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【大リーグ】

大谷、代打でV弾 自打球で全力疾走できない男が大仕事

2018年7月10日 紙面から

ドジャース戦の7回、代打で勝ち越しの7号ソロを放つエンゼルス・大谷=アナハイムで(共同)

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◇エンゼルス4-3ドジャース

 【アナハイム小林信行】エンゼルスの大谷翔平選手(24)は8日、ドジャース戦で3-3の7回に代打で出場し、決勝7号ソロを放った。5月17日のレイズ戦以来、打者出場17戦62打席ぶり、右肘故障後初めての一発で代打本塁打もメジャー自身初。前夜(7日)に自打球を受けた右膝が万全ではない状態で大仕事をやってのけた。

 首脳陣に出場意思を示したのは2回になってからだった。全力疾走ができないことを知りながらも打席に立った。一振りに懸けたメジャー移籍後初の代打決勝本塁打。ダイヤモンドを回る足の運びはぎこちなかった大谷が「一番いい形になってよかった」と笑みを浮かべた。

 「代打・大谷」に本拠地が沸いたのは同点の7回だ。快音を響かせたのはカウント2-2からの6球目。内角低め、154キロのツーシームを完璧にとらえた。頭にあったのは、相手右腕の決め球チェンジアップ。「裏をかかれての真っすぐだった」。15キロの緩急にきっちり対応。技で打った135メートル弾で敵将・ロバーツ監督を「脱帽するしかない」とうならせた。

 両軍の本拠地が隣接していることから「フリーウエー・シリーズ」と呼ばれる伝統の一戦。前々日の第1戦では1点を追う9回に四球で出塁し、二盗からサヨナラ勝利につなげた。前夜は敗れたが、バント安打を狙う姿勢で勝利への執念を見せた。そして、この日は52日ぶり、右肘故障から復帰後初の一発だった。

 「投げられない中で貢献できたのはよかった。かなり久々だったのでうれしかった」と素直な気持ちを言葉にした。

 打席後はビデオルームで自身の打撃をチェックした。「いい形で打てたのは僕の中ではすごくよかった。次の打席でもそういうアプローチができるかもしれない」。5日に24歳の誕生日を迎えたばかりの大谷が、進化の階段をまた一つ上った。

 

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