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本連載は、freee創業者・代表取締役CEOの佐々木大輔著、書籍『「3カ月」の使い方で人生は変わる Googleで学び、シェアNo.1クラウド会計ソフトfreeeを生み出した「3か月ルール」』(日本実業出版社刊)から、一部を抜粋、編集しています。
「何かをつかめる、何かが変わる」そういう感触を得られるのが「3か月」という時間で、そこで「1つのテーマ」に取り組むことを繰り返すことで、誰でもイノベーションを起こせる可能性が開けると、本書で著者は説いています。
本連載では、そのエッセンスを、7回に渡って紹介します。
■書籍『「3か月」の使い方で人生は変わる』からエッセンスを紹介
3カ月で結果を出す。
Googleで働いていたころ、みんなこのサイクルを意識しながら仕事をしていた。なぜなら、Googleでは四半期ごとの管理が徹底していて、3カ月で成果を出せない人やプロジェクトは、どんどん忘れ去られるからだ。Googleには、そういう暗黙の了解があった。
実際に、プロジェクトも人事も3カ月単位で変わることが少なくない。結果が出せない場合、突然予算がなくなるといったことは平気で起こり得る。極端な話、3カ月後には方針が変わって、自分のチームがなくなる可能性だって十分にある。「腰を据えてやりたかった」と、それが合わずに辞めていく人もいた。
僕は、Googleの「3カ月サイクル」を目の当たりにしたとき、3カ月間の時間の流れが新卒で入った広告代理店での2年半にも相当するような、圧倒的なカルチャーショックを受けたことを、今でもよく覚えている。
僕がGoogleで中小企業向けのマーケティングを担当していたころ、施策を打つのに「これだけの予算がほしい」と上司にかけ合ったことがある。すると、上司は希望していた額以上の予算をポンと出してくれた。「もっと使え」というわけだ。はっきり言って、使い切るのが大変だと思うほどの金額だったので、最初は驚いた。
Googleのマーケティング組織では、「他の地域や国でうまくいっていることは、取りあえず何でも試してみよう。他の誰よりも早くやってみよう。そして、結果をみんなにシェアしよう」という文化があった。これは「スティール&シェア(steal & share)」と呼ばれていた。
僕もそれにならい、十分な予算もあったので、いいと思われる施策はスピード感をもってどんどん試してみることにした。そうやって予算を思い切って使い、どこかのマーケットで証明された成功事例をひたすら試していくうちに、3カ月間で見えてくるものがいっぱいあった。
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