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三重

協定結ばず時間外労働 松阪のシルバー人材センター

 公益社団法人「松阪市シルバー人材センター」が、職員との間で時間外労働に関する労使協定(三六協定)を結ばないまま、職員に時間外労働をさせた疑いがあるとして、松阪労働基準監督署が今年一月、協定締結を求める是正勧告をしていたことが関係者への取材で分かった。

 関係者によると、センターで六十歳以上の登録会員に仕事を紹介する事務などを担当していた複数の職員が一月、「協定がないのに時間外労働をさせられ、その分の賃金が未払いだ」と労基署に申告。時間外に業務用パソコンを起動させていた記録を提出していた。

 労基署はパソコンを起動させていた記録と、勤務記録簿の間の労働時間に不一致があると指摘。センターに三六協定を結び、時間外労働の実態を調べるよう求めた。

 センターは一月中に職員との間で協定を締結し、労基署に届け出た。未払いを請求していた職員五人に対し、二〇一六年三月から今年一月までにあった計五百時間分の計七十四万円を支払った。

 協定を結んでいなかったことについてセンター理事長は「協定が必要なことは知っていたが、確認が不十分だった」と説明。ただ、時間外労働については「指示していない」とした。

 労働基準法は一日八時間、週四十時間の法定労働時間を超えて労働をさせる場合、あらかじめ労使間で協定を結び、労基署に届け出るよう定めている。センターは一九八八年に発足し、国や県、市の支援を受けて運営。地域の高齢者に公共団体や企業から依頼のあった仕事を紹介している。

 

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