住宅価格高騰にあえぐ香港の若者たち、「ナノフラット」やシェアハウスも
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【7月12日 AFP】住宅価格が高騰し続ける香港(Hong Kong)では今、若い社会人たちが、おしゃれな解決法として売り込まれている「ナノフラット」と呼ばれる極小スペースや共同住宅で暮らすようになってきている。
狭い土地に建物が密集するこの都市では、最新設備を整えたしゃれた狭小マンションが次々に出現しており、魅力的でより手頃なライフスタイルの選択肢として売り出されているが、その価格はやはり驚くほど高額だ。
金融の仕事をしているエイドリアン・ロウ(Adrian Law)さん(25)は、高級化が進む西営盤(Sai Ying Pun)地区の新規開発エリアにあるマンション内の小さなワンルームを2年前に600万香港ドル(約8500万円)以上で購入した。
ひょろっとしたガラス張りの建物には各階に4つの住戸があり、そのうちの一部が215平方フィート(20平米)未満の部屋を指すナノフラットとなっている。
ロウさんの部屋はそれよりも大きい292平方フィートだが、価格は1平方フィートあたり2万香港ドル(約29万円)ほどだ。
限られたスペースを有効活用するため、机を収納できる折りたたみ式ベッドといった複数の用途を備えた家具を購入したり、持ち物の大半を実家に預けたりしている。
その一方で、指紋認証式の扉や洗濯機、テレビ、冷蔵庫の他、カーテンまで備え付けられている。ロウさんによれば、この部屋を買ったら必要なものがすべて付いてきたという。
ロウさんはAFPの取材に対し、「不動産開発業者らは、寝る場所が必要なだけで他のことはすべて外でできるというコンセプトを打ち出している」と話し、料理ができるほどキッチンは広くないため、食事は主にテイクアウトを利用していると語った。
ロウさんが投資目的でこのマンションを購入した時、物件価格の30%にあたる頭金は両親が負担してくれた。住宅ローンの月々の返済額は2万4000香港ドル(約34万円)、ロウさんの給与の約40%にあたる。