Photographer: Bloomberg Creative Photos/Bloomberg
34兆円運用会社、円保有引き上げ米国債と逆転-対ドル値上がり確信
John Ainger-
ラッセル・インベストメンツは円を引き続き避難先通貨として信頼
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ポートフォリオ内の円の割合11.5%、米国債は7.5%
円は今月、G10通貨の中でパフォーマンスが最悪となっているが、約3000億ドル(約33兆8000億円)を運用するラッセル・インベストメンツは逃避先通貨としての円に引き続き信頼を置いている。円が対ドルで1月以来の安値を付ける中、ポートフォリオで持つ円の比率を引き上げて米国債と逆転させた。
同社のアンコンストレインド・マルチアセットポートフォリオにおける円の割合は現在11.5%で、米国債は7.5%。年初はそれぞれ3%と5%だった。
米中通商摩擦が全面的な貿易戦争につながるとの懸念や欧州の政治混乱は、比較的安全とされる資産への逃避を促してきたが、円はその恩恵をこのところ受けず、オプション動向もトレーダーが円上昇を確信していない状況を示唆する。だが、ここまで安くなれば、反転は近いとラッセルはみている。
同社のシニアマネーマネジャー、デービッド・ビッカーズ氏は円について、「最も敬遠されている通貨の一つで投機のポジションもかなりショートとなっているので、逆張り指標としては良好だ。世界中が下落に向かう中、ポートフォリオに値上がりするものを持つのは良いことだ」と語った。
円は今月これまでに対ドルで1.5%前後下落、1ドル=112円50銭近辺で取引されている。ラッセルは日本銀行による超緩和的な金融政策の修正もあれば円を押し上げると予想。ドルに対しては中立からネガティブな姿勢だ。
原題:Yen Trumps Treasuries for $300 Billion Investor Amid Trade Spat(抜粋)
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