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石川能美で自然保護全国集会
白山の動植物をメインテーマにした日本山岳会主催の自然保護全国集会が八日、能美市内の旅館であり、元県白山自然保護センター長の栂(とが)典雅さんが「白山の自然と歴史・文化」と題して基調講演した。(吉野淳一) 白山の動植物テーマに講演栂さんは「白山は緯度が低く、標高もそれほど高くはないのに、世界有数の多雪地。その特徴が独自性をつくっている」と解説。約二百五十種の高山植物のうち、百種以上が白山より西に分布しないと説明し「一般向けの散策コースから、さまざまな花の群落が見られる」と魅力を語った。 白山の課題について、栂さんは取材に、本来はないはずのオオバコや西洋タンポポなどの外来植物十六種が育っていると指摘。「登山者の靴に付いた種などが山に運ばれ、それが育っている」と危機感を訴えた。 自然保護全国集会は毎年、各県の持ち回りで開かれている。今年は全国の山岳会員ら七十五人が参加した。
ライチョウ元気に育ついしかわ動物園園長 人工繁殖のひな語る能美市で八日開かれた自然保護全国集会では、国特別天然記念物「ニホンライチョウ」の人工繁殖に挑戦するいしかわ動物園の美馬秀夫園長が、六月にふ化した三羽のひなについて「元気に育っている」と報告した。「順調にいけば、来年はペアをそろえて繁殖につなげたい」と先を見据えた。基調講演の後に開かれた分科会で報告した。 美馬園長は、ライチョウが初めて文献に登場した鎌倉時代の歌集には、白山が一緒に詠まれていると紹介。「江戸時代まではライチョウと言えば白山だった」と語り、白山とライチョウの関係の深さを伝えた。 いしかわ動物園がライチョウの飼育に乗り出すきっかけは、白山では絶滅したとされていたライチョウが二〇〇九年に山頂付近で見つかり、一六年まで生息が確認されたことだと説明。「白山はライチョウが育つ可能性があると証明できたのではないか」と語った。 その上で、ニホンライチョウの野生復帰を進める場所について「北アルプスが本丸、南アルプスが二の丸だとしたら、白山は出城」と語り、将来的な放鳥に期待を寄せた。 (吉野淳一) 今、あなたにオススメ Recommended by
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