プラスチックごみに翻弄される動物たち 写真10点

増え続けるプラスチックごみ、削減するための解決策は?

2018.07.10
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【ギャラリー】プラスチックごみに翻弄される動物たち、写真10点(画像クリックでギャラリーページへ)
ビニール袋のそばを泳ぐジンベエザメ。イエメンに面するアデン湾で撮影。(PHOTOGRAPH BY THOMAS P. PESCHAK, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE)

 クジラは自ら吐き出したごみ袋と一緒に泳ぎ、鳥はプラスチックの破片で巣作りをし、地球で最も深いマリアナ海溝にも古いレジ袋が漂う。

 プラスチックは、私たちの便利な生活を支えている。しかしどう見ても、野生生物はもちろん、人間自身もプラスチックに埋もれてあえいでいる。(参考記事:「プラスチックごみ問題、アジアの責任は?」

 クジラや鳥だけではない。アザラシやカメは、捨てられたプラスチックの漁網に絡まってしまう。毎年、膨大な量のプラスチックが捨てられており、その破片は、微生物から大型動物まであらゆる動物たちの生活に入り込んでいる。(参考記事:「【動画】餓死したクジラ、胃にビニール袋80枚」

「動物たちにとって、海に流れ込み続けるプラスチックは、深刻な問題です」と、獣医病理学者アンドルー・ブラウンロウ氏は言う。同氏は、栄養失調で死んだアザラシを解剖し、胃からプラスチックを発見したことがある。(参考記事:「死んだ子アザラシの胃からプラスチック」

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オオニワシドリが、割れたガラスやプラスチック製のおもちゃなど、人間が出したごみの破片で巣を飾る。オーストラリア、クイーンズランド州。(PHOTOGRAPH BY TIM LAMAN, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE)

 プラスチック汚染は、最終的には私たちの身に降りかかる。マイクロプラスチックに代表される小さなプラスチック片を、人間が日常的に食べている動物が摂取する。牡蠣やムール貝から、微量のプラスチックが見つかることがあると複数の研究が示している。(参考記事:「忍び寄るマイクロプラスチック汚染の真実」

 プラスチックは日常生活に欠かせないもののように思われるかもしれないが、実は、汚染を減らすのはわりと簡単だ。プラスチックをほとんど使わずに生活するという極端な人々もいるが、そこまでせずともすぐに実践できる方法もある。

 まず、ビニール袋、ストロー、ボトルの使用をやめれば、簡単にプラスチックごみを減らすことができる。まとめ買いをし、プラスチックで包装された商品を避けるのもよい。繊維を除くプラスチックの約40%が、使い捨ての包装用だからだ。可能ならばリサイクルすること、やたらと捨てないことも、プラスチック汚染の削減に有効だ。(参考記事:「使い捨てプラスチックの削減を、米版編集長が声明」

【この記事の写真をもっと見る】ギャラリー:プラスチックごみに翻弄される動物たち、写真あと8点

文=ELAINA ZACHOS/訳=牧野建志

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