こちらの記事を拝読しました。
正直なところこの記事の総論については、私とシロクマ先生の間に考え方の違いは多分殆どなく、「同感です」以外に言葉がありません。
その上で、なんとなくの感想というか、私が考えていることについて、シロクマ先生の記事をトリガーに書いてみたくなりました。雑然とした話ですがご容赦ください。
私も、恐らくシロクマ先生と同じ程度の感覚で、「金の匂いがキツいブログ」は苦手でした。
以前も書いたことがあると思うんですが、「ブログのマネタイズ」自体は全然構わないと思うのです。ウェルカム。どんどんやっていい。
個人的な話で言えば、「コンテンツの中に全然別のコンテンツが突っ込まれる」のが嫌いであるという点で広告は入れていませんし、広告に対するクリック目当てが透けて見える記事(べたべた広告貼ってあって中身が全然ないような記事とか)はあんまりおもしろくないなーとは思います。とはいえ、これは単なる個人的な好みの問題であって、別段広告自体を否定する気はありませんし、無論広告を載せることが悪いことだとも思いません。かつて、色んな人が「webの収益化」というテーマを掲げて、果たせなかったことを思い起こせば、隔世の感だなーと思うばかりです。
ただ、一時期頻繁に観測出来た、「プロブロガーになろう」とか「ブログで生きていこう」的なお題目でサロン商売をしているような人たちについては、レッドオーシャンに人を引きずり込んでおいて自分たちだけ肥え太る、という構図が透けて見えて、かなりの不快感を感じていました。本当、あの時期に「ブログで生きていくために会社辞めました」みたいなこと書いてた人たち、今大丈夫なんでしょうか。引きずり込んだ側がなんの責任も取らないだろうことだけは確実だと思いますが。
これらの動きの結果、一時期「ブログの収益化」自体がマッチポンプ的なコンテンツとして確立されてしまって、右を向いても左を見ても収益化の話ばかり、みたいな状況になっていたことは皆さんご承知の通りでしょう。
この点についても恐らくシロクマ先生と私の感覚は通底していると思っておりまして、こういった動きが最近あまり観測出来なくなった点については、安心感以外のものがありません。仮想通貨に感謝するばかりです。
それはそうと。
上記の、「広告はあんまり好きじゃない」「けどマネタイズ自体は良い」というスタンスから、私自身はずっと、「PVの形をしていない利益」「影響力の形をしていない実益」みたいなものがブログから確立出来ないかなあ、みたいなことをなんとなく考えていました。
つまり、結局のところ、ブログを直接マネタイズする方法として、一番効率が良くメジャーなものが「広告」だから、ブログにおけるマネタイズは影響力勝負になってしまうし、ともするとPV目当ての釣り記事を書くようなことにもなってしまう。であれば、「PVとは全然別のところで稼ぐ方法」みたいなものが、少なくとも対抗ルートとして一般化出来れば、それを多少なりとも希釈することが出来るんじゃないか、と。
勿論、世の中には、例えば高い専門性のブログを書いて、一般的なPVは得られなくても、研究や転職といった側面でブログを有効活用している方はいらっしゃいます。ただ、それも突き詰めてみると「範囲が限定された影響力」というものに集約される側面はありまして、そういうものを包括した上で、「PVや影響力とは切り離されたブログの力」みたいなものを一般化出来ないかなあ、と。
この話についての私の考えは、まだいまひとつもにゃもにゃとしていまして、結論は出ていません。そもそも無理な話なのかも知れません。ただ、なんとなく「こういうのどうかな?」という程度のイメージはでき始めていまして、それについてはまた改めて、もうちょっとまとめてから書いてみたいと思っています。
ただまあ、現実の金銭や影響力とここまでシームレスになったからこそ、金銭の稼ぎよう、影響力の稼ぎようの美意識や美学が今まで以上に問われるようになった、ともいえるかもしれない。
美意識という程大したものでもありませんが、私自身は、金銭を稼ぐにしても影響力を稼ぐにしても、ブログの骨子みたいなものはきちんと保持しておきたいなあ、と思っています。
つまり、どんなにくだらないことであっても、書きたくなったことを書くし、書きたくないことは書かない。
この不倒城というブログの第一の読者は私自身であって、私が好きなものの良さをみんなに広めたり、私が書きたくなったことを書く為だけのブログである、と。私自身が自分のブログを読んだときの自己満足感こそ、このブログが描かれる原動力である、と。
そこについては今後もブレさせないつもりですし、ブレないまま続けていれば何か見えることもあるんじゃないか、と。
現在は、そんな風に考えている次第なのです。
今日書きたいことはそれくらいです。