安倍晋三首相の“酒盛り”後の西日本豪雨被害の現地視察に対し「タイミングが悪い」と批判の声が上がっている。

 政府は西日本豪雨被害に関する非常災害対策本部の会合で、災害対応に2018年度当初予算の予備費を活用する方針を示し、安倍首相が11日現地視察。羽田空港を飛び立ち、まず岡山県の上空から被災状況を把握し、同県真備町の河川堤防が決壊した浸水被害現場、爆発した総社市のアルミ工場、高梁市の土砂崩れ、倉敷市避難所などを視察し、被災者から要望を聞く。

 だが、この豪雨の初期段階の5日夜、安倍首相と自民党国会議員約50人が、宴会をしていたことが発覚、本紙既報のように大ブーイングが続いている。

 自由党共同代表の小沢一郎氏は10日「飲んで騒いでいたとか。議員としての資質と見識を疑う。長期政権のおごり高ぶりだ」と批判した。

 今回の視察は避難所の報道陣の撮影が不可の厳戒態勢が敷かれた。

 これに野党国会議員は「安倍首相は豪雨被害を甘くみた。大阪、兵庫、京都の3府県などの20万人以上に避難勧告・指示が発令されている時、酒盛りした様子は、ネット上に広がり非難の嵐だ。官邸が被災地視察の撮影をNGにしたのは、避難所生活を強いられる被災者から安倍首相が『帰れ!』と怒鳴られる様子を撮られるのを恐れているからだと思う」と話した。

 政府内からも“慎重論”が噴出した。

「被災地の現場に安倍首相が入るのはタイミングが重要。東日本大震災でメルトダウンの緊急時、福島第1原発を訪問し、大ひんしゅくを買った菅直人元首相の教訓もある。今回の豪雨被災者は安倍首相が現場に訪れることよりも一刻も早い行方不明者救出、支援物資の到着を待ち望んでいるはずだ」(政府関係者)

“招かざる首相”にならねばいいが。