PS細胞でノーベル賞を受賞した山中教授の著作やインタビュー記事を私はよく拝読します。最初はノーベル賞を受賞するような人はどんな仕事をしてきたのだろうか?という興味本意でしたが、著作を読んでいるうちにその人柄に惹きつけられて山中教授の記事を見つけると自然と目がいってしまいます。今日は山中教授のインタビュー記事の一節から大人の学び方について考えてみたいと思います。
目次
研究者として成功する秘訣はVW
山中教授は研究者として成功する秘訣としてこんなことを話されていました。
アメリカのグラッドストーン研究所に留学していた頃、当時の所長のロバート・メリー先生から「研究者として成功する秘訣はVW」と言われたことが残っています。VWとは「Vision」と「 Work Hard」。汗を掻き一生懸命働くことと同時に、長期的目標を持つことが大事だという教えです。 引用元:PRESIDENT 2018年7/16号
山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた (講談社+α文庫)
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ハードワークと方向性が大切
人の成長の7割は経験です。経験を糧として成長していると言っても過言ではありません。だからハードワークすることはどんな分野でも成長するには大切な要素となります。しかし、どんな経験でもハードワークすればいいのでしょうか?それは残念ながら違います。もう一つ大切なのはVisionです。長期的目標です。何故、長期的目標が大切かというと、意識しないとストレッチした経験ができないからです。同じ経験を繰り返すだけでは人は成長しません。ストレッチした経験をするからこそ人は成長します。だって未知の経験に対応するために自分自身の能力やスキルをあげようとするからです。だから大人は学ぶときに受身ではダメなんです。誰かに教えられるのを待っているようでは成長できません。積極的に自分から未知の経験を獲得する能動性が求められます。
ビジョンは楽しいこととリンクする
前述したように、大人の成長には長期的目標、すなわちビジョンが必要です。ただビジョンが心底、自分がやりたいことでないと続きません。お金のため、名誉のため、出世のためだけだと続かないと思います。好きで好きでたまらないことであれば、側から見たら大変だなと思うことも、本人は全然苦でないですから。だから、ビジョンを掲げるにはまず自分自身の内なる心を聞くことが大切でもあります。
仕事で楽しいことがない場合は、嬉しいことを探してみる
でも、現在の仕事で楽しいことなんて一つもないという人も多いと思います。生活がかかっているのに、今更、自分の好きな仕事を見つけるなんて余裕はない!というケースが圧倒的だとも思います。そんな時は、現在の仕事の中で「嬉しかったこと」や「やり甲斐」を感じたことを思い出してみてください。私は人から感謝されたときに仕事で嬉しさを感じます。私は初めから今の仕事を目指しているわけではありませんでした。むしろ会社に不満を持って辞めたいと真剣に考えたこともあります。でも、お客さまやメンバーからの感謝の言葉をもらうのが嬉しくて今の仕事を続けてきました。その結果、天職だと思えるようにまでなりました。人のために仕事することが、いつの間にか自分の楽しいこととつながるなんてこともあると思います。