Photoshopの画像加工が楽になる!Camera Rawフィルターを使った色調補正の方法

知らないなんてもったいない!
現像するような感覚で色調補正できるフィルター。

こんにちは。Keinaです。
仕事やSNSなどで、自分で撮影した画像を使うことが多い方は、Photoshopで画像加工することも多いのではないでしょうか。撮影した写真が思っていた色と違っていたり、照明や天気によって写真の色がバラバラになってしまった…なんてときは、色調補正で理想の色に近づけたいですよね。本日は、そんなときに便利な、PhotoshopのCamera Rawフィルターを使った色調補正の方法をご紹介します!

    Camera Rawフィルターとは
    RAWデータを現像するためのプラグインとしてスタートしたものが、Photoshopにフィルターとして追加されたものです。RawファイルだけでなくJPEGやPSDなどに使用できます。また、最初にファイルを開いたときだけでなく、ワークフローの途中でも使えます。一画面で、明るさ、コントラストやシャープやノイズの低減など様々な編集を行えるというのが大きな特徴です。

Photoshopには、数多くのフィルターが用意されていますが、特に写真の補正や編集において注目したいのが「Camera Rawフィルター」です。わたしは長いことPhotoshopを使っていましたが、同僚が勉強会で教えてくれたのをきっかけに使い始めました。教えてもらうまでは、この機能が追加されたことすら気づいていませんでした(笑)。とても便利で使えるフィルターなので、さっそく使いかたをご紹介します。

STEP1 レイヤーをスマートオブジェクトに変換

STEP1 レイヤーをスマートオブジェクトに変換
Photoshopを起動後に、レイヤーを右クリックし[スマートオブジェクトに変換](1)を選択します。編集前にオリジナルデータをスマートオブジェクト化しておくと、元のファイルに変更を加えることなく、画像の彩度、明瞭度、コントラストなどを修正することができます。また、編集内容をいつでもやり直すことができてとても便利です。

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STEP2 Camera Rawフィルターを選択

STEP2 Camera Rawフィルターを選択
編集したいレイヤーを選択した状態で、メニューから[フィルター]→[Camera Rawフィルター](2)を選択します。

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STEP3 Camera Rawフィルターの編集画面で色を調整しよう

STEP3 Camera Rawフィルターの編集画面で色を調整しよう
Camera Rawフィルターが起動するとこのような編集画面になります。中央にはプレビューが大きく表示され、上部にはツールが横並び、右側のパネルで基本補正などの細かい調整が行えます。ツールとパネルの各名称は下記をチェックしてね。

▼ツール(3)
[A]ズームツール
[B]手のひらツール
[C]ホワイトバランスツール
[D]カラーサンプラーツール
[E]ターゲット調整ツール
[F]変形ツール
[G]スポット修正
[H]赤目修整
[I]補正ブラシ
[J]段階フィルター
[K]円形フィルター

▼パネル(4)
[L]基本補正
[M]トーンカーブ
[N]ディテール
[O]HSL / グレースケール
[P]明暗別色補正
[Q]レンズ補正
[R]効果
[S]カメラキャリブレーション
[T]プリセット

スライダーを左右に動かすと調整できます。

スライダーを左右に動かすと調整できます。
画面右側の「基本補正」タブ(5)が選択された状態で、各スライダーを調整します。

▼色かぶりを修正したいとき
色温度、色かぶり補正を調整

▼明るさやコントラストを補正したいとき
露光量、コントラスト、ハイライト、シャドウ、白レベル、黒レベルを調整

▼今回適用した設定
[基本設定]
色温度 … -44
色かぶり補正 … -18
コントラスト … +43
ハイライト … +19
シャドウ … +2
白レベル … +38
黒レベル … +33
明瞭度 … +3
自然な彩度 … +11

[トーンカーブ]
ライト … +15
ダーク … -10
シャドウ … +8

[カメラキャリブレーション]
シャドウ(色かぶり補正) +28
ブルー色度座標値(色相)+8

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STEP4 部分的な色補正はツールを使ってみよう

STEP4 部分的な色補正はツールを使ってみよう
写真の左上が暗いので、少し明るく補正します。左上のツールバーから[円形フィルター](6)ツールを選択し、左上の領域でクリックしてからドラッグし、円または楕円を描きます(7)。円形フィルターの編集は、右側のパネル(8)内で調整します。ちょうどいい色味に調整できたら右下の[OK](9)を押して完成です。

▼今回適用した円形フィルターの設定
[円形フィルター]
色温度 … -6
色かぶり補正… -23
露光量 … +0.45
ハイライト … +2
黒レベル … +4
効果 … 内側

BEFORE

BEFORE
加工前の元画像は、赤みがかった暗い画像でした。

AFTER

AFTER
色調補正後は赤みが取れて、明るくなりました!

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編集するときに知っておきたいPOINTをご紹介

▼POINT1 補正前の状態に戻したい、フィルターを再編集したい場合

POINT1 補正前の状態に戻したい、フィルターを再編集したい場合
いつでも、目のアイコン(10)をクリックすると、Camera Rawフィルターでの補正前の状態に戻れます。再度編集したいときは、目のアイコンの右側の「Camera Raw フィルター」をダブルクリックで再編集することができます。フィルターを削除したいときは、ゴミ箱にドラッグするだけ。

▼POINT2 自動補正にも対応しています!

POINT2 自動補正にも対応しています!
パネルの[自動補正]を使うと、ワンクリックで自動補正することも可能。一度試して、ちょうどいい色合いに補正できそうなときだけ使うのがおすすめ。

▼POINT3 補正前と補正後を比べながら作業できる!

POINT3 補正前と補正後を比べながら作業できる!
補正前と補正後のビューを切り替えて編集することも可能です。

補正前と補正後を見比べながら編集すると変化が分かりやすいですよ。
補正前と補正後を見比べながら編集すると変化が分かりやすいですよ。

▼POINT4 Camera Rawフィルターの設定は保存できます!

POINT4 Camera Rawフィルターの設定は保存できます!
なにげに便利なのが、Camera Rawフィルターの設定を保存できること。全て補正できた状態で、右上のアイコンをクリックし、[設定を保存]を選択→[保存]ボタンをクリック、最後に分かりやすい名前をつければ何度でも同じ設定が簡単にできます。保存した設定を使用したいときは、同じように右上のメニューをクリックし、[設定の読み込み]を選択します。同じ場所で撮った写真に同様の色調補正をしたいときに便利です。

他の写真にもCamera Rawフィルターを使ってみました。

アジサイ … 赤みを押さえ、背景のタイルを白く補正。
アジサイ … 赤みを押さえ、背景のタイルを白く補正。

葉 … ぼんやりした色味を自然な彩度に補正。
葉 … ぼんやりした色味を自然な彩度に補正。

山 … くすんだ風景を好きな色味に補正。
山 … くすんだ風景を好きな色味に補正。

リス … 黄色みを押さえ、明るく補正。
リス … 黄色みを押さえ、明るく補正。

ペンギン … 赤みを押さえ、ペンギンのスマホケースが白くなるよう補正。
ペンギン … 赤みを押さえ、ペンギンのスマホケースが白くなるよう補正。

砂漠 … 青みと赤みを押さえ、黄色と緑をプラスして鮮やかになるよう補正。
砂漠 … 青みと赤みを押さえ、黄色と緑をプラスして鮮やかになるよう補正。

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いままで、Photoshopで色調補正が上手くいかなかった方も、これからはCamera Rawフィルターを使った簡単な色調補正にどんどん挑戦してみましょう。さらに細かい調整や機能もあるので、ぜひいろいろお試しください。Photoshopって知れば知るほど、奥が深いアプリケーションですね。また便利な機能を見つけたらご紹介したいと思います!

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    無料のサンプルファイル(jpeg)と設定(xmp)がダウンロードできる!

    今回使用した元画像とCamera Rawフィルターの設定を保存したデータはこちらからダウンロードできます。練習したい方は、ぜひお試しください!設定の読み込みをしたいときは、POINT4で紹介した内容を参考にしてください。