第5回中日省エネルギー・環境総合フォーラムが10月24日東京で開かれ、程永華駐日中国大使が出席するとともに、「相互信頼の増進、未来志向、互恵・ウィンウィン」と題する基調発言を行った。
基調発言をする程永華大使
程大使は次のように述べた。省エネルギーと環境保護は両国の指導者が最も重視している協力分野の一つで、中日の戦略的互恵協力の重要な内容でもある。中国の人的資源と市場の優位性に十分依拠し、双方の省エネ・環境、グリーン・低炭素分野の協力の成長点をしっかり育てるのは、戦略的互恵関係を深化させるうえで重要な役割をもつことである。両国指導者の推進の下、両国政府省庁と企業の共同の努力の下で、中日両国は省エネ・環境分野の協力において実り大きい進展を収め、各分野の全面的経済・技術協力を効果的に引っ張るだけでなく、両国の戦略的互恵関係の一段の発展を効果的に推し進めた。
発言する程大使 会場の全景
程大使は次のように指摘した。目下中国は工業化、都市化の大事な段階にあり、経済発展パターンの転換を加速し、経済発展、貧困退治、民生改善と省エネ・原燃料消費削減、環境保護、気候変動対応を有機的に結合することは、科学的発展を実現するための必然的要請になっている。同時に、日本もポスト金融危機時代に景気の回復をはかる中で、低炭素産業を一層発展させ、省エネルギー・環境技術の応用を促進する課題を抱えている。両国の省エネルギー・環境協力の強化ではたくさんのことができる。伝統的省エネ・環境分野でより密接な協力を進める必要があるだけでなく、地球規模の気候変動への対応や低炭素経済の発展など、新しいタイプの環境保護分野でも一層広い協力の余地があり、引き続きそれを広げていくべきである。中国には豊富な人的資源と巨大な市場があり、日本の技術、製品と経験は中国の人的資源や市場と結びつくことによって、技術の研究開発と経済の発展を一層効果的に促進できるものと信ずる。
発言する日本の大畠章宏経済産業大臣 発言する張暁強国家発展・改革委員会副主任
程大使は次のように述べた。目下、国際情勢は政治、経済、環境、資源、エネルギーなど多くの面で、時代を画する大変革の最中にあり、新たな国際秩序と新たな経済成長モデルをたえず模索、探求する必要がある。低炭素技術とグリーン経済を発展させることは、国際経済の重要なすう勢となっている。中日両国は隣国であり、新しい情勢の下で、省エ・環境協力を重点に、二国間の経済、文化交流の強化を手始めにして、相互信頼を確実に増進し、意見の食い違いを適切に処理し、両国関係の大局を守るべきである。このことは両国の戦略的互恵関係の推進に極めて重要であり、アジア太平洋地域の安定と発展にも極めて重要である。
発言する近藤昭一環境副大臣 発言する蒋耀平商務部副部長
程大使は次のように指摘した。今回のフォーラムは中日関係が曲折を経、回復に向かっている情勢の下で開催された。ここで、情勢がどのように変化しようとも、中日の戦略的互恵関係を進める中国政府の基本方針が変わることはないことを再確認したい。中国側は日本の朝野各界と共に努力して、当面する困難を克服し、両国関係を早急に正しい軌道に戻すとともに、たえず改善し発展させることを願っている。双方が省エネ・環境など実務分野の協力を通して、両国の経済を共により大きく発展させ、中日が互いに依存し苦楽を共にするという両国国民の共通認識を増進し、両国の共通利益のきずなを強めて、中日関係の改善と安定した発展への新たな原動力を与えることを希望する。
発言する日本の池田元久経済産業副大臣 発言する張富士夫日中経済協会会長
フォーラムでは、日本の大畠章宏経済産業大臣、張暁強国家発展・改革委員会副主任、蒋耀平商務部副部長、日本の池田元久経済産業副大臣、近藤昭一環境副大臣および張富士夫日中経済協会会長があいさつまたは基調発言を行った。中日両国の政府関係者、専門家、企業家およそ1200人がフォーラムに参加した。双方は半導体照明と建築省エネ、循環型経済、自動車、低炭素、石炭と電力、中小企業省エネ、生活ゴミと汚水汚泥処理および中日両国の長期貿易など複数の議題について突っ込んで意見を交換するとともに、資源サイクルと低炭素技術モデル都市、インテリジェント交通情報システム、炭焼発電所の省エネ診断、都市ごみ汚水ゼロエミッション技術の研究開発など44の協力案件に調印した。
今回のフォーラムは国家発展改革委、商務部、駐日中国大使館と日本経済産業省、日中経済協会の共催。
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