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1:宇宙◇JOjcr1b2YoRy
05/29 19:47:50
『それが、許されない事だと知っても?』>暴力表現アリ>フィクションです>特定の人物などを貶す、といった意図はまっっったくありません>暇つぶし程度なので更新バラバラ。変な文章です。ハイ感想とか
ハムスターランド内リンク個人ページ。雑談はここ
ハムスターランド内リンクー イッキ読み ー>>1-ー 章ごと ー>>2-13 【飼い主への反逆】
>>14-18 【身分に合わない幸福な夢
>>19-26【浮かれ過ぎた罪を償う】
>>27-【新天地には出会いアリ】
【】
【ジパン国】
東洋の島国。平和。独自の文化が発達している。
【フレン王国】
美しい街並みの国。
比較的治安は良いが、西の方は少し治安が悪い。
【レゾ】レアな属性を持った人間。強力な属性なので、よく狙われる。
【ボゾ】没属性を持った人間。無属性なので、よく虐められたりする。しかし、修行すればどの属性にもなれる。
【ヒト】普通の属性を持った人間。火、水、草、光、闇属性の人達。
【レゾノウ、ヒトノウ】属性を操れる。ボゾ、レゾ、ヒトだけでは属性を操る事が出来ない。
【ノウ】
属性の能力のこと。また、属性の能力を使えるレゾ、ヒトの事を指すこともある。ーーーー
ご報告とかーーーー
7/9 更新曜日…月・水・土 予定
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10:宇宙サン
06/15 23:42:54
_________________
「そんなっ…」
僕は一歩踏み出し、下を見下ろす。
もしかしたらあの男性が追いかけてくるかも。という事で恐怖に満ちていた。
長く走ったせいか、心臓はバクバクと音を立てていた。
「見つけたぞ。脱走者」
突然後ろから、少し篭った男性の声がした。
後ろをすぐさま振り返えると、黒い格好をし、ガスマスクをした長身の男性がいた。
「あ、あなた…は?」
「職員07-0821。ここで捕まえるのが役目だ」
と言うと、腰から細長い小型の銃を取り出した。
僕はその銃を見たとたん、頭が真っ白になった。
怖い。そんな思いが僕の頭を支配した。
どうするか。少し。ほんの少し考えた。
後ろは崖。幸いにも水だから死ぬ確率は低い。なら…
後ろをすぐ向いて、海に飛び込む。
その瞬間、バンッ!という大きな銃声が鳴った。
その銃弾は僕めがけて飛んできたらしい。
銃弾は僕の崩れた体の頬を微かにかすって、海へと落ちていった。
同時に、僕も重力に従い落ちていく。
背中に水面の強い衝撃を感じ、深い、深い海へと身体を委ねて、僕の意識は静かに消えていった…
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11:宇宙サン
06/16 21:47:50
◇◆◇
「あぁっ…がぁ…っ!!」
意識が急に戻った。けど、まだ海の中だった。
周りは何も見えず、ただ深い青色が広がっていた。
よく考えると不可解な点が沢山あったが、今の僕にはそんな余裕なかった。
口内に残っていた空気が泡となり水中へ出ていった。
僕の肺は、今空気を求めていた。
必死にもがいても、底へ、底へと落ちていく。
気づけば、真っ黒な海へと一変していた。
「それは貴方の代償よ」
女の人の声が後ろから聞こえる。
後ろを振り返ると、また後ろから声がした。
「バケモノの癖に、脱走するなんて」
その声が聞こえた途端、僕の意識はまた遠のく。
図星だ。僕は昔から様々な実験をされてきた。
だけど、今。今だけは。
淡い夢を見させてください。
◆◇◆
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12:宇宙サン
06/16 23:23:47
「なぁ…起きろ!起きろって…」
ゆさゆさと揺さぶられ、ゆっくりと意識が戻っていく。
さっきのははたして夢か、現実か。
僕の目の前には金髪で、白いシャツにベストの青年がいた。
少しビックリしたが、反応する気力はあんまり無かった。ただ、だるい。そんな感じだ。
僕がゆっくりと起き上がると、周りは砂浜だった。
「お前、なんでこんな所にいるんだ?」
青年は僕に聞いてきた。
そもそも、ここはあの研究所の所か、はたまた別の地か全く分からない。
「えっと、…ここは?」
「ここはキャスート王国のフェネル海岸だ。何処から来たんだ?」
キャスート王国。聞いたことがある。
フェネル海岸は初耳だけど、確か平和な国。らしい。
「僕は…えっと、あ…」
『ランドという施設から来た。』と言ってしまえば施設の存在を知っていたのなら僕の身はもしかしたら安全では無いかもしれない。
レゾノウはとても珍しく、誘拐されるケースも少なくは無いのだから。
彼は、察したように僕を一度見ると、少し微笑みながら、
「あぁ、大丈夫だ。俺は拐ったりしない。安心しろ。」
と、言った。僕は彼の瞳をじっと見た。
翡翠色の、目。深い深い森の奥を連想させる。
思いきって、言ってみた。本当の事を。
「…ランドという施設から逃げてきました。」
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13:宇宙サン
06/17 15:29:01
彼は驚いた顔を一瞬したが、また元の顔に戻って、立った。
すると、僕の方に手をさしのべて、
「俺はヴェアーノ・エヌアンド。行く宛が無いなら、いい所を紹介するぞ?」
僕は行く宛もなく、その手を取る以外に選択肢は無かった。
「よろしくお願いします。ヴェアーノさん。あ、僕はフェリ…です。」
「そうか、よろしくな。フェリ。」
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14:名も無き作者
06/18 17:37:49
【身分に合わない
幸福な夢】
「…で、ここがキャスート王国。ロメイ街だ。」
砂浜を少し歩くと、僕より少し高い煉瓦の壁があり、少し離れた所にはそこだけ煉瓦を取ったような感じで、穴が空いていた。
ここから中に入るらしい。
「ここだけ取った見たいな感じ…」
僕が思わず呟くと、ヴェアーノさんは、その訳を答えてくれた。
「今じゃ一つのキャスート国だが、昔は東西に別れてたんだ。
生活はその時とても厳しかった。東はな。でも、ここの海を航れば裕福な西へ行ける。けど国はそれを許さない。けど亡命する人は減らなかった。そこで国はどうしたと思う?」
「…壁をここに作った?」
と、僕は壁を見つめながら言った。
すると、ヴェアーノさんは、ご名答。と少しフフッと笑った。
「さぁ。中に行くぞ。はぐれんなよ?」
と、先へと進んでいった。
僕も続いて少し走って追い付く。
追い付いたらヴェアーノさんと大体同じペースで歩く。
こんなに嬉しい、という気持ちになったのは初めて。かもしれない。
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15:宇宙サン
06/22 23:54:27
◆◇◆
「…で、ここが親とかがいねぇ子供を保護する場所だ。」
門を潜って少し行くと、綺麗に並べられた石レンガの建物があった。
建物には植物の小さな壁があり、建物の入り口付近の看板には、白い看板に金色の文字で、『アンデラ孤児院』と書かれていた。
「ぼ、僕もここに、ですか?」
「まぁ、行くところもねぇんだし。こん中に俺の友人がいるからそいつと話さねぇと分からない。じゃ、入るぞ」
と、言うとまた進んでいって、少し重そうな木のドアを軽々と開けた。
僕も続いて中に入る。
中は木で出来た、少し古そうだけど、とても綺麗だった。
奥からは子供たちの笑い声などが聞こえる。僕たちが入ると共に、丁度右側から職員らしき男性が出てきた。
「…なんだ?」
「こいつ。一応入れるか?」
と、言って僕の頭に手を置いた。
彼は、身長が高く、顔立ちもハッキリしていて、服の隙間から見える肌は健康さを表すかのように少し日焼けをしていた。
「空きはある。入るのか?」
「なぁ、お前はここで今は過ごしてもいいか?」
他に宛もないし、あまり迷惑はかけたくない。
僕には、YES以外の選択肢は無かった。
僕がはい。そう答えると、そうか。と言って手続きか何かを進めていた。
僕は近くのイスに座り、室内を眺めていた。
時計の針が3時を示した頃、丁度僕はこの孤児院の一人。となった。
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16:宇宙サン
06/28 20:35:34
◇◆◇
「で、ここが中庭だ。外には出れるが、あまり遠くへは行くなよ?」
「わかりました」
ちょうど夕暮れ時で、オレンジの光が辺りを照らし始めた頃、ここの案内をしてくれた。
ヴェアーノさんはまた明日来るそうで、家へと帰っていった。
ここは職員さんも優しく、大嫌いだった注射などを強要されない。
まさに、天国のような空間だった。
すると、ベルの軽い音が数回響きわたる。
「お、そろそろメシだな、帰るぞー」
と、言うと室内へと続くドアへ戻っていった。
僕も急いでその背中に追い付き、食堂まで足を運んだ。
食堂は、人はまぁまぁいたが、それほど騒がしくなかった。
トレーからお皿を取っていき、食べる…という形式だ。
僕の前を行く少女の真似をしながら、トレーなどを取っていく。
今日のメニューは豆のスープ、パン、野菜サラダ、麦茶だ。
栄養バランスが良く、そして様々な食材から香る匂いが食欲をそそる。
「いただきます!」
席に付いて、食べ始める。
今までの食事は平たいパン一枚だとか、トマト一個だとか。大体素材のまま食べてきた。
けど、調理された。なんて食べ物は初めてだった。
どれも食べたことない味。すべてが輝いてみえた。
そして、お風呂などを済ませて僕は眠りについた。
◇◆◇
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17:宇宙サン
06/29 19:13:15
「や、やめて!や、やだああああっ!!!」
白い機械だらけの部屋の中、少年は大声をあげて暴れる。
少年を取り押さえる職員。手のひらサイズの小さな注射器を持つ白衣を着た研究員。
この光景は異常な光景だ。
少年の目から一筋の涙が肌を伝い、床へと落ちる。
それと同時に、針は少年の二の腕をゆっくりと入り、薬品を注入した。
すると、少年の体はピタリ。と電池が切れたおもちゃのように止まる。
職員、研究員は嬉しそうな顔つきをしていた。
すると、突然少年の手のひらから氷が落ち始めた。
それは床に触れた瞬間、すぐに溶けて水になってしまった。
「やったぞ!成功だな!」
「ああ!次は…天候の実験だ、対象者は…」
少年は、力を失ったようにがっくりと首を落とし、壁にもたれかかる。
・・・
「あ、ああ…夢…?」
ベットで目を冷ました僕は、辺りを見回す。
昔の夢を見たらしい。しかも、僕の中で三番目くらいに悪い出来事の。
夢だけど、未だに心臓がバクバクと音を経て、眠りたくても眠れなかった。
けど、いつのまにか寝たんだ。
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18:宇宙サン
06/30 21:12:57
◇◆◇
ふと、目が醒めた。
いつ寝たのか分からないが、もう朝だった。
窓から朝日が差し込み、床を照らしていた。
僕はベットから降りると、部屋のドアを開けて廊下から食堂へと向かった。
今日の朝ごはんはスープ、サンドイッチだ。
昨日と同じようにご飯を取る。
少し熱いくらいのスープをスプーンに掬い、口に運んで飲む。
ほんのりトウモロコシの味がした。
サンドイッチを片手に取り、ぱくりと食べる。
シャキッとしたレタスの食感も、昨日のサラダとほぼおんなじだ。
そうして、僕は朝食を終えて、中庭のベンチに座り、ゆっくりしていた。
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19:宇宙サン
06/30 21:20:32
【浮かれすぎた
罪を償う】
(そういえば、あの雲魚みたいだな…)
そんなのんきな事を考えながら、背もたれにもたれながら空を眺める。
すると、僕の後ろ…街の方から、誰かの甲高い叫び声が聞こえた。
驚いて、すぐさま後ろを振り返ったその瞬間、少し大きな爆発音がした。
先程の空気と一変して、緊張した空気が流れる。
すると、僕の前の壁の一部がバラバラと音を経てて崩れた…いや、吸い込まれた。という方が正しいか。
「見つけたぞ」
曇った声。また、まただ。
あの時出会ったガスマスクの男。
今度は銃ではなく、右手には黒い、雲のような物体を持っていた。
「こ、来ないで、くださいっ…」
後ろに一歩下がる。僕が逃げるような態度を取ると、男は右手を前に付きだし、黒い物体を大きくしていった。
そして、数秒後には僕の頭くらいだろうか。そのくらいの大きさになった時、その玉を僕に向けて飛ばした。
親指と人差し指でデコピンし、それが少し速いスピードで僕に迫る。
僕は目を固く瞑り、心の中で強く願った。
(アイスッ…!!)
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20:宇宙サン
06/30 22:18:08
何かが当たる感覚は無かった。
目を開けると、僕の目の前には厚い氷の壁が出来ていた。
そして、あの黒い塊は氷の壁にキズを付け、壁に埋まっていた。
ガスマスクの男が軽く舌打ちすると、また塊を作ろうとしているのが氷越しに見えた。
僕もまた壁を作ろうとすると、また次の瞬間、ゴンッ、という鈍い音がした。
驚いて前を見ると、背の高い男性がガスマスクの男に回し蹴りをしていた。
男は地面に倒れ、両手を地面に押し付け、起き上がろうとするが、背の高い男性は背中をもう一度踏み、男の両手を掴んだ。
そして、腰に軽く括ってあった縄をほどき、男の両手を縛るとその辺に放り投げ、僕の方に駆け寄ってきた。
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21:宇宙サン
06/30 22:24:09
近くで見ると、白髪で青目、すらりとした高い鼻、左右対称の顔。
黒い上着を着た男性を一言で表すと、『美人』という言葉がお似合いだろう。
「ねぇ、大丈夫だった?」
優しい声でそう聞いてくる。
先程の事もあり、少し男性が怖かった。
「だ、大丈夫です…あ、えっと、ありがとうございます!」
慌てて頭を下げる。そうだ、僕は助けてもらったんだ。この人に。
すると、男性はふふっ、と笑い、僕の顔を優しくつかんで前を向かせた。
「良かった、で、君がフェリ君かな?僕はロア・アンデルナタ。ヴェア君に頼まれて迎えに来たんだ。」
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22:宇宙サン
07/01 11:04:39
ロアさんがそう言った直後、奥から見たことない職員さんが駆け寄ってきた。
そして、大丈夫か?と聞かれ、僕は頷いた。
その職員さんは、僕の前にいるロアさんを見て、先程の心配した表情とは一変して、口をぽかん、と開けてとても驚いた表情をしていた。
「さぁ急いで、もうすぐ馬車が行っちゃう。」
と、僕に言うとロアさんは僕の手を引き、引っ張っていった。
僕もそれに合わせて足を急がせる。
職員さんは、手を振ってお見送りしてくれた。
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23:宇宙◆JOjcr1b2YoRy
07/04 18:31:26
◆◇◆
「ヴェア君、この子だよね?」
馬車の前まで行くと、前にヴェアーノさんが待っていた。
「ああ、そうだ。さんきゅ。ロア」
僕をちらりと見ると、ロアさんに向かって礼をいい、ついてこい。と言うと、馬車へと入ってきた。
僕が最後に中に入ると、見たことない人が一人いた。
黒髪で着物のような服を着た女性だ。
女性は僕に気づくと、自己紹介を始めた。
「ああ、私は雨ノ宮 桜。隣のジパン国からやって来たの。宜しくね」
と、言われ手を出される。握手。だろうか。僕はその手を握り、握手をする。
腕には銀色の腕輪が袖の隙間から見え、ピンク色の宝石がはめてあった。
そして、僕も慌てて自己紹介をする。
「…あっ、僕はフェリ・アートです。宜しくお願いします」
出来るだけ前を向いて喋る。
けど半分…いや、この場全員はほぼ知らない人で、ちょっと威圧感を感じる。
すると、布がかかっていて見えない運転席側から子供の声が聞こえた。
「あ、フェリ君?ボクはエル・ブラウニー。ロッくんの弟なんだよ!」
元気に返してくれた。
見た目はどうなのだろうか。頭にイメージが少し思い付く。
予想…身長がちょっと僕より低いくらいかな?
と、想像して、口から笑みが溢れる。
その後は、色々な話をして過ごした。
港町へ付くのはもう空が赤く染まり、太陽の沈みかけた夕暮れ時だった。
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24:宇宙◇JOjcr1b2YoRy
07/05 18:13:22
馬車を降り、運転席側へと行ってみると、僕より少し小さいくらいの少年が座っていた。
髪はロアさんみたいな白髪で、目は吸い込まれそうな海の色。
彼は僕に気づくと、こちらへ寄ってきて、
「改めて。ボクはエル。それでこれがボクの相棒。エファって言うんだ!ボクの事はエルって呼んでね!」
言い終わる前に、エルさん…いや、エルが肩に下げた革の小さなカバンから何かが飛び出した。
飛び出したモノは、手のひらくらいの大きさの黒猫のような動物だった。
黒猫…エファは空中でくるりと回ると、二本足で立って僕を見た。
「えっと、だ、誰?」
と、首をかしげながら僕に言った。
僕は自分の名前を言い、宜しくね。と軽く会話すると、エファは納得したようにカバンへ帰っていった。
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25:宇宙◇JOjcr1b2YoRy
07/06 15:03:02
「じゃ、さっそく家に行こうか。」
ロアさんがそう言うと、皆さんはうなずいて大通りを進んでいく。
白いレンガの道。そして周りの建物は殆どが白色で出来た町だ。
微かに海の塩の匂いが香る。
町行く人々は、日焼けしたような小麦色の肌の人が多く、僕がいた孤児院周辺とは少し違った。
少し歩くと、周りと同じくらいの大きさ白い建物の前に皆さんは止まった。
すると、僕も自然に足を止め、その建物を見る。
すると、エルさんが一歩前に進み、僕たちにこう言った。
「で、ここがボクの家…いや、皆の家だよ!」
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26:宇宙◆JOjcr1b2YoRy
07/09 19:45:46
「エ、エルの家…?」
僕が呟くと、隣にいたロアさんが、
「まぁ、でも父さんの家なんだけどね」
と、冷静にツッコミを入れた。
ヴェアーノさんは呆れながら、早く荷物片付けるぞ。と言って玄関へと歩いていった。
ドアは大人二人が一斉に入れるくらいの大きさで、白色の爽やかなドアだった。
ドアの鍵をエルさんが手慣れた手付きで開けると、…中の光景に、僕は驚いて固まった。
そこはとても広く、そして天井も高い。家具は綺麗に手入れされており、配置の仕方もとても整っていて、綺麗だった。
壁にかけてある美しい女の人の絵画、小物の全てまで輝いて見えた。
こんなに広く、家庭感のある家なんて、僕は初めてだった。
僕が見とれていると、桜さんが背中をポン。と叩いて、僕にこう言った。
「何かしこまってるの。貴方も私達の仲間なのよ?楽しく行きましょうよ」
僕は深く頷いて、中へと進んでいった。
喉の奥が熱くなり、はい。とかそういう返事は出来なかった。けど。
せめて、足手まといにならないくらいに頑張ろう。そう思ったのだ。
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27:宇宙◆JOjcr1b2YoRy
07/13 16:42:54
◆◇◆
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28:宇宙◆JOjcr1b2YoRy
07/13 16:48:12
【
新天地には出会いアリ】
引っ越しも終わって数日たった頃。
突然ヴェアーノさんが花屋に行きたい。と言って、その時家にいた僕が行くことになった。
玄関を出て、鍵を閉めると出発。
今度は、前馬車に乗って来た道とは別の方向へと向かう。
市場の店からは様々な声が聞こえ、活気が溢れていた。
不思議な置物や、新鮮そうな魚がならぶ魚屋。
それらを眺めながら足を進めていると
とある店の前で、ヴェアーノさんが足を止めた。
その店は、薄い水色の壁をした明るい花屋さんだ。
外にいた若い店員さんが、いらっしゃいませ。と声をかけてくれた。
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