(英エコノミスト誌 2018年7月7日号)
世界最大の商業的バトルが始まっている。
これは世界最大の「商戦」だ。
FAANG(フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、アップル、ネットフリックス、グーグルの親会社アルファベット)と称される米国勢と、BAT(バイドゥ=百度、アリババ=阿里巴巴、テンセント=騰訊)と呼ばれる中国勢の真っ向勝負である。
いずれも世界最大級の企業であり、その株式時価総額は合計で4兆ドルを上回る。戦いの舞台は、世界で最も有望視されているいくつかの市場だ。
ではいったいなぜ、このバトルはこれまであまり注目されてこなかったのか。
目立たなかった理由の1つは、戦いが行われている場所にある。各社はこれまで、本国での勝負を避けてきた。
また、貿易摩擦が強まっているため、お互いの地元で対決する公算はさらに小さくなっている。
実際、アマゾンとアップルを除けば、FAANGはすでに中国からほぼ締め出されている。米国も、中国企業に対しては障壁を築きつつある。