当ブログにお越しいただき、ありがとうございます。元合唱部のあんがお送りする合唱曲シリーズ記事です。今回は小学校や中学校の合唱曲として有名な「COSMOS」の1曲のみを徹底解説していきます! 「COSMOS」は、小学校では卒業生の合唱曲としてよく歌われています。中学校では校内合唱コンクールなどでも人気の高い定番の名曲です。「COSMOS」の歌い方のポイント、コツなどについて概要や詳しくご紹介していきますね。
全力で歌って生命の燃える音を表現しましょう!それでは、よろしくお願いします!
「COSMOS」の概要
- 作詞・作曲:ミマス
- 編曲:富澤裕
- オリジナル曲は1998年結成の音楽ユニット、アクアマリンの曲。
- 「COSMOS」は宇宙という意味
1998年にアクアマリンというユニットからオリジナル曲が誕生しました。アクアマリンはボーカルsachikoさんとキーボードとギターを担当するミマスさんの音楽ユニットです。ミマスという名前から外国人かなと思いますが、2人とも日本人です。
その後、2000年に富澤裕さんにより混声3部合唱曲として編曲されています。オリジナルはハ長調ですが、合唱曲は3半音高い変ホ長調で編曲されています。現在では小学生用に同声二部合唱版や中高生向けに混声四部版も存在しています。
「COSMOS」は一般的には花の名前ですが、古いギリシャの言葉で「宇宙」という意味もあります。また「秩序」や「美」という意味もあるそうです。合唱曲の「COSMOS」は花と宇宙の両方の意味から世界観を広げていった歌詞をもつ曲でもあります。その世界観の広大さを感じながら歌ってほしい曲です。
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「COSMOS」の歌い方のポイント・同声二部編
同声二部は小学生向けか、小人数の女声合唱団などに適した編曲です。初心者合唱団の入門用としてもいいと思います。適度に掛け合いもあり、ハーモニーの美しさもあって大変バランスのいい曲とも言えるでしょう。
それでは、本題の「COSMOS」の歌い方のコツ・ポイントを解説していきますね。
1番:Aメロ~Bメロのポイント
♩=84程度のゆったりとしたテンポの曲です。Aメロはユニゾンで始まります。ユニゾンですが音量は抑えて歌いましょう。低い音で地声になってしまわないように注意が必要です。やさしい裏声を使って歌ってください。
Aメロの2回目からは掛け合いが始まります。低音部が半拍だけ先に歌い出す部分がありますが途中で主旋律の高音部と合流する形になっています。このパターンの編曲は編曲者の富澤裕さんが好きな手法です。半拍ずらす部分と合わせる部分のタイミングがしっかり合うようにしましょう。油断していると思わず主旋律と副旋律が一緒になってしまいますので注意してください。
Bメロからはややボリュームを上げて盛り上げていきましょう。短めのBメロですが「ながれてる~」の部分からしっかりクレッシェンドをかけてサビへの布石としていきます。伸ばす音でクレッシェンドをかけるためには、直前のブレスを深くとるのが大事です。
1番:サビのポイント
サビからはハーモニー勝負になります。声量もフォルテになりますので、Bメロからのクレッシェンドからつなげて一気に声量を最大限で開放してください。
サビの出だしは高音部が高いミ♭、低音部がソになります。少々離れているので逆に音取りはしやすいと思います。ここをきれいに決めるのがポイントになりますので、パート練習をしっかりとして、音を外さないように気を付けましょう。
サビの低音部は同じような音程が続きます。単調にならないようにしたいです。特にサビ最後の「みんな みんな」の部分はそれまでのフォルテから音量を下げて、優しく歌って残響感をもたせたいところです。
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2番:Aメロ~Bメロのポイント
基本的には1番と同じですが、2番のAメロの出だしは高音部のソロになります。強弱記号はピアノですが、パートが減りますので一気に弱くなりすぎないように気を付けましょう。気持ちやや強めに歌うぐらいでちょうどいいと思います。
2番:サビのポイント
2番のサビの後半には転調が待っています。半音上がりますので、高音がしっかりと出せるように裏声の練習はしっかりとしておきましょう。裏声で声量を確保するには慣れが必要です。また、ブレスもより深くしなければいけません。
ここも、最後の「みんな みんな」の部分は声量を抑えて優しく歌いましょう。デクレッシェンドで消えていくように歌うと儚さを表現できて鳥肌ものです。掛け合いよりもハーモニー勝負の曲ですので、パート練習が重要になってきます。パート練習に十分な時間を割きましょう。
「COSMOS」の歌い方のポイント・混声三部編
次に混声三部編の解説をしていきます。混声三部の編曲は中学生や高校生の合唱に適しています。ちなみに男声パートの人数が多く、合唱団のレベルも高い場合は混声四部という選択肢もありますよ。
混声三部の場合も基本的には同声二部と歌い方のポイントやコツは同じですが、美しいハーモニーを表現するためには、男声パートが一番重要になってくると思います。
1番:Aメロ~Bメロのポイント
混声三部編もAメロの出だしはユニゾンです。低めの音が多い旋律になっていますので、地声になってしまわないように優しく裏声で歌いましょう。
2回目のAメロは「きみの~」のから掛け合いから始まります。ピアノ伴奏が音量を抑えて薄めに弾いていますので、それに合わせるようにハモリのパートはそっと入っていってください。ピアノ伴奏が薄く、声量も抑えている部分なので、ハーモニーにごまかしがききません。Aメロ部分の音取りには細心の注意を払いましょう。
Bメロの「百億年の歴史が~」から少しずつ盛り上げていきます。最初は同じ音でBメロの旋律が始まりますので、ハモリに分かれるときにも歌いやすいと思います。
「ながれてる~」の部分でクレッシェンドしていき、サビへと盛り上げてつなげますが、ここの部分は男声パートが重要になってきます。この部分の男声パートは同じ音を続けて歌うことになります。同じ音を正確に歌い続けるのって意外と難しいのです。音程がぶれないように、ブレスもしっかりと取って発声に余裕をもたせましょう。
1番サビ部分のポイント
声量はフォルテになりますので、一気に最大声量を出すつもりで歌ってください。ここでも男性パートがポイントです。主旋律と少しだけタイミングをずらす部分があります。ここのタイミングをしっかりと決めたいです。油断しているとずらしているのではなく、間違ってずれてしまったように聞こえてしまいます。気を付けましょう。
サビの終わり「みんな みんな」の部分ではちょっと声量を抑えて、メリハリを付けましょう。
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2番:Aメロ~Bメロのポイント
2番はソプラノパートのソロから始まります。同声二部の時と同じように、強弱記号はピアノですが、声量を抑えすぎるとパート数が減っていますのでボリュームダウンしすぎになります。 声量コントロールに最新の注意を払ってください。
また、声量は抑えますが、発音は明瞭にしましょう。口はしっかりと開きますが、ボリュームはダウンさせるイメージです。これは少々練習が必要ですので、頑張ってください。2番のAメロは女声パートのみで進みます。女声パート特有の繊細さを出せるといいですね。
個人的に一番の魂の込めどころは2番のBメロだと思っています。「みんな生命を(いのち)を燃やすんだ 星のように 蛍のように」の部分です。星と蛍の対比が効いていて、世界観が無限に広がると同時に小さな命への意識も残ります。「蛍のように~」のクレッシェンドに全てをかけるつもりで歌ってください!ここでは男声パートはやや高い音を要求されます。裏声の練習をしっかりしておきましょう。
2番:サビのポイント
2番のサビは基本的に1番とポイントは同じですが、最後に同声二部と同様に転調が待っています。この部分が声量は最大の大きさを求められるところです。その割りに転調後は8小節のフレーズを歌うとすぐに曲は終了してしまいます。しかも後半2小節はデクレッシェンドが待っているので、盛り上げる部分はとても短くなっています。転調後のサビの出だしで声量不足になると盛り上がらずに物足りない感じで終わってしまいます。気を付けてください。
短い間に感動を呼ぶよう歌わなければなりません。男声パートも高音を要求されますので、高音でも声量をしっかり確保するブレスの深さと、高音を出せる裏声の練習に全力を注いでくださいね。
最後の「みんな みんな」はでクレッシェンドで終わりますが、ハモるときの音域が近いのでつられやすくなっています。この部分で外すと今までの努力が水の泡ですので、しっかりと美しいハーモニーを保って歌い終えてください。
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COSMOSのピアノ伴奏のポイント
8分音符のアルペジオと和音弾きが中心になりますので、基本的にはあまり難しい部分はない伴奏です。小学生でもピアノ経験者ならば十分弾けるでしょう。
気を付けるポイントは主旋律のリズムと合わせて弾く部分が何度か出てきます。サビ最後の「みんな みんな」の部分などです。そこは決めどころになりますので、優しく引きつつもリズムにしっかり気を付けて弾いてください。
また、サビ前に和音弾きで4分音符を1回打つところがあります。ここはサビへの布石になりますので、タッチをしっかりとして力強い音が出せるようにしてください。またタイミングも合唱隊としっかり合わせて外せない部分になります。気を付けてくださいね。
楽譜はこちらをご紹介します。同声二部、混声三部、混声四部と、全ての「COSMOS」の合唱編曲が収録されています。また、「地球星歌」や「明日の空へ」など、ミマスさんの代表作も収録されていてお得ですよ。
さて、今回は人気の高い合唱曲「COSMOS」について徹底解説してきましたがいかがでしたでしょうか。それほど難しい曲ではありませんが、ハーモニーが美しい名曲です。校内合唱コンクールにもいいかと思いますし、卒業式などにもぴったりだと思います。広大な世界観の歌詞も魅力的です。全力で練習して「生命の燃える歌声」を表現してください!
それでは、今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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