2018年の5月から一ヶ月、入院していた夫は退院と同時に人が変わったようであった。人が変わったといっても別に悪くなったわけではない。ただこれまで全くしなかった家事を突然し始めた。具体的には、朝のコーヒーの用意から、毎食の用意、食材や日用品の買い出し、掃除機(ルンバ)、そして食器やキッチン周りの掃除をしている。
突如彼が変わった理由は私には分からない。入院している間に色々顧みる機会があったのだろう。
夫が家事をするのを見ると、マメだなあと思う。自分で習慣を作る努力をしているのもあるのだろうが、仕事に取り組むような熱心さで家事をこなしている。彼による家事は、いかにバランスよく栄養を取るか、無駄を省いて効率化するか、どう衛生的環境を維持するか、といったような観点で運用されているようだ。
ロハコやAmazonフレッシュを使い買い物へ行く時間を省略し、除菌用アルコールなどを各所に配置し、タオルの代わりにキッチンペーパーを設置して洗濯コストを抑えるなど、徹底している。(キッチンペーパーについては以下ブログにも書いた)
ずぼら主婦の私は彼ほどマメではないので、適当に買い物して、適当に料理を作り、適当に片付けたり片付けなかったりしたが、そんな私よりよほどきっちり家事をしている。
夫が家事をし始めて感じたのは「なにこれ!めっちゃラクだな〜」ということと「ああ、自分は生活を頑張っていたし、意外とストレスを感じていたんだな」ということだった。
これまでほぼ家事の全般を私が担当していた*1のでコンスタントに毎日、役割分担として買い物や料理、その片付けなどの仕事が自分から離れるだけ*2で、生活に対する心の余裕が断然違うものなのだということを実感した。
もう一つ、最近ありがたいなと思うことは、夫婦でお互いの仕事に関して一定の理解があるということ。この「理解」というのは「許容」的な理解の示し方ではなくて、私と夫は過去に同じ職場で働いていたことがあり文字通り「業務内容をある程度理解」している。また私は前職でフィンテック系サービスの仕事をしていたので、同じく現職でフィンテック系サービスを手がけている夫の仕事についても、ある程度会話ができる。
とくに夫はエンジニアなので、物によっては現職の私より私の仕事に対して知識があるし、突発的な残業などが発生しても一言で大体察しがつくから、コミュニケーションコストも低い。
言葉にしなくてもどうも顔に出るのか、人の顔を見ては「......また仕事してる?」と働きすぎる私の脳から仕事を剥がす係をしたりもしてくれる。
実家が自営業で両親が同じ会社で働いていたこともあり、夫婦で同じ職場で働くことについては基本的に「ロクなことがねぇな」という意識があるけど、こと私と夫の場合に関しては、同じ職場での仕事経験があることにメリットはあってもデメリットは一つもない。
なにか仕事についてうまく言葉にできないことがあったとしても、自分の仕事を理解してくれる人が家にいるというのは、それだけで心強いことがあるのだと、最近よく感じる。
と、ここまで夫について書いたけれど、上記で挙げた夫だけでなく、なぜか友人各位もこの頃やさしいというか、親切にしてくれる。
最も仲の良い友人の一人は、疲れてLINEをしたらすぐ飛んできたし、その後も定期的にうちに来て家事などをやってくれる。
その他にも個別にDMやメールをいただいたり、食事に誘ってもらったり、物を贈ってもらったり、みんなが親切にしてくれて、普段ダークな世界を見すぎなのか、世界とはこんなにもやさしい場所なのだなーというのを感じることができる。
態度や言葉でやさしさを伝えることは意外と難しいことなのだけど、それでも私がこうして感じるほど周りのひとがやさしいのは、様々な思いを行動に変えて、私のことを支えてくれているからなんだなぁと思う。
「頼ってもいいよ」という態度でもあるし、「頼りになるでしょ?」という態度でもあって、ああ、愛されているなぁと思う。