アインズ様の無礼講   作:おt
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深夜テンションで作ってしまった、、、


アインズ様の無礼講Ⅱ

薄暗く、そこまで広いとは言えない空間。そこに10体の影がある。

 

「楽しみですねー!アインズ様!」

 

「ぼ、ぼくも今日は頑張ります!」

 

「ふふっ。アウラ、マーレ。私も今日は楽しみにしていたぞ。ただ、これはあくまでレクリエーション、肩の力は抜くんだぞ」

 

その10体の影とは、ナザリック地下大墳墓の守護者統轄や階層守護者、執事に領域守護者など力の桁が狂った者達ばかりである。そして、それらの異形を束ねるアインズ・ウール・ゴウン。彼は、長いテーブルの所謂、お誕生日席に座していた。部屋には大きなテレビが目まぐるしく映像を映しては、別の映像に切り替わっていく。そして、手元にはタブレット端末。これは、テーブルの上に3個ほど置かれいる。

 

「よし、皆も席についたようだし開始するとしよう。デミウルゴスよ。」

 

「はっ!では、これより第一回ナザリックカラオケ大会を開会します!」

 

そう、彼らはカラオケboxに訪れていた。

これは、アインズが頭脳を使うことなく部下達とコミュニケーションを取ろうと考えた(頭脳を使うと無能ぶりが露呈すると考えて)結果、行われたレクリエーション大会である。

 

「歌う順番はどういたしましょう?当~然!アインズ様はトリを飾って頂きますので、他の者達でくじでも引いて決めてよろしいでしょうか?」

 

「う、うむそれで良いぞアルベド」

 

アインズ的にはそこまで期待してほしくないが、自分もくじを引きたいと言える空気でもないのでアルベドの提案に詰まりながらも許可を出す。

 

◆◆◆◆◆◆◆

 

 

「くふふふ。今大会のスタートを切るのはこの私、アルベドからよ!あぁ、アルベドで始まりアインズ様で終わる、、、何と素晴らしい采配なの!やはり、二人は運命「早く歌えや大口ゴリラぁ!順番で言ったら、私はアインズ様の手前でありんす!アインズ様に歌のバトンを渡す、、、私の方がそなたより重要な役割ではありんせんの?」

 

「あら?何を戯言ぬかしているのかしら?この鰻は。あなたの下手くそな歌がアインズ様のアシストに足るわけないじゃない。少しは、入っていない脳味噌で考えてくれないかしら?」

 

「何だとぉ?」   「やんのかぁ?」

 

「ミグルシイ!御身ノマエダゾ!」

 

「申し訳ありません!」 「お許し下さいっ!!」

 

コキュートスの声で少し冷静になった二人が頭を下げる。

 

「はぁ、助かったぞコキュートス。アルベドにシャルティア、今日はレクリエーションだ。はめを外すのは良いが度を過ぎると私も見過ごす訳にはいかなくなってしまう。そうだな、、、今日はカラオケに来ているのだから歌で勝負するんだな。それなら平和でいいではないか」

 

守護者達の目にやる気の火が灯る。アインズとしては、ケンカはするなよ?と釘を打つ程度の注意だったが、そこはアインズを敬愛する下僕たちである。歌で勝負しろと言われて、やる気が天限突破する結果になった。

 

「普段は執事として影に徹するのが勤めでありますが、本日は、歌でアインズ様をホストとして楽しませて差し上げたいものです。」

 

「私とマーレだって皆に負けないもんねー!ねぇマーレ?」

 

「も、勿論だよお姉ちゃん!僕達が一番上手だったってアインズ様にほ、誉めてもらえるように頑張ろうよ!」

 

「ふふふっ。気合いが入っているところに悪いけど私の歌をいれさせてもらうわ。」

 

アルベドがデンモク(歌を予約するタブレット)を操作する。

 

ピピピー「会いたくて会いたくて 西野かな」

 

ーアルベド歌唱中ー

 

アインズ「綺麗な歌声だな。ビブラートが聞いていて心地よい音色だ」

(でも、何か歌詞が意味深すぎない?アルベドって設定いじったせいかヤンデレ気味な気がする、、、)

 

デミ「サビにアインズ様への愛をのせているのが感じられますね。彼女らしい選曲です。」

 

ー歌唱終了ー

「はぁ、はぁ、どうでしたか?アインズ様!!私の溢れる愛は届きましたでしょうか?」

 

「う、うむ心に響くいい歌声だったぞ」

 

「くふー!優勝は、アインズ様で決まっているので、やはり、準優勝はわ・た・く・しで決まりですねー!?」

 

(アルベドさんこれ以上ハードルは上げないで、、、ってえぇー!軽く歌って終わろそうと思ってたのに準優勝も決めないといけないわけ!?)

順位を決めるのはいいが、理由も説明しなければならない。歌の優劣があまり分からないアインズには厳しい注文である。

 

「では、アルベドが終了したので次は、私でございますね。いえいえ、マイクは必要ありません。私はこれを使います。」

 

デミウルゴスはアルベドからマイクを受け取らず、足元のケースからバイオリンを取り出す。

 

ピピピ

ー来たれ、汝甘き死の時よ 第五奏 ヨハン・セバスティアン・バッハー

 

ーデミウルゴス演奏中ー

(うわぁ、カラオケで歌わないでバイオリンって中二病だなぁ。さすがはウルベルトさんの子供だなぁ。まぁ、普通の中二病ではバイオリンは弾けないけどな)

 

セバス「さすがはデミウルゴス様。普段の残虐さが息を潜めたような柔らかい演奏ですな」

 

(セバス?お前、遠回しにケンカ売ってるよね?)

そんな、ディスられた本人のデミウルゴスは気持ち良く演奏していてセバスが眼中に無かったのは幸いである。

 

ーデミウルゴス演奏終了ー

「見事だったぞデミウルゴス。まさか、カラオケにきて一流のバイオリン演奏に立ち会えるとは思ってもいなかった」

 

「過分な評価、身に余る光栄でありますアインズ様!特にこの曲はアインズ様が痛く気に入っていると私は判断して準備したのですが如何だったでしょうか?」

 

(気に入っている?俺が?こんな曲初めて聞いたけどな、、、)

アインズはデミウルゴスが演奏した曲の詳細情報を調べる。

(なになに、「来たれ、汝甘き死の時よ」はドイツの曲で、、、全6曲からなる教会カンタータ、、ふむふむ、

一曲目「来たれ、汝甘き死の時よ」、デミウルゴスが演奏してたのは五曲目だよな?五曲目、、げぇ!!)

アインズは悲鳴を心のうちに留めた自分を誉めたい気持ちでいっぱいだった。

(五曲目「我が神の望みとあらば」!!ま、まじか~。俺、デミウルゴスに中二病と思われてるの!?まぁ、パンドラが良く使うしな、、パンドラっ!!)

そう、アインズは失念していたがこの場にはパンドラも参加している筈である。そして、こんなパンドラにとって最高に美味しい曲にパンドラが何も反応見せず、存在を忘れるほど空気なのである。完全に異常事態である。

 

「デミぃウルゴス様の演奏により場が最高の空気になぁりました!!次は、私↑↑パンドラズアクぅターでございます!我が神!!アインズ様に捧げる私の歌を是非、御堪能下さい(キメ声)。」

 

(うわっ!!!!だっさいわー!!)

アインズに精神抑制の大波が訪れる。それは、パンドラの中二がかった名乗りを見たのもあるが、プラスして自分の番の名乗りをより目立つ物にするために今まで存在感を消していたことも理解してしまったからである。

(うわーうわぁー誰かぁ俺を殺してくれぇぇえ!!)

外見ではいつもの堂々とした態度を崩しては居ないが、アインズのライフは、ごりごりげすれていた。

 

「わぁたくしが今から歌うのはアインズ様にまぁさしく相応しいと言える歌!!でございます!こちぃらです!」

ピピピ

ー魔王 ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテー

 

ーパンドラ熱唱中ー

(ぐはぁ、ドイツ語だとぉ)

やめて!アインズのライフはもう0よ!

 

アウラ「なんか、パンドラって格好つけって感じだよねぇ」

 

シャル「不本意ではありんすがそこはちび助に同意でありんす。まぁ、私は中々面白いとも思いんすがね」

 

女性守護者の引いた言葉がアインズに死体蹴りをかます。そんな状況でも生きる黒歴史はアインズを瀕死に追い詰めつつ、最高にハイだぜ!と言わん態度で最後まで歌い切った。

 

ーパンドラ歌唱終了ー

「い↑か↑が↑だったでしょうか?アインズ様~」 

周りの守護者の目が痛い。

(止めてくれ。そんな目で俺の黒歴史を見ないでくれ)

 

「す、素晴らしかったぞ。パンドラズアクター、、ホントに」

 

(後でドイツ語で歌うのも禁止にしないとなぁっ!パンドラズアクターぁ!!)

 

◆◆◆◆◆◆◆

その後、アウラ、マーレの「まるものおきて(ダンス付き)」によりパンドラに削られたライフを回復することに成功、そして次のコキュートスの硬質ながら、コブシの効いた演歌を堪能していたアインズだったが、、、

 

「次は私の番でごさいますね」

 

「セバスは何を歌うんだ?渋い声を持っているしラブソングなどを歌うのか?」

 

(ツアレを外から嫁にした行動派リア充だしな!!嫉妬

いや、意外にたっち・みーさんの好きだった戦隊ものもありえるな!)

 

「いえいえ、私はたっち・みー様が私に見せてくださった正義の味方の歌に致します。」

 

「たっち・みー様ガ見セテクダッサタモノノウタカ。確かに気ニナルナ。」

 

ピピピ ー愛をとりもどせ! クリスタル・キングー

(正義の味方ってそっちかよ!!!!)

 

ーセバス歌唱中ー

コキュートス「熱ク、闘争本能ヲ掻キ立テラレル歌ダナ。たっち・みー様ガ推薦サレルノモ理解デキル。」

 

パンドラ「素晴らし~い高音ですね!!そして、熱い!!まさしく!我々のゥアインズ様への忠義のようですなぁ!!」

 

アルベド「セバスってあんな声だせるのね、ちょっと意外だわ」

 

(意外なんてレベルじゃねーよ!この声はどっちかというとopよりナレーションの人だよっ!ってかたっちさんセバスをモンクにしたのはこのアニメに影響をうけたのか?)

 

ーセバス歌唱終了ー

「す、素晴らしかったぞセバス。うん、いやうむ間違いない」

 

「ありがとございます。たっち・みー様が私にこの映像と歌を授けてくださった深淵なるお考えは理解することは出来ませんが、アインズ様にお褒めを頂けて感激の極みでございます。」

 

多分、モンクの動きとかを設定の時に確認するためとかに見たんだろうなとアインズは思ったが、たっちさんの深淵なるお考えを読みきれずに少し顔を歪めたセバスにたっちさんの深淵なるお考えを教えて下さいとか言われても困るので相づちを打つに留める。

続いて、シャルティアがエロゲのテーマソングを熱唱。

歌詞にはふんだんに18禁な単語が使われていたのでアウラとマーレの前では勘弁してほしいところではあったがノリノリで歌うシャルティアを見ると叱るに叱れず、全部あの鳥野郎が悪いということでアインズは平静を保った。「ペロロンチーノ!!」と何回か叫んだが、、、

 

◆◆◆◆◆◆◆

「守護者のメンバーは全員歌い終えました!!ですので次は恐れ多くもアインズ様の順番でございます。」

 

守護者達は期待に満ちた目でこちらを見てくる。それに対しアインズは、フッと鼻を鳴らし過去を懐かしむ様な仕草をとった。まるで今から歌う曲はアインズの失われた過去を思い起こすものであるかのように、、、

(やべぇーまだ、なに歌うか決めてない!)

無論、時間稼ぎである。アインズはこの会が始まる前から歌う曲は決めていた。ユグドラシルのテーマソングである。しかし、このテーマソングは付属CD についていたものなのでNPC 達は聞いたことがないかも知れないということを会が始まってから気付いてしまった。アインズ的には、聞いたことある曲なら2割増し位で上手く聞こえるよね?という考えのもとの選曲であるから大失敗である。

(どうする?何が最善だ!?考えろアインズ・ウール・ゴウン!)

しかし、何も代案は思い付かない。もうそろそろ、時間稼ぎのポーズが限界になりはじめた時、、、

 

ドゥドゥットドゥルドゥルン

(何だ!!体が勝手に!) 

「答えはどこへーイエイエ探してぇーイエイエwhere ,s mysoulー!!」

 

アインズは自分の身体が勝手に動いて知らない曲を完璧なノリで歌うという異常事態に直面していた。

尚、ポーズは某opの様に非常に様になっていたため守護者達は大興奮である。

(何?これ!?どういうことなの?)

アインズの混乱は収まらないが曲は続いていく。

「どこまででーもこーの足が行くかぁーぎりwhere ,s my soul !!」

 

歌い終わったアインズを迎えたのは、大拍手の渦であった。

(なんか、良くわかんないまま歌い終わってしまった)

こんな、意味不明な精神攻撃など聞いたことがないので敵の仕業ではないと思うが、、、

 

「いやーモモンガさんマジでノリノリだねぇ」

「踊る骨マジシュールwwww」

「モモンガさんマジモモンガ笑」

 

扉の方から懐かしい声がする。

「えっ!!もしかして、、ぶくぶく茶釜さんにペロロンチーノさん!それにるしふぁーさんまで!!」

 

そこには、久しく会っていなかった異形達の姿があった。

 

「モモンガさんおひさー」

 

「本当にお久しぶりです!!もう二度とあえないかと、、、」

 

モモンガは嬉しさのあまり三人に駆け寄る。すると

パカッ

床が割れてモモンガは深い穴に落ちていってしまった。

 

◆◆◆◆◆◆◆

「うーん、、うーん」

 

「アインズ様!お目覚めになりましたか!?」

 

アインズが目を覚ますとそこは9階層の自室のベットの上であった。

 

「あれっ!?ぶくぶく茶釜さん、ペロロンチーノさんにるしふぁーさんは!?」

 

アインズの言葉を聞いたシクススは少し悲しそうな顔をして答える。

 

「現在、ナザリック地下大墳墓に居られます至高の御方はアインズ様、御1人でございます。」

 

「そ、そうか、、、シクススよ。これはどういう経緯で私がベットに寝ているか聞いても良いか?何分、少し前の記憶が無くてな」

 

アインズは正直、何が何だか分からないのでまずは、状況を尋ねてみる。シクススが言うには

アインズが先日、酔っぱらい騒動を起こしてしまった原因である完全なる狂騒の山(inるし★ふぁーの部屋)を片付けようとしたのが原因であるらしい。前回は手に持ってしまった完全なる狂騒プレミアムが効果を発揮してしまった教訓を活かして、今回は魔法を使い完全なる狂騒を片付けていたのだが、なんとその中には魔法に反応する完全なる狂騒プレミアムが存在していたらしい。さすがはギルド一の問題児、抜かりない犯行である。どうやらその完全なる狂騒プレミアムは酔いの代わりに睡眠のバッドステータスが込められいた様なのでアインズは今までベットに寝ていたということである。

(あんなに貴重金属を使用するアイテムを2個も作っていただとぉ、、、ぐはぁ)

前回のアイテムもそうだったが、るし★ふぁーのレア素材の使い方は遠慮というものが存在していない。しかもそれをイタズラにつかうのだからさらにたちが悪い。

しかし、今回はアインズの機嫌は少し良かった。久しぶりに夢を見るほど熟睡できたというのもあるが、夢の中とはいえギルメンに会えたのが大きかった。

(もうちょっと、皆と話したかったけどなぁ、、、まぁアインズ・ウール・ゴウンの名を世界に轟かせば現実にも会える可能性はでてくるはず!今はそこに集中しよう)

その後、夢の内容を反芻してみると守護者達の言動は自分で考えたものであると気付いて恥ずかしさの余り、悶絶してしまった(一部は夢で良かったと思ったが)アインズだったが、今度の機会に守護者達とカラオケ大会を開くのは良い案かもしれないと心のメモ帳に記しておいた。尚、夢ではあったがパンドラは一発殴っておくかとも考えたアインズだった。

 

 




アウラ&マーレ「あんなに頑張るアピールしたのに歌ってるシーンカットとか、、、」

コキュ「ソレヲ言ッタラ私は曲名スラナイゾ。」

シャル「アルベドは歌ってるシーンあったでありんすのに、、、」

この三人は詳しく書いても作者の文章力では面白くなりそーになかったのでカットで笑 

ー捕捉ー
「会いたくて会いたくて」
=重たい恋の歌。会いたくて会いたくて震えるというサビは余りにも有名。

「来たれ汝甘き死の時よ」
=第5曲に皆大好きパンドラの決め言葉 わが神の望みとあらば(Wenn es meines Gottes Wille)が出てくる。

「魔王」
=ストーリがある歌。ドイツ語は凄い力強く感じる。日本語版もあって中学校でならうところは習う。

「愛をとりもどせ!」
=北斗の拳のop。意外と短い。fullverでも3分くらい。

「Clattanoia」
=アインズ様が歌ってた曲。知らない人はアニメオーバーロードを今すぐ見よう!!(迫真)



ウキヨライフ様、誤字報告ありがとうございます。






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