かマーマレードの生まれ故郷でもあったような。

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ダンディーは、発見の都市(City of Discovery)としても有名。

南極探検家のロバート・スコット(1868-1912 )が南極探検に使った船

ディスカバリー号(RRS Discovery)が保存されているのもここですね。

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そんな街で生まれたダンディーケーキ。(スコットさん、食べた?)

起源は16世紀、スコットランド女王メアリーさんまでさかのぼります。

メアリーさんは、当時ブームだったフルーツケーキの中に、チェリーが入っているのが

お好きではなく、ケーキ屋さんが、代わりにアーモンドにして差し上げたのですって。

19世紀には、より高級な材料で焼かれ、スコットランド全土に広がっていきました。

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英国のお菓子はどれも長い歴史を持つものばかり、とても興味深いですね。

昔ながらの名残があり、どこか懐かしい記憶を呼び覚ますーー

プルーストさんもびっくりなのが、英国菓子の特徴かもしれません。

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ドライフルーツがぎっしりと詰まった食べ応えのあるケーキ。

混ぜて焼くだけーー簡単そうに見えて、焼くのに2時間はかかります。

焼き始めてから30分を過ぎると上の方が色づき茶色になりますので、

焦げ付かないよう、ホイルなどをかぶせ、気をつけながら作るのがポイントです。

《材料》18㎝型
レモン・オレンジの皮 各1 薄力粉 225g  ベーキングパウダー
バター 150g グラニュー糖 150g  卵 3個 牛乳 3カップ
カレンツ 175g  サルタナレーズン 175g  ドレンチェリー50g
オレンジピール 50g アーモンドパウダー2カップ 皮無アーモンド 60g 

《作り方》

1)バター、グラニュー糖、卵、牛乳を、ハンドミキサーで混ぜる

2)材料(カレンツ、サルタナレーズン、ドレンチェリー、オレンジピール

  アーモンドパウダー、レモンとオレンジの皮)を入れ、ベラで混ぜる

3)型に流し、アーモンドをサークル状に並べていく

4)170度に予熱したオーブンで約1時間45分焼く。

5)竹串を刺し、生地が付いてくるならあと15分。何もついてこなければ焼き上がり。

  ラックの上で完全に冷まします。

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アーモンドを並べる時に強く押すと、焼いている間にアーモンドが沈んでしまい、

出来上がりが沈没船になっちゃうので注意! スコットさんも泣きます。

出来上がり直後ではなく、1日か2日置いてからだと、生地とドライフルーツが

よく馴染んで、味わいもぐっと深いものになります。洋酒にもよく合いそうですよ!

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これまでご紹介してきた他の英国伝統菓子と違って、このダンディーケーキだけは、

どのレシピも、出来上がりも、ほぼ同じ様相で、バリエーションやアレンジは

殆どありませんでした。伝統の古き良き味が、今にそのまま、伝わっているのですね。

Dundee cake recipe | BBC Good Food

【kotorioからのひとこと】

フランスにももちろん、素朴な伝統菓子はたくさん存在します。

ただ、現にパリでは、奇をてらったものや流行を追った新作が次から次へと発表され、

季節とともに忘れ去られてゆくーーーそんな風潮も。

フランス人と英国人の決定的な違いが、お菓子を通じて垣間見えるような気もします。

それにしてもスコットさんはダンディーだったのだろうか。

・・・その昔、真矢みきさん宝塚花組トップ時代「♪ザ・ダンティ〜ザ・ダンディ〜」

って歌っていたの、覚えている方いらっしゃいますか?

あれ、一度歌うと、頭から離れなくなるんですよね・・・♪ クール&ジェント〜ル・・