皆さまこんにちは、ボーイング777機長の松岡です。
9月下旬にフライトでフランクフルトに行った際、たまたまモーターショーが開催されていました。東京でも今まさに、モーターショーが行われています。
最新技術を取り入れた新しい自動車を見ていると、わくわくしますね。今回は、そんな新車のお話しです。
日本航空では、2019年度に最新鋭のエアバスA350を導入予定です。昨年の11月下旬に、羽田空港の日本航空整備ハンガー内で内覧会が行われました。運良くその内覧会に参加することができましたので、その際撮影した写真を紹介させていただきます。内覧会ではパイロット限定で、コックピットの操縦席にも座ることができました。その時感じたわくわく感を、少しでもお伝えできたらと思います。
エアバスA350 全景
エアバスA350は全体的に曲線や曲面を強調した、近未来的な印象を与えるデザインです。
私が初めて乗務した機種は、ボーイング747でした。2階建てのためか、正面から見るとやや下ぶくれの愛嬌ある顔をしていました。
ボーイング747F(貨物用機材、アラスカアンカレッジにて)
現在乗務しているボーイング777は、直線的でシャープな印象があります。
ボーイング777
エアバスA350は、前方のコックピット周りも優しい曲線で構成されています。
エアバスA350 コックピット周り
エアバスA350のエンジンは、日本航空では初めてのロールスロイス社製です。
エアバスA350 エンジンと胴体周り
主翼端にはウィングレットが装備されています。ウィングレットとは、主翼周りの渦の形成を押さえ、燃料効率を高める働きがあります。このウィングレットも、エアバスA350では曲線を強く意識したデザインになっているようです。因みにボーイング777にはウィングレットは装備されておらず、レイクド・ウィングチップという形状が採用されています。これも直線的な印象のデザインです。
エアバスA350 主翼端ウィングレット
機体後部も、ボーイング777と比較して曲線的なやわらかな印象を受けます。
エアバスA350 機体後部周り
ボーイング777 機体後部周り
機体を外から眺めているだけでも、エアバスA350の美しさに見とれてしまいました。そしてその感動と興奮は、コックピットの操縦席に座った時に最高潮となりました。液晶画面が全面に取り付けられたデザイン。なによりボーイングの機材に必ずあるはずのものがない!・・それはパイロットの足の間にある、コントロールホイール、即ち操舵輪です。代わりにパイロットの正面には引き出し式のキーボードがあります。操縦は、外側に取り付けられたサイドスティックによって行うことになります。
内覧会の後、エアバスA350の機体は足早に、次の目的地に向け飛び去っていきました。JAPAN AIRLINESのロゴと鶴丸マークを身にまとったエアバスA350の姿を、早く見てみたいと思います。