「朝鮮(北朝鮮)は、核保有をすれば安心だと思っているみたいですが、それは逆に自国の安全保障を危うくするだけですよ」とは、朝鮮問題の「深読み」を試みている、とある「有名ブロガー」のご意見。
私も過去、その「有名ブロガー」の主張に目を通すための時間を割いたが、今ではその努力をピタリと辞めてしまっている。
私の人生には、「彼の主張は不要」と判断したのが、その理由。
私自身、現在まで「うしお君」を応援頂いている読者の皆様より、「あいつの言う事はもういいよ」などと不要扱いされないためにも、これからも尚一層のこと人生を真っ直ぐに歩んでいこうと思う。
人生、真っ直ぐに生きているそれこそが、その者が放つ「主張」に、信頼と応援が寄せられるものだと、つくづく最近私はそう思っている。
そういう訳で、冒頭に書いた「有名ブロガー」のご意見は、他のブロガーのブログ記事にで、引用されていたのをたまたま目にしたもの。
そしてそのブログには、「朝鮮がアメリカに勝てるはずもありませんよ。その戦力の差は1対1000くらいですからね」などと、「有名ブロガー」の「主張」が重ねて並べてあった。
「有名ブロガー」は、「戦力が1対1000くらいだから朝鮮は負ける」と言うが、その程度の「数字」を根拠とした「主張」では、朝鮮問題を「深読み」していることにはならない。
もちろん「戦力」はいかなる「対戦」においても重要な要素ではあるが、それよりも大切なのは、備えた「戦力」を最大限に活用できる「戦略・戦術」を如何に築けるかにあり、その「戦略・戦術」を実際に遂行できる「行動能力(兵士の戦闘力)」をどの程度まで養えるのかであろう。
過去、「戦力」の対比が明らかな戦況でも、予想を覆した「戦史」などはいくらでもある。
日本で言えば「桶狭間の戦い」だろうか。
敵の「戦力」2万5千もの数を、それの10分の1ほどの「戦力」で迎え撃ち、見事勝利を収めた織田信長の武勇伝は、「戦力」が「対決」のすべてを決する「最重要要素」ではない事を如実に証明している。
恐らく元力士の舞の海さんも、この様な私の考えに賛成してくれるはずだ。
そして「有名ブロガー」は、「1対1000くらいだから」などの「数字」を根拠に「朝鮮は負ける」の主張を展開したが、そもそもその「数字」は、「1対1000」ではなく「1対500」だ。
朝鮮問題を「深読み」していると自称するわりには、「くらいだから」などと曖昧な言葉で結論を導き、文面に科学性を欠いてしまっているところなどは、読む者に「浅読み」の印象を強く与える。
なので私は、とうの昔に見切りを付けた。
そして私の判断は正しかった。
私が、「1対1000」ではなく「1対500」ですよ、と示した根拠は、アメリカ在住の統一学研究所・韓 浩錫(ハンホソク)所長に習ったもの。
韓先生は人生を真っ直ぐに生きているので、その論文には信念が宿っている。
そして彼が放つ「主張」には、有力な人脈を生かした「重要資料」が散りばめられ、その論文には「科学性」を伴うので、読めば読むほどに実に納得させられるのだ。
韓 浩錫先生は論文の中で、朝鮮とアメリカの「戦力」の対比を次の様に示した。
「朝鮮とアメリカの物量的側面の比較は、アメリカが朝鮮を圧倒する。
・人口の比較では、2012年現在、朝鮮は2,458万人、アメリカは3億1,384万人で、アメリカは朝鮮の13倍。
・領土の比較では、朝鮮は12万平方メートル、アメリカは982万平方メートルで、アメリカは朝鮮の82倍。
・国家経済規模では、2011年現在、アメリカCIA発表の朝鮮のGDPは400億ドル、アメリカは15兆ドルで、アメリカは朝鮮の375倍。
・宇宙開発では、朝鮮は2012年12月12日にロケットの打ち上げに成功、アメリカは1958年1月31日に成功で、アメリカは朝鮮よりも54年も早い成功。
・実用衛星の保有数は、朝鮮は1基、アメリカは1,110基。
・核技術では、朝鮮は1998年5月30日にパキスタンでの代理核実験が初、アメリカは1945年7月16日に成功で、アメリカは朝鮮より53年も早い成功。
・核実験の経験では、朝鮮は3回、アメリカは1,054回で、アメリカは朝鮮の351倍。
・核弾頭の保有数は、朝鮮は10発(アメリカの専門家の推測)、アメリカは5,113発で、アメリカは朝鮮の511倍。
この様な資料は、どの部門での比較でも、アメリカが朝鮮を圧倒していることを示している。」
韓先生は、朝鮮とアメリカの「戦力」の対比資料の中でも、とりわけ重要な「核弾頭の保有数」に焦点を当て、朝鮮とアメリカの「戦力」は「1対500」だとした。
その他、兵士の数や戦車保有数などの様々な要素が「戦力」の比較対象にも成りえるが、いまのところ、「核弾頭」が兵器の中でも最強の威力を備えているので、それを対比の軸に据えた韓先生の考察は、科学的根拠に十分であると私は納得する。
このように、韓先生が示した「数字」の羅列を眺めても、500倍もの強大な敵に単身で朝鮮は戦いを挑んでいるのだから、まさに驚異的だ。
勝ち負けは別にして、まずは、それに戦いを挑んでいる事自体が驚異的なのだ。
そもそも国家における戦争とは、精密なる科学的根拠に基いたシュミレーションの結果、勝てると判明した時に始めてその行動を起こすことが出来る。
この辺に、「何故に朝鮮半島で戦争が起きないのか」の理由もある。
アメリカはこれまで、朝鮮半島で戦争を「起こさなかった」のではなく、「起こせなかった」のだ。
いくらシュミレーションしてみても、朝鮮には勝てる結果が出ないので、「戦争費=効果比」の計算が合わない。
これはつまり、朝鮮半島の緊張のバランスは、朝鮮の軍事力が、米・韓・日の軍事力を牽制していることにより保たれてきたという事だ。
そして、「朝鮮は何故に自分より500倍も強大な敵に立ち向かう事が出来たのか?」という疑問を言い換えれば、「朝鮮はどのようなシュミレーションを根拠に、アメリカに勝てると判断したのか?」と言う事になる。
この部分について韓 浩錫先生は、朝鮮とアメリカの戦争における勝利の最重要要素として、朝鮮人民軍兵士と米軍兵士の「戦闘力」の比較に重点を置き分析を進めた。
戦争を勝利に導くためには、「兵器」も重要な要素になるが、それを扱う兵士の「戦闘力」は、何よりも重要な決定的要素となるのだ。
先生は論文の中で、朝鮮人民軍兵士と米軍兵士の「戦闘力」の比較に、「思想戦」と「頭脳戦」に視点を当てて考察を深めた。
両軍における「思想戦」の対比を分析した資料は次の通り。
2012年、アメリカ国防省が発表した統計資料によると、2010年の米軍兵士の自殺率は10万人中24.1人で、これは1日に1人ずつ兵士が自殺している計算である。
2010年、米軍兵士が犯した性犯罪は1,313件、凶悪犯罪は28,289件、女性米軍兵士が軍隊内で性犯罪を受けた率は18.9%である。
更に、2011年1月25日アメリカ国防省発表には、2010年に米軍内での麻薬使用件数は370万件、2005年から2009年の間に薬物障害に落ちた米軍兵士は40,000人、薬物障害で隊への復帰が不能となった兵士が毎月250人ずつ病院に送られている。
その他、イラクやアフガンなどで、精神病に掛かった米軍兵士は66%、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の後遺症に悩まされている米軍兵士は13%に及ぶとは、2010年9月28日発のロイター通信の報道である。
私は軍事にはまったくの素人であるが、韓先生が示した資料を見るだけでも、その軍隊の兵士の状態は凡その推測ができる。
麻薬中毒者が続出する軍隊の士気が高いとは到底思えない。
改めて書くが、戦争は「兵器」がするのではなく、「人間」がするのである。
その人間が持つ「思想」状態が、取り分け重要であることは、わざわざ重ねて強調する必要もないだろう。
先生の論文には、一方の朝鮮人民軍兵士を評価する詳細な資料は見当たらなかったので、米軍との「比較」とするには難しいが、朝鮮労働党が軍への政治的影響力を有し、軍が正常に機能するための教育を徹底させている朝鮮の実情を参考とすれば、米軍の資料にある麻薬の乱用などで兵士が精神病棟に次々に送られるなどの深刻な事態は、まずは回避してもよさそうだ。
補足とするならば、私は過去、実際に朝鮮人民軍の部隊を訪れる機会があり、朝鮮人民軍兵士らの実情をこの目で目撃している。
私が観た朝鮮人民軍兵士らは、楽天的であった。
彼らは、歌を唄っても「最高司令官と自分」を唄い、詩を朗読しても「祖国と自分」を詠んでいた。
米軍兵士には「攻める」意識があるが、朝鮮人民軍兵士には「守る」意識がある。
米軍兵士は、何の為に己の命を懸けるのかも判らぬままに異国の地に攻め入る命令を受けるが、朝鮮人民軍兵士は、大切な家族が暮らす祖国を守るために自らが志願しては命を懸けた戦いに臨む。
どちらが、「思想戦」で優れているのは当然の理知だろう。
人間とはそういうものである。
次に「頭脳戦」。
「頭脳戦」とはその名のとおり、頭脳を駆使して戦闘状況を有利に導く「戦法」を確立することであり、そのために兵士らは、様々なシーンで臨機応変的な「知略」が要求されるのだが、米軍兵士の「知略」はいったいどの程度のレベルなのかを知る参考として、韓先生は次のような資料を示した。
AP通信2010年12月23日の報道に拠ると、米軍への入隊に必要な筆記試験には、毎年高校卒業生の25%が落第点で入隊できないのだそうだ。
筆記試験が難解かと言えばそうでもなく、例えば「2+X=4の場合、Xを求めよ」などの、にわかに信じがたい試験問題が3時間の制限時間の間に99問が出題され、その内の31問が正解なら合格なのだそうだ。
入隊試験に合格した兵士らの知能指数に、テストのレベルをそのまま当て嵌め判断するのも多少乱暴だが、この様な「入隊試験」の資料は、米軍の知能指数の一端を知る良き参考である。
そして、「2+X=4の場合、Xを求めよ」のレベルに達したところで、その後、高度な「頭脳戦」を展開する兵士を育成することが出来るかの判断は、誰の目にも明らかだ。
一方の朝鮮人民軍に関する資料としては、最高司令官が軍部隊を視察される記録映画で、決まってまず最初に「学習室」の状態を見て回るシーンが参考だ。
このシーンは、朝鮮人民軍がいかに「頭脳」を重視しているかを知りえる良き資料だ。
そして朝鮮では、大学課程までの無償教育制度が確立されているので、「2+X=4の場合、Xを求めよ」などの質問は、入隊試験では出されないはずだ。
韓 浩錫先生は、「頭脳戦」に関する資料を更に提示していたが、書けば長くなるので割愛する。
以上のように韓 浩錫先生は、朝鮮人民軍と米軍との「軍力」の比較に、何よりもまず「思想戦」と「頭脳戦」に視点を当て分析を進めることで、朝鮮がアメリカに勝つ根拠を示した。
重ねて言うが、いかに強力な武器を持っていても、それを使う兵士が「無能」なら、宝の持ち腐れである。
そして韓先生は、「思想戦・頭脳戦」に並べて、朝鮮人民軍とアメリカ軍が備えた兵器における「軍力」の比較においても、「朝鮮が勝つ」とした詳細な分析を示したが、それは次回に書く。
昨日26日朝鮮は、朝鮮人民軍最高司令部の声明を通じ、分別を著しく越えたアメリカと韓国(南朝鮮)には我慢の限界であるとする通告を出し、続けて朝鮮の外務省が、朝鮮半島に核戦争の一触即発の危機が齎された事を、国連に通達を出した。
休戦協定が破棄された米・韓軍事演習期間にも、我が祖国には深刻なる超・危機的状況が齎されていたが、今日日の危機的状況はそれを遥かに上回る。
アメリカと韓国は、核の三大兵器(ミサイル、原子力潜水艦、B-52爆撃機)で朝鮮に対する挑発を繰り返しては、朝鮮が一番に大切にしている「精神的支柱」をミサイルで木っ端微塵に吹き飛ばすなどとして、ついには朝鮮の怒りを頂点へと沸騰させてしまった。
この様な深刻な情勢を眺めるに当たり、自分がどの様な立場で物事を視て、どの様な立場で主張を展開するのかと言う問題は、冒頭に触れた「有名ブロガー」がしている様に、情勢を「深読み」するか「浅読み」するかに関わらず、その者が備えている「情勢観」に大きく左右されるものだと私は考える。
そういう意味で私は、情報が膨大であればあるほどに朝鮮が発する主張に耳を傾け、情勢が緊張すればするほどに朝鮮の正義を固く信じ、我が祖国の勝利を願って情勢を眺め続ける。
この様な情勢観を「主体の情勢観(チュチェ)」と呼ぶのだが、この辺が疎かになると、終末には事大主義思想にどっぷりとその身を委ねる事となる。
人生を真っ直ぐに生きるという事は、なかなかどうして難しいものだが、私は朝鮮が示す道標を最後まで信じ、その道をたゆみなく歩み続ける。
何故なら私は、朝鮮を祖国とする者だからだ。
これは「深読み」するまでもない、至極単純な理知である。
私も過去、その「有名ブロガー」の主張に目を通すための時間を割いたが、今ではその努力をピタリと辞めてしまっている。
私の人生には、「彼の主張は不要」と判断したのが、その理由。
私自身、現在まで「うしお君」を応援頂いている読者の皆様より、「あいつの言う事はもういいよ」などと不要扱いされないためにも、これからも尚一層のこと人生を真っ直ぐに歩んでいこうと思う。
人生、真っ直ぐに生きているそれこそが、その者が放つ「主張」に、信頼と応援が寄せられるものだと、つくづく最近私はそう思っている。
そういう訳で、冒頭に書いた「有名ブロガー」のご意見は、他のブロガーのブログ記事にで、引用されていたのをたまたま目にしたもの。
そしてそのブログには、「朝鮮がアメリカに勝てるはずもありませんよ。その戦力の差は1対1000くらいですからね」などと、「有名ブロガー」の「主張」が重ねて並べてあった。
「有名ブロガー」は、「戦力が1対1000くらいだから朝鮮は負ける」と言うが、その程度の「数字」を根拠とした「主張」では、朝鮮問題を「深読み」していることにはならない。
もちろん「戦力」はいかなる「対戦」においても重要な要素ではあるが、それよりも大切なのは、備えた「戦力」を最大限に活用できる「戦略・戦術」を如何に築けるかにあり、その「戦略・戦術」を実際に遂行できる「行動能力(兵士の戦闘力)」をどの程度まで養えるのかであろう。
過去、「戦力」の対比が明らかな戦況でも、予想を覆した「戦史」などはいくらでもある。
日本で言えば「桶狭間の戦い」だろうか。
敵の「戦力」2万5千もの数を、それの10分の1ほどの「戦力」で迎え撃ち、見事勝利を収めた織田信長の武勇伝は、「戦力」が「対決」のすべてを決する「最重要要素」ではない事を如実に証明している。
恐らく元力士の舞の海さんも、この様な私の考えに賛成してくれるはずだ。
そして「有名ブロガー」は、「1対1000くらいだから」などの「数字」を根拠に「朝鮮は負ける」の主張を展開したが、そもそもその「数字」は、「1対1000」ではなく「1対500」だ。
朝鮮問題を「深読み」していると自称するわりには、「くらいだから」などと曖昧な言葉で結論を導き、文面に科学性を欠いてしまっているところなどは、読む者に「浅読み」の印象を強く与える。
なので私は、とうの昔に見切りを付けた。
そして私の判断は正しかった。
私が、「1対1000」ではなく「1対500」ですよ、と示した根拠は、アメリカ在住の統一学研究所・韓 浩錫(ハンホソク)所長に習ったもの。
韓先生は人生を真っ直ぐに生きているので、その論文には信念が宿っている。
そして彼が放つ「主張」には、有力な人脈を生かした「重要資料」が散りばめられ、その論文には「科学性」を伴うので、読めば読むほどに実に納得させられるのだ。
韓 浩錫先生は論文の中で、朝鮮とアメリカの「戦力」の対比を次の様に示した。
「朝鮮とアメリカの物量的側面の比較は、アメリカが朝鮮を圧倒する。
・人口の比較では、2012年現在、朝鮮は2,458万人、アメリカは3億1,384万人で、アメリカは朝鮮の13倍。
・領土の比較では、朝鮮は12万平方メートル、アメリカは982万平方メートルで、アメリカは朝鮮の82倍。
・国家経済規模では、2011年現在、アメリカCIA発表の朝鮮のGDPは400億ドル、アメリカは15兆ドルで、アメリカは朝鮮の375倍。
・宇宙開発では、朝鮮は2012年12月12日にロケットの打ち上げに成功、アメリカは1958年1月31日に成功で、アメリカは朝鮮よりも54年も早い成功。
・実用衛星の保有数は、朝鮮は1基、アメリカは1,110基。
・核技術では、朝鮮は1998年5月30日にパキスタンでの代理核実験が初、アメリカは1945年7月16日に成功で、アメリカは朝鮮より53年も早い成功。
・核実験の経験では、朝鮮は3回、アメリカは1,054回で、アメリカは朝鮮の351倍。
・核弾頭の保有数は、朝鮮は10発(アメリカの専門家の推測)、アメリカは5,113発で、アメリカは朝鮮の511倍。
この様な資料は、どの部門での比較でも、アメリカが朝鮮を圧倒していることを示している。」
韓先生は、朝鮮とアメリカの「戦力」の対比資料の中でも、とりわけ重要な「核弾頭の保有数」に焦点を当て、朝鮮とアメリカの「戦力」は「1対500」だとした。
その他、兵士の数や戦車保有数などの様々な要素が「戦力」の比較対象にも成りえるが、いまのところ、「核弾頭」が兵器の中でも最強の威力を備えているので、それを対比の軸に据えた韓先生の考察は、科学的根拠に十分であると私は納得する。
このように、韓先生が示した「数字」の羅列を眺めても、500倍もの強大な敵に単身で朝鮮は戦いを挑んでいるのだから、まさに驚異的だ。
勝ち負けは別にして、まずは、それに戦いを挑んでいる事自体が驚異的なのだ。
そもそも国家における戦争とは、精密なる科学的根拠に基いたシュミレーションの結果、勝てると判明した時に始めてその行動を起こすことが出来る。
この辺に、「何故に朝鮮半島で戦争が起きないのか」の理由もある。
アメリカはこれまで、朝鮮半島で戦争を「起こさなかった」のではなく、「起こせなかった」のだ。
いくらシュミレーションしてみても、朝鮮には勝てる結果が出ないので、「戦争費=効果比」の計算が合わない。
これはつまり、朝鮮半島の緊張のバランスは、朝鮮の軍事力が、米・韓・日の軍事力を牽制していることにより保たれてきたという事だ。
そして、「朝鮮は何故に自分より500倍も強大な敵に立ち向かう事が出来たのか?」という疑問を言い換えれば、「朝鮮はどのようなシュミレーションを根拠に、アメリカに勝てると判断したのか?」と言う事になる。
この部分について韓 浩錫先生は、朝鮮とアメリカの戦争における勝利の最重要要素として、朝鮮人民軍兵士と米軍兵士の「戦闘力」の比較に重点を置き分析を進めた。
戦争を勝利に導くためには、「兵器」も重要な要素になるが、それを扱う兵士の「戦闘力」は、何よりも重要な決定的要素となるのだ。
先生は論文の中で、朝鮮人民軍兵士と米軍兵士の「戦闘力」の比較に、「思想戦」と「頭脳戦」に視点を当てて考察を深めた。
両軍における「思想戦」の対比を分析した資料は次の通り。
2012年、アメリカ国防省が発表した統計資料によると、2010年の米軍兵士の自殺率は10万人中24.1人で、これは1日に1人ずつ兵士が自殺している計算である。
2010年、米軍兵士が犯した性犯罪は1,313件、凶悪犯罪は28,289件、女性米軍兵士が軍隊内で性犯罪を受けた率は18.9%である。
更に、2011年1月25日アメリカ国防省発表には、2010年に米軍内での麻薬使用件数は370万件、2005年から2009年の間に薬物障害に落ちた米軍兵士は40,000人、薬物障害で隊への復帰が不能となった兵士が毎月250人ずつ病院に送られている。
その他、イラクやアフガンなどで、精神病に掛かった米軍兵士は66%、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の後遺症に悩まされている米軍兵士は13%に及ぶとは、2010年9月28日発のロイター通信の報道である。
私は軍事にはまったくの素人であるが、韓先生が示した資料を見るだけでも、その軍隊の兵士の状態は凡その推測ができる。
麻薬中毒者が続出する軍隊の士気が高いとは到底思えない。
改めて書くが、戦争は「兵器」がするのではなく、「人間」がするのである。
その人間が持つ「思想」状態が、取り分け重要であることは、わざわざ重ねて強調する必要もないだろう。
先生の論文には、一方の朝鮮人民軍兵士を評価する詳細な資料は見当たらなかったので、米軍との「比較」とするには難しいが、朝鮮労働党が軍への政治的影響力を有し、軍が正常に機能するための教育を徹底させている朝鮮の実情を参考とすれば、米軍の資料にある麻薬の乱用などで兵士が精神病棟に次々に送られるなどの深刻な事態は、まずは回避してもよさそうだ。
補足とするならば、私は過去、実際に朝鮮人民軍の部隊を訪れる機会があり、朝鮮人民軍兵士らの実情をこの目で目撃している。
私が観た朝鮮人民軍兵士らは、楽天的であった。
彼らは、歌を唄っても「最高司令官と自分」を唄い、詩を朗読しても「祖国と自分」を詠んでいた。
米軍兵士には「攻める」意識があるが、朝鮮人民軍兵士には「守る」意識がある。
米軍兵士は、何の為に己の命を懸けるのかも判らぬままに異国の地に攻め入る命令を受けるが、朝鮮人民軍兵士は、大切な家族が暮らす祖国を守るために自らが志願しては命を懸けた戦いに臨む。
どちらが、「思想戦」で優れているのは当然の理知だろう。
人間とはそういうものである。
次に「頭脳戦」。
「頭脳戦」とはその名のとおり、頭脳を駆使して戦闘状況を有利に導く「戦法」を確立することであり、そのために兵士らは、様々なシーンで臨機応変的な「知略」が要求されるのだが、米軍兵士の「知略」はいったいどの程度のレベルなのかを知る参考として、韓先生は次のような資料を示した。
AP通信2010年12月23日の報道に拠ると、米軍への入隊に必要な筆記試験には、毎年高校卒業生の25%が落第点で入隊できないのだそうだ。
筆記試験が難解かと言えばそうでもなく、例えば「2+X=4の場合、Xを求めよ」などの、にわかに信じがたい試験問題が3時間の制限時間の間に99問が出題され、その内の31問が正解なら合格なのだそうだ。
入隊試験に合格した兵士らの知能指数に、テストのレベルをそのまま当て嵌め判断するのも多少乱暴だが、この様な「入隊試験」の資料は、米軍の知能指数の一端を知る良き参考である。
そして、「2+X=4の場合、Xを求めよ」のレベルに達したところで、その後、高度な「頭脳戦」を展開する兵士を育成することが出来るかの判断は、誰の目にも明らかだ。
一方の朝鮮人民軍に関する資料としては、最高司令官が軍部隊を視察される記録映画で、決まってまず最初に「学習室」の状態を見て回るシーンが参考だ。
このシーンは、朝鮮人民軍がいかに「頭脳」を重視しているかを知りえる良き資料だ。
そして朝鮮では、大学課程までの無償教育制度が確立されているので、「2+X=4の場合、Xを求めよ」などの質問は、入隊試験では出されないはずだ。
韓 浩錫先生は、「頭脳戦」に関する資料を更に提示していたが、書けば長くなるので割愛する。
以上のように韓 浩錫先生は、朝鮮人民軍と米軍との「軍力」の比較に、何よりもまず「思想戦」と「頭脳戦」に視点を当て分析を進めることで、朝鮮がアメリカに勝つ根拠を示した。
重ねて言うが、いかに強力な武器を持っていても、それを使う兵士が「無能」なら、宝の持ち腐れである。
そして韓先生は、「思想戦・頭脳戦」に並べて、朝鮮人民軍とアメリカ軍が備えた兵器における「軍力」の比較においても、「朝鮮が勝つ」とした詳細な分析を示したが、それは次回に書く。
昨日26日朝鮮は、朝鮮人民軍最高司令部の声明を通じ、分別を著しく越えたアメリカと韓国(南朝鮮)には我慢の限界であるとする通告を出し、続けて朝鮮の外務省が、朝鮮半島に核戦争の一触即発の危機が齎された事を、国連に通達を出した。
休戦協定が破棄された米・韓軍事演習期間にも、我が祖国には深刻なる超・危機的状況が齎されていたが、今日日の危機的状況はそれを遥かに上回る。
アメリカと韓国は、核の三大兵器(ミサイル、原子力潜水艦、B-52爆撃機)で朝鮮に対する挑発を繰り返しては、朝鮮が一番に大切にしている「精神的支柱」をミサイルで木っ端微塵に吹き飛ばすなどとして、ついには朝鮮の怒りを頂点へと沸騰させてしまった。
この様な深刻な情勢を眺めるに当たり、自分がどの様な立場で物事を視て、どの様な立場で主張を展開するのかと言う問題は、冒頭に触れた「有名ブロガー」がしている様に、情勢を「深読み」するか「浅読み」するかに関わらず、その者が備えている「情勢観」に大きく左右されるものだと私は考える。
そういう意味で私は、情報が膨大であればあるほどに朝鮮が発する主張に耳を傾け、情勢が緊張すればするほどに朝鮮の正義を固く信じ、我が祖国の勝利を願って情勢を眺め続ける。
この様な情勢観を「主体の情勢観(チュチェ)」と呼ぶのだが、この辺が疎かになると、終末には事大主義思想にどっぷりとその身を委ねる事となる。
人生を真っ直ぐに生きるという事は、なかなかどうして難しいものだが、私は朝鮮が示す道標を最後まで信じ、その道をたゆみなく歩み続ける。
何故なら私は、朝鮮を祖国とする者だからだ。
これは「深読み」するまでもない、至極単純な理知である。