気象庁が厳重な警戒を呼び掛ける豪雨の中の酒盛りから6日後のきょう11日。安倍首相は河川決壊により多数の死者を出した倉敷市真備町の避難所を訪問した。
住民300人が避難する岡田小学校体育館には、安倍首相の訪問が決まると突貫工事でクーラー10台が設置された。地元ジャーナリストによると、別の避難所で首相は「国がクーラーをつけた」と恩着せがましく語った、という。
岡田小学校体育館で首相は避難住民に声を掛けて回った。「大変ですね」「すぐに整備します」・・・首相の口を突くのは、ありきたりの言葉ばかりだった。
避難住民の多くは、安倍首相らが大雨警報の最中に酒盛りをしていたことを知らなかった。体育館にはテレビもインターネットもないからだ。スマホの電波状況もすこぶる悪い。田中から「酒盛り事件」を知らされた住民(70代男性)は「えっ!?」と驚き、「頭に来るなあ」と憤った。
田中と助手の倉持は体育館の玄関で安倍首相を待ち構えた。首相が靴をはいて去ろうとするところを直撃した。「初動が遅かったのではないですか? 酒盛りなんかしてる場合ではなかったのではないですか?」と。
首相はヘラヘラしながら「しっかり対応しています。ちゃんとやってますから、どうぞ御安心下さい」と開き直った。一向に悪びれていない。酒焼けの赤ら顔だった。森・加計で動かぬ証拠を突きつけられても嘘でかわす、いつもの鉄面皮が田中の目の前にあった。
ある避難者(70代・男性)は「行政がもっと早く動いていればねえ」としたうえで「麻生さん、安倍さん。あのレベルの人たちには何を言っても無駄」と諦めの表情で語った。
別の避難者(70代・男性)は「(5日に)警報が出たのは知っていたが、具体的な情報がないので逃げようという気にならなかった。家の前の道路が冠水しているのを見て、急いで避難した」と当時を振り返る。
官邸が対策本部を早くから立ち上げて自治体をせっつけば、もっと具体的な情報が出ていただろう。逃げ遅れによる死者は今より はるかに 少なかったはずだ。安倍首相による人災が被害を広げたことは確かである。
〜終わり~