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【大相撲】

遠藤が3連勝 意外?初日からは幕内初

2018年7月11日 紙面から

千代翔馬(右)を切り返しで下す遠藤(畦地巧輝撮影)

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◇名古屋場所<3日目>

 (10日・ドルフィンズアリーナ=愛知県体育館)

 平幕の遠藤(27)=追手風=が千代翔馬を下し、幕内29場所目で初の3連勝スタート。千代の国(九重)は28歳の誕生日に大関高安を破り、中部勢がご当所で活躍した。横綱は白鵬が琴奨菊をすくい投げで退け、3場所連続優勝を目指す鶴竜も正代を押し出し、土つかず。新大関栃ノ心も3連勝とした。

 意外にも、遠藤は幕内での初日からの3連勝が初。3つ目の白星は変化を問題にしなかった。立ち合い、跳ねるように回り込んだ千代翔馬に右上手で深くまわしを許したが、構わず突進。左差しを生かしてまわしを切った直後に切り返し、直接対決2連敗中だった相手を土俵にたたきつけた。

 新三役・小結として臨んだ先場所は、右上腕二頭筋遠位部分断裂で7日目から途中休場。手術はせずに10日目から再出場したが、白星はつかめず3勝10敗2休。名古屋を再起の場所に選んだ。

 「日に日に良くなれば」。土俵上でも眉一つ動かさないクールな人気者は、右腕の現状について明かさない。しかし、軽快な取り口からは信じられないくらい、ギリギリの状態で闘っている。

 師匠の追手風親方(元幕内大翔山)は「(筋肉)3本のうち一番大きいのが切れている。あとの3割でどれだけ10割に持っていけるか。良くなるのは、半年とか1年経っての話になる」。深刻な状況を明かして「簡単に手術と言うけど1年間、棒に振るわけにはいかないですから、年齢的にも」と続けた。

 その一方で、27歳と脂が乗るタイミングだからこそのケガの功名も示した。場所前の稽古を見て「攻めの形が良くなった」と評すように、相撲巧者ぶりが最高の滑り出しを支えている。

 石川県穴水町出身。名古屋はご当所だが、2016年は3勝12敗と大負けし、昨年は左足首を痛めて5日目から休場した。苦しんできただけに、大声援が遠藤にとって「応えようという気持ちになるし、力も入ります」と、何よりの活力になっている。白星を積み重ねる姿が、ケガの克服を信じるファンへの恩返しになる。 (志村拓)

 

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